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日本はチベットから多くのことを学ぶことができる。優れた精神文化や深い歴史からだけではなく、中国に支配された経緯と命がけの抵抗運動から、我々が多くのことを学ぶべきだ。チベットが自由になるということは、日本が自由になるということだ。――このサイトの趣旨にご賛同いただける方は、サイト内の文章をご自由にご利用ください
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今日、港区の国際文化会館で行われた、緊急セミナー「チベット問題と五輪の行方」に行ってきました。道に迷い、交番で聞くと、すでに何人も道を聞きに来ているそうで、いったい何があるの?と聞かれ、説明しました。交番で道を聞いても迷いましたが、雨でずぶ濡れになりながらも間に合いました。

雨が降っているにもかかわらず、会場は定員80人を上回る超満員で折りたたみ椅子がたくさん用意されていました。女の人の方が多く、ハーブとかポプリとかに凝っていそうな感じの人が多い。僧侶の方も何人か見えられていました。

予定の2時間というのは短くて、若干時間をオーバーしましたが、もっと時間をとってくれたほうがありがたかったなぁ。
メモをとってきたので、概要は下に書きます。かなり端折りましたが長いです。



岐阜女性大学南アジア研究センター
緊急セミナー「チベット問題と五輪の行方」
18:30~20:40

司会:福永正明(南アジア研究センター センター長補佐・客員教授)


■ペマ・ギャルポ(南アジア研究センター センター長・名誉教授)
基調講演

チベット人は、人間の肉声にも魂が宿ると考えているので、マイクは使わない。これからする話はあくまでチベット人の立場から見た話で、別の見方も当然ある。
チベット問題は過去45年あった。急にチベット問題が出てきたわけではない。日本でチベット問題があまり知られなかったのは、中国の専門家がチベット問題を語っていたため。


1950年に中国は4万人の軍隊をチベットに送った。
名前が出てこないが田原総一郎の番組に出ている中国人(朱建栄?)が、有史以来チベットは中国領、チベットには100万人の農奴がいて、平均寿命38歳だったが、中国はそれを解放した、と言ってる。実際は、元(モンゴル人)と清(満州人)のときに、チューユン(寺と檀家)の関係にあっただけ。
英国は英露協商でロシアの南下を防ぐために、チベットの宗主国は清であることを承認した。
1910年、清はチベットに軍を送ったが、1911年の辛亥革命で清は滅ぶ。
ダライ・ラマ13世は軍隊の必要性を認識し、当時戦争が強い国は、ドイツ、イギリス、日本。矢島保治郎がチベットの軍事顧問となった。

中国は、1959年までに、17箇条の条約をことごとく破っている。
高僧、貴族、中国に招待されると、帰ってこない。
3/10というのは、1959年のその日、ダライ・ラマ法王が中国側から護衛なしで劇を見に来いと誘いがあった。ダライ・ラマには近衛隊がいた。号令だけは日本語(キヲツケ、ヤスメ)。ダライラマが殺されると思った民衆がそれを阻止した。それが3月10日。

79年、鄧小平は、独立以外のことは何でも話し合うと言った。ダライ・ラマ法王は今も鄧小平との約束を守って独立は主張していない。79年から6回、チベットの代表団が中国に行っている。私は第2回のときに3カ月行ってきた。胡耀邦は、80年5月、チベットの現状を見て、59年より悪くなっていることを認めて謝罪、80%の中国人を引き上げると言った。胡耀邦が失脚する87年まではよかった。

今年の3/10は何が違ったか。いつもと違う点が4つある。
1. ダライ・ラマは米連邦議会からゴールドメダルを贈られた。そのお祝いをして捕まった僧侶の釈放を要求。
2. 鉄道が開通して、年間400万人も訪れるようになった。中国人がどんどん入ってくる。ラサは今、チベット人12万人、中国人23万人。売春宿が100軒以上ある。地下資源の問題もある。そういう搾取に対する反発。
3. 2001年中国でオリンピック開催が決まったとき、人権が尊重されるはずだったが、そうではなかった。
4. チベット人の聖地を冒涜しようとしている。マスコットのうち2つはチベットの動物。パンダは厳密には中国のものではなく、チベットの動物。

非支那人の領土は63%。漢民族の土地は37%。
中国では自治区というのは自治がなくて植民地という意味。
このままではチベットは消えてしまう。満州は消えてしまった。内モンゴルは、モンゴル人と中国人の比率は2:8。ウイグルでは毎年、12~19歳が数千人規模で、家畜のようにトラックに詰め込まれて連れ去られている。北朝鮮の拉致の先生は中国。
中国は憲法で宗教を認めているが、(共産党の)教育を妨げるものはダメ。健康を害するものもだめ(座禅で足がしびれる)。秩序を乱してはダメ。結局高度な自治というのは絵に描いた餅になると思っている。

地震の犠牲は痛ましいが、これは限定的な問題。中国の今後はもっと大きな問題。中国では3億人が極貧生活を強いられている。経済が破綻すれば、数千万人単位の難民が外国に押し寄せる。



■笠井亮平(南アジア研究センター研究員、青山学院大学大学院生)
「チベット情勢をめぐる国際的側面」

独仏英米日露、各国の対応について説明。
アメリカは、4/23に上院が公聴会開催。結果をもたらすにはどういう対話が必要かが議論されている。ブッシュは開会式にいくのなら、チベットを訪問すべき。
日本はこれまでチベット問題を話すことはなかったが、外相、外務省は、言うべきことは言っている。だが具体的に何をすべきか、ということは言っていない。
ロシアは中国支持。ロシア人議長、安保理でこの問題を討議しない。



