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http://tibet.blog.shinobi.jp/Entry/47/ の続き
アジア太平洋人権協議会代表 平田文昭氏
「日本消滅か、移民国家化阻止か、日本の勘所を射る」
アジア太平洋人権協議会代表 平田文昭氏 |
皆さんこんばんは。
ご紹介いただきました平田です。
移民の問題全体について、少し頭の整理をさせていただきたいと思います。
お手元の資料の中で、国民集会資料Aと書いたA4の紙が一枚入っていると思います。これを使ってお話をさせていただきたいと思います。
私が申し上げたいことは、この1番と一番最後の16番、これにつきます。これを説明するために、他の2番から15番までがある、という風にお考えいただいてもいいと思うんです。
今、なぜ、中川秀直さんをはじめとする方々が、移民ということを言い始めたかと言うと、日本は少子高齢化になっていって、人口は減少していくんだ、と。従って、日本の今の人口によって裏付けられている経済力を維持していくためには、人を1000万入れるしかない、という、こういう言い方をされているんですね。
そこで常に言われるのが、介護の問題です。介護の人がいないんだ、と。これはどうしても介護士さんを、たとえばインドネシアから連れてくるしかないんだ、ということが言われています。
それから特に中小企業における働き手の問題が言われています。
しかし、これらの問題はすべて外国人労働者の問題なんです。
外国人労働者と移民とはまったく違った概念です。
これを意図的に混同しています。
あるいは言ってる人自体がこの区別を知らないんじゃないかと私は思っているんです。
これが一番大事なところなんです。
人間にはいろんな属性があるんです。宗教を求めることもある、政治の考え方もある、思想もあれば、芸術もあれば、何もある、かにもある。しかしその中で、労働者という属性だけを取り出して、これを利用するというのが、外国人労働者の受け入れなんです。
外国人労働者を受け入れると、どういう問題が起こるかというと、それは外国人労働者が移民化することによって、外国人労働者の問題が起こるんです。
実は、外国人労働者問題というのは、外国人労働者の移民化問題であり、では移民化問題とは何かというと、人がトータルに入ってくる、ということなんです。
それは労働者ではありません。労働者でもあるけれども、それ以外に人間は様々な属性を持っています。様々な要素を持っています。
それをトータルで受け入れなければいけない、というのが移民なんです。
本来だったら、外国人労働者に、子供の教育の問題というのは生じないんです。なぜならば、労働者として入ってくるだけだから。
ある期間、例えば10カ月、賃金はこれだけ、どこそこで、どういう仕事をする、という契約を結んで、その契約の期間だけ働けばいいんです。
どうしてそこに、子供の教育の問題が生じますか?
それを曖昧にしているから、外国人労働者で子供の問題が生じているんです。
しかし、移民となったらそうではありません。その人を丸ごと、例えば私という人間を、日本社会が受け入れなければならないわけです。当然私の背景には家族もある、政治的な主張もある、宗教心もある、芸術心もある、何もある、かにもある、様々な人間的な欲求がある。それをすべて受け入れなければいけないんです。移民を受け入れるということは。
したがって、家族を呼び寄せるということは、認めざるを得ません。家族を呼び寄せること、あるいはこの日本で結婚すること、子供を産んで育てること、これらを総体として認めなければいけないんです。
これは坂中さんなんかもはっきり言っていることですが、1000万と言いますけれども、労働力が1000万入ってくるということじゃないんですよ。200万だっていいんです。その200万が家族を5人呼び寄せいたらすでに1000万です。
家族を呼び寄せていいんですよ。移民は家族を呼び寄せる権利は当然ある。人間トータルとして受け入れるということだから。
たとえば、インドネシアから介護士さんを呼ぶとします。その人が移民だとします。私にはお父さんお母さんもいるんだ、弟も妹もいるんだ、その人が一緒に家族生活をしたいと言ったら、ノーと言えますか。移民なんです。家族を呼び寄せる権利はあるんです。
今、介護のために若い人たちが来て欲しいと思っているかもしれないけれど、その人達と一緒に高齢者も来るかも知れない。その人達の面倒は誰が見るんですか。
その人たちと一緒に子供たちも来るかも知れない。その人たちの学校の面倒は誰が見るんですか。現に問題が起こっていますね。いろんなところで。
ある程度まとまった数がいれば、まとまった教育ができるかもしれません。しかし実際は、今日本で起こっているのは、日本語ができない外国人の子供が、一つの学校に4人とか5人しかいない。こういう状態がいっぱい生じているんです。その4人や5人のために、どうするんですか。
国会議員は法律を作ればいいかもしれないけれども、実際の行政をやるのは市区町村であったり、都道府県なんですよ。特に一番末端で接するのは市区町村ですよね。文京区であるとか、何々町とか何々村とか。
そこの行政はいったいどうなるんですか。
そうなったときに、その子供たちにどういう教育を与えたらいいんでしょうか。外国人労働者なら簡単です。帰るんです。必ず。
しかし移民というのは、帰るかもしれないけれども、ここにいる可能性のほうが高いわけです。その子供をどういう風に教育します?
まさにドイツで起こっている問題ですね。
トルコ人を連れてきた。子供たちにはドイツ語の教育をしました。だからトルコ語がしゃべれません。ドイツの社会で生きる教育をしました。トルコに行っても仕事がありません。言葉もしゃべれないし、トルコの社会を知らない。しかしドイツ社会では、やっぱり彼らはトルコ人なんですね。背景に持っている文化がまったく違うから、ドイツ社会に受け入れられるはずがないんです。
これは大きな問題を引き起こすことになります。
1番のところ、移民は外国人労働者ではなくて、移民たちそのものが入ってくるんだ、と。その移民というものは、自己の文化を保持する権利がある。自己の文化を保持する権利がある、というのはどういうことかというと、国籍をとる義務はないんです。国籍をとることを我々は強制することはできない。仮に国籍をとったとしても、自分の文化的背景を保持する権利があるんだから、いわゆる民族教育をやる権利が出てくるんです。
どうします?
1000万いるとします。そこに様々な民族集団がいる。それぞれが全て民族教育をやる権利がある。それらの上に立って日本の国民教育はどういう教育になるんでしょうか。
日本というのは、国民であることと民族がほぼ一致している国です。私は端的に単一民族国家と呼んでいいと思います。そういう国において行われている国民教育と、多民族国家、多様な民族が民族の概念をつくる国家における教育とは、まったく国民概念が違ってくるはずなんです。
それは、日本という国が大幅に変質してしまうこと、もはや日本ではなくなってしまう。
そうなったら、天皇陛下はどういう存在になるんでしょうか。
様々エスニック集団、民族集団がいるんですよ。ブラジルから来た人もいれば、エジプトから来た人もいれば、ルワンダから来た人もいれば、ロシアから来た人もいれば、チャイナから来た人もいれば、チベットから来た人もいれば、台湾から来た人もいれば、朝鮮から来た人もいれば、オーストラリアから来た人もいる。
それらすべてにとって天皇がシンボルであるというのはどういうことですか。
天皇はシンボルたり得ますか?
あるいは靖国神社というものはどういうものになるでしょうか。
これからもし仮に、ちゃんと憲法九条を改正して軍隊をもって日本が戦争をしたとします。戦争をしたら死者が出る。その死者をどうやって祀ったらいいんですか。いかなる宗教によって、いかなる形式によって。そして、その死者たちは明治以来靖国神社にお祀りされてきた人たちとどういう関係に立つんでしょうか。
これらすべてについて説明ができますか?
キチッとした思想的な、あるいは宗教的な、理論的なことを言えるでしょうか?
まったく何も考えられていないんです。
つまり移民というのは総体として受け入れなければいけないんだということが抜けちゃっているんです。外国人労働者と同じに扱っているんです。
本来、異民族を受け入れるということは、3つの方法しかないんです。
3番目に書いてありますが、同化か、隔離か、民族階級制度か、のどれかなんです。
民族階級制度というのは、言ってみれば、インドにあるようなカースト制度なんです。
同化というのは、これは日本がかつてやったことでもありますし、フランスなんかもやっています。ロシアなんかも比較的近いことをやっています。
隔離というのは悪い言葉のように聞こえますが、実は違うんですね。ちゃんと居場所を認めるんです。あなたたちはそこにいなさい、しかしそこから出てはいけません。出てはいけないというのはごちゃごちゃになってはいけない、ということなんです。
ごちゃごちゃになったら、日本のやり方で全部やりますよ。自分たちの流儀を貫きたいんだったら、この範囲だけに留まりなさい、ということなんです。これは決して非人道的な方法ではないんですね。むしろこの方法の方がいいんですよ。特に外国人労働者の場合には。
しかし、そういう明白なことは、日本ではできないと思います。
日本でもし隔離をするとしたら、隔離ではないんです。租界ができてしまうんです。チャイナタウンができてしまうんです。コリアタウンが、なんとかタウンができてしまうんです。そこに日本の警察が入れなくなってしまう。日本の中の領土が切り取られてしまう。
日本では隔離政策は実はできない。できないということはすなわち、日本の領土が事実上、様々な小さな民族集団が占拠する土地によって、占められてしまうということなんです。
いや、そうじゃないんだ、統合政策だということをいう人がいます。
統合政策というのは、同化でもないし、かといって隔離でもない。一つの社会に統合していくんだと。その目的というのは、外国人が底辺化すること、これを阻止するんだ、という風な言い方をします。
しかし、私はこれは失敗すると思うんです。
なぜならば、これは同化とか隔離とかいうことを言わないために、言っているんですよ。
じゃあなぜ新しく入ってきた外国人が、底辺にならないんでしょうか。底辺にならないということは、私たち日本人の上にいくかもしれないということです。あるいは同じかもしれない。
それを受け入れることができますか?