■辻康吾(現代中国評論家)
「『大国』としての中国」

テロといえば、ウイグルを連想する。
山東省列車正面衝突。上海のバス事故。女性によるハイジャック未遂。

法輪功は平和人権リレーをやっているが、何かありそう。
家庭教会。キリスト教。認められていない。1000万人ぐらいいる。ラジカルな団体ではないが、片っ端から牢屋に入れられている。

今回のチベット問題は、坊主の態度悪いからやっちまえ、で始まったが、こうなるとは誰も予想していなかった。
北京の中央民族学院で座り込みがあった。説得されて解散した。彼らは、チベットの共産党エリートで、将来チベットの指導者になるはずの学生。よほどの覚悟がないとああいうことはできない。驚いた。

中国人は、チベットのために金を使って豊かにしてやったのに、と思っている。
元軍人のインテリは、もう面倒だから、独立さえちゃえ、とまで言っている。
これは帝国主義、大国主義が陥るワナ。経済発展は別の問題。だから、厚遇されているはずの学生も座り込みをやる。

チベット問題は中国が変わらなければ解決しない。
文化大革命、自然災害で4000万人以上の中国人が死んでいる。今回の地震の被害はそれに比べれば微々たるもの(で影響はあまりない)。

中国は大国になりたがっている。
「大国堀起」というドキュメンタリーが中国で放送された。日本も大国に入れてもらっている。南京事件などはまったく出てこない。大久保利通の政治決断や渋沢栄一を高く評価。
しかし、中国は「ダライラマはケダモノだ」とか西側メディアは嘘つきとか言っているが、そういうことをいうとどう見られるのか考えていない。
とうしょうへいの決断で、近代化の格好はついてきたが、ソフト的な面がダメだと、本当の意味で大国扱いしてもらえない。中国のやり方は世界に受け入れられない。

100年ぐらいでは中国は変わらないだろう。
北京の故宮の額には、4カ国の文字で書かれている。共産党になって露骨に漢民族主義になった。唐はペルシャ系じゃないかと言われるほど、多民族的だった。
東大寺にはペルシャの女性がやってきている。中国がそれを復活できるかどうか。
孔子と餃子だけが中国ではない。


■補足

ペマ・ギャルポ

中国はチベットでの問題は全部文革のせいにしているが、文革は57年からでチベットでの暴圧は50年から始まっている。私の二人の兄は殺された。一人は射殺された。幸運にも即死だった。もう一人の兄は餓死させられた。最後は自分の排泄物を食べたという話を聞いた。

中国は覇権国家になりたがっているが、中国は外に頼らなければならない仕組みになっている。資本は外国、技術も移転されたもの。追い出したら困るのはお互い様。

中国が対話の席についたのは国際世論のおかげ。継続的に監視し続ける必要がある。南アフリカのように変えられる。


辻康吾

中国指導部の統治能力が落ちている。餃子問題は中央がさっさと謝って片付けようとしたが、現場ががんばってしまった。
良識的な国際世論だけでは、チベット問題は解決しない。北京に思考能力がない。


■質問と回答

ペマ・ギャルポ

・ダライ・ラマ側と中国の会談の内容は?
今回死者230人、逮捕1000人以上出ており、外出禁止令のために食料が得られないことを抗議。中国は、各国にアピールするなどダライラマ側に誠意がないと責任転嫁。
ダラムサラが今回の会談で評価しているのは、次の会談で、以前からの議論の継続が決まったこと。

・パンチェン・ラマ問題は今どうなっている?
7歳で国家反逆罪。チベット仏教の転生者であることが罪。外国がこの問題を正しても、中国は、元気でやっている、面倒を見ている、と言うだけ。実際はどうなっているかわからない。
偽パンチェン・ラマは世界の仏教界にこの前デビューした。あまり歓迎されなかったようだ。私は彼は高い人格の方だと思う。そういう運命に生まれたから。そういう彼にはとても同情している。

・ダライ・ラマ15世について
法王は、共産主義のもとでは絶対生まれない、白人かも黒人かも、女性かもしれないと話している。それまでに、チベット人が直接選んだ人に権限を委譲、セミリタイアする。摂政を決めるかもしれない。

・靖国問題について
平和五原則で、お互いに干渉しないことになっているのだから、日本は突っぱねるべき。国際慣習では、敵であっても、花を添えるのは礼儀。中国首脳も靖国に行くべき。ダライ・ラマも靖国に行っている。

・国連のジェノサイド条約について
国際司法委員会は、中国による計画的組織的大虐殺があったと述べている。

・テロについて
中国はテロリストアレルギー。何でもテロに結びつけたがっている(ウイグルの少女。バス爆発事件等)。
長野で捕まったチベット人も、中国はテロと関係づけようとしている。


辻康吾

質問は不明

中国人は、地震のおかげでチベットの影が薄くなったとホッとしたと言ってる。
天安門では公式には300人の死者だが、3000人だろうと言われている。実際は、家に帰って死んだ人もいて、トラブルを避けて、庭に埋め、旅行から帰らない、行方不明者になっているケースがあり、実数はよくわからない。




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