ここは私たちの国でしょう?
特攻隊まで出して守った国でしょう?
それを今日本に来たら金が儲かるというんで来たやつが、何で我々と対等なんですか。
でもそれを言ったら、移民という身分で受け入れたら、人権の平等は認めざるを得なくなってくるんですよ。形式的論議としては。そこに軋轢が生じるんです。そこに受け入れた移民の人たちと私たちの間にものすごい軋轢が生じるんです。
そこに差別も起こるでしょう。
対立も衝突も起こるでしょう。
お互いに不幸なことなんです、それは。
それを避ける一番いい方法は、外国人労働者として受け入れればいいんですよ。もしやるならば。
例としてあげますが、外国人労働者を受け入れるってどういうことかというと、先ほど申し上げたように、あなたは、何とかいうスーパーマーケットで今年の1月から10月まで時給いくらで働きます、何日が休みです、と労働条件を全部決めて、それで契約を結んで、じゃあわかりました、連れてきます、と。これなんです。
そのときに、絶対大事なことは、必ず1年間に1カ月以上向こうに返すことなんです。必ず返すんです。必ず返せば定着しないんです。雇い主の費用で。
それから、雇い主が住居と食事の面倒をみる。そうすれば、あるところに変な町ができない。雇い主が雇う社員については、住宅とか食事について、労働基準監督署が徹底的に監督することです。
それから、海外送金にあたって政府の管理をつけることです。
これだけやれば、大きな問題はあまり生じないんです。
でも日本ではそういうことはできない。やったらたちまち人権侵害だ、と。ですから、外国人の受け入れすらできないんです。
移民の問題で、多文化共生とか、皆さん、きれい事を言います。しかしながら、そういうことは実はないんですよ。
祖国というのは、5番目に書きましたけれども、国民は、私たちは、一番、人に気兼ねなく自分の流儀を通せる大地なんですよ。そこに異民族集団がいるということは、多文化になるということは、自分の流儀と違う人が、そこにもあそこにもいるということなんです。
そうしたら私たちはその人たちに遠慮しなければいけなくなる。
なんで自分の国で他の文化の人間に遠慮しなければならないのか。
私はそういうことはあってはいけないと思うんです。
ここは私たちの国だから私たちの流儀でやる、それが祖国ですよ。
多文化共生というのは、その祖国がどんどん縮小することなんです。
世界中どこでも、ある程度の数をもった民族というのは、必ず国民化をしようとしています。それが独立です。
つまり、自分の流儀が通せる土地が欲しいんです。
その土地の上に、自分たちの政治体を作って、そこで自分たちのやり方で物事を決めていきたい、これが独立です。
その独立したい、ということはあちこちで起こっているわけです。
なぜ今、私たちが、その中に、そういう要素を入れなければならないのか。
この中川さんの提案の中には、単に移民というだけではなくて、難民を受け入れしようということが書いてあります。
それは第三国定住難民なんです。これはどういうものかというと、日本にたどり着く前に、ミャンマーで問題が起きて、難民が生じた。そこに日本の係官が調査にいって、何人か面接して、あなたは来てもいいですよ、と。こういうやり方で難民を受け入れようと。
今度日本がこれをやれば、アジアにおいて唯一なんですよ。
日本に来たい人はいっぱいいるんです。掃いて捨てるほどいるんです。そういう人たちを、日本が入ってきてもいいですよ、と言ったら、日本に行きたい人はいっぱいいるんです。
あえて、そういうものをもたらす必要は何もないんです。
9番目と10番目に書いてありますが、難民というのは実は、逃れてきた近くにいるのが一番いいんです。自分の国の近くにいるのが一番いい。
それを実現するには、列強が武力をもって、ある地域を軍事占領するのが一番いいんです。いちいち受け入れることはないんです。それが本来一番いいやり方ですけれども、日本は今、憲法上それができない。
お金を出してそういうことができるようにする、というのが一つの手でしょう。
なぜ、日本の中に受け入れるのか。ましてや今グルジアとか、ああいうまったく違うところからはるばるインド洋を渡って、東シナ海を渡って、何で日本まで来るんですか。おかしいですよ、これは。
それは、送り出す人と受け入れる人がいるわけですよね。
そういう人たちは、決して日本のためにやっているんじゃない。その人たちのためにやっているんじゃない。
全く違う、文化も違うところに、なんでわざわざここまで来るんでしょうね。トルコとかヨーロッパのほうがもっと近い。
今の段階で、こういうことがあるということ自体が、門戸を開いたら、もっとすごい人たちが来るということですよ。
しかし、そういう人たちは必ず日本で政治活動をやります。日本の中に外国の政治の力が入ってきやすくなってくる。これは安全保障上のリスクを高めることでもある。そういうことはやめたほうがいい。
移民政策の中には留学生の受け入れも入っています。
すでに30万人を受け入れるということになっていて、中曽根内閣以来、留学生を受け入れる受け入れると言っているんですけれど、もう一回よく考えなければいけないんです。
それは、日本語を勉強しても日本でしか使えないんです。
もし看護婦さんになる人が英語を勉強すれば、カナダでもアメリカでもオーストラリアでもイギリスでもドバイでもインドでも、金持ちの国はだいたいどこへでも行けますよ。
でも日本語で看護婦さんの試験をとったところで、日本でしか通用しない。そういう人を1000人も2000人も受け入れて、一生懸命日本語というまったく違う言語を勉強して、さらに看護婦さんの試験を受けて、どうするんですか。日本でやるしかないじゃないですか。
あるいはその人達が、日本と往復するような恰好ができるかもしれないが、いずれにしても、その人達の職場は日本にしかないんです。
考えなきゃいけないのは、そういう風に要請してしまったら、その人達が生活できるようにしてやらなければいけない。
日本がもし仮に東南アジアから留学生を受け入れたら、大事なことは、本人が本国へ帰ったら、それだけの立場になれるようにしてやることなんですよ。
これが実は戦略的な留学生政策でありまして、たとえばそういう人を、日本企業に優先して雇用させるとか、日本とどこかの国の友好関係を扱う団体に優先的にたとえば理事にしてやるとか、そういうことをやることによって、日本語を勉強するとこれだけいいことがある、日本という国と日本語で話せるということは、これだけメリットがあるんだということを示すことができなければ、留学生政策は失敗するんです。
日本の文化を学びたい、源氏物語を読みたいとか、禅を研究したい、というのは、こういうのはまったく別の話です。
ある一定数以上の人たちを留学生として政策的に受け入れるということは、こういうシステムを世界的に日本がつくっていくということなんです。
この留学生、簡単に30万人も受け入れてしまって、しかもその半分は日本で就職できるようにするという。若い人たちの就職先がどんどん減っているのに、何で留学生をそんなに増やさなければならないんですか。
前から言っているんですが、子供の数が減っているのになぜ大学は減らないのか。おかしいですよね。
介護の問題に戻りますけれども、自分たちもそうですけれども、外国で病気になったときに、症状をなかなか言えない。うーとかあーとか表情だけということもあるでしょう。田中康夫さんの言葉を借りて、人が人をお世話をする、と言っているんですが、そういう仕事というのは、言葉にないコミュニケーション、こういうのが大事なんですね。
あと言葉がお互いに通じるということは、実は気持が通じるということなんです。
それを外国人に任せることができるだろうか。それが本当に老人福祉なのか、高齢者福祉なのかということなんですよ。
移民国家というと、こういうことを言う人がいます。
大前健一さん、香港とシンガポールとドバイは成功していると、
逆にいうと、それしかないんですよ。
大前さんが例としてあげたのは、香港とシンガポールとドバイです。日本はそんな国になっていいんですか。
シンガポールは小さな島国でしょう。リクワンユーの領地みたいなものです。香港は植民地でしょう。ドバイは砂漠の中にあるシェイク・モハメッドの領地みたいなもんです。
みんな特殊国家です。民主主義国家ともいえないし、国民国家ともいない。そういうところだから成功するんです、逆に。
日本はなっちゃいけないことを逆に証明しているようなものです。
それからある人は、いろんな人材を受け入れたのは歴史の中でもあると言います。たとえばトルコ帝国とかモンゴル帝国とか。
しかしそれは前近代の帝国で、国民国家ではありません。
そういうことをモデルにすることはできないんです。
あと例外的な存在がアメリカです。
アメリカの背後にあるのは、一つに英語の覇権です。
そしてアメリカは今世界一の覇権国家です。アメリカは世界中から優秀な人材を全部集めてくるんだと、そいつらに本国では得られないような高い待遇を与えることによって、アメリカのために働かせる。
それができれば、アメリカは発展するんです。
日本はそういう国じゃない。
そういう国にはなれないんですよ。
だからアメリカのまねをすることはできない。
ロシアはちょっと特殊です。ロシアは拡大していく過程において、東シベリアの方にはあまり異民族がいませんでした。だから、ロシアが膨張してもそんなに……、しかし中央アジアの問題は抱えている。
ロシアはまた別の国なんです。
日本がモデルにできるような、成功した移民国家なんか世界中に一つもないんです。
もっとも申し上げたいのは最後の16番目なんですけれども、実はアメリカの社会というのは、そういう風に人材を引き入れるというのはどういうことかというとですね、実は、その中核になっているアメリカ人は没落するということです。
アメリカ社会における最も優秀な部類、これはアメリカ人である必要はないんです。しかし、一番大事なことは、その上に、この人たちを使っている人がいるんです。この人達は、常に優秀な人たちが入ってくれば、自分の地位は安泰なんです。
そういう仕組みなんですよ。移民国家というのは。
しかし日本はそういう風にしちゃいけないと思います。
16番の下の方に3つのカテゴリを書きました。
グローバルマン、リージョナルマン、ドメスティックマン、あえて英語を使ったのですけれども、日本はだんだんこういう国家の方向に向かおうとしています。
明らかにこの方向は、強力に推進されているんです。
グローバルマンというのは、世界中どこへ行っても仕事ができるという人です。会社の経営者になるような人です。これを国際人と言います。
リージョナルマンというのは、ある地域、例えば、東アジアとか、中東とか中米とか、そういうところで生活できる人たち、マネージャークラスの人たちです。
ドメスティックマンというのはそこでしか生活できない人たち。
実は今、国民が、こういう立場に慣らされている。日本がそういう国家になりつつある。
もしこのシステムが完全に完成してしまったら、もう日本というのは、形はあるかもしれないけれども、実質的にはないのと一緒です。
そういう国に日本をしちゃいけない。しかし、この流れは圧倒的な力をもって、日本の中で進んでいるんです。
トップクラスのグローバルマンの人たちからすれば、国民なんてバカにしているんです。
エグゼクティブクラスのリージョナルマンくらいになると、まだ国民意識があるかもしれない。しかし、これも、日の丸とか国民とか天皇とか大東亜戦争とかいうと、まーたあの右翼の連中がみたいに思っている。
一番下にあって、一番愛国心があって、国を思っている人たちが、実は、一番バカにされる社会構造になっているんです。
これができあがってくるんです。
移民を受け入れるということは、全体からすると、日本はこういう社会構造になっていくということなんです。
これを一旦始めたら、もう止めることはできません。あるところで止めたとしても、日本社会は大きな傷を負うことになります。お互いがなんです。私たちもそうだし、受け入れた移民の人たちもそうです。
ですから、そういうようなことはやっちゃいけない、やってはいけないことなんです。
そういうような世界システムの中で、うまく利用されるような存在になってはいけないのです。
実は、国際人になるのは簡単なんです。高校生ぐらいからアメリカに行けばいいんです。そういう国際人がいっぱいいる。しかし世界に目を開いて世界と勝負しながら、なおかつ国民であるということは、なかなか難しいんです。
でも、それが日本がやらなければならない戦いだと思うんです。
日露戦争のときに、あの強大なロシアと戦うというのは物凄く難しかったけれども、私たちは戦って、勝ったんですよ。
それと同じように、仕掛けられている移民、いわゆる国際化、これに対して、今戦うことが、明治に日露戦争を戦ったのと全く同じような意味で、平成の日本人の戦いだと思います。戦いに勝たなければならない。勝たなければ、日本は最悪の結果になってしまいます。
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