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(長文なのでこのページの短いバージョンも作成しました。時間のない方はどうぞ。
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第1回ウイグル勉強会に行ってきました。
文京区シビックセンターの前の公園に東京都戦没者霊苑があったので、そちらにお参りしてから会場へ。
【文京区】ウイグル勉強会(8/23)日時
平成20年8月23日(土) 1時から受付 1時半開会~4時まで(実際は5時27分まで)
場所
文京区シビックセンター区民会議室4階シルバーセンターホール(定員105人)
内容
演題:ウイグルの現況<中国共産党統治の実態>
講師:イリハム・マハムティ(日本ウイグル協会 会長)
演題:20世紀初頭のウイグル地域調査<大谷探検隊と日野勉>
講師:白石念舟(元日本シルクロード倶楽部専務理事)
司会 イリハム応援団 上薗益雄氏
日本がウイグルに関心をもったのは、100年前に、日野勉や大谷探検隊が東トルキスタンの地に行ってから、今回で2回目だということをお聞きしました。私たちがこの非常に離れた東トルキスタンの問題に関心をもつということが、日本人の将来にとって非常に重要なことだという認識がだんだん深まってきた結果だと思っています。
ぜひ、私も含めて、ウイグルの現状、また日本とウイグルの関係について理解を深めていただいて、日本の未来について考えていきたいと思います。
イリハム・マハムティさん
みなさんこんにちは。
こんなにたくさんの方が、ウイグルに関心をもってここに来られたことを心から感謝いたします。
きょう、ウイグルの現状をみなさんにお伝えしたいと思いますが、50年前にさかのぼって話をはじめたいと思います。
1949年、中国共産党の軍隊がウイグルに入ってきたとき、国民党軍の残党を完全に駆逐するために、短期間ウイグルに滞在するだけという話だったので、ウイグル側の抵抗をまったく受けることはなかった。
この時期、中国共産党は、ウイグル人はとても頭が良くて、平和的で、客人をよくもてなし、理性的、音楽好き、自然と調和した民族であると我々を褒めて、たくさんの中国人がウイグルに入ってきた。
1955年から、最初にやってきた軍隊を半軍半農という形にし、新疆生産建設兵団となった。彼らは新しい農業地を開拓したが、ウイグル人の土地も奪った。ウイグルで一番水が恵まれたところはすべて、兵団の人々がいる。ウイグルは農業用水の80%を山の雪解け水にたよっているが、上流地域は兵団のものとなった。
2001年9月11日のあと、中国共産党は全世界に対し、我が民族をテロリスト、頭が悪い、汚い、という宣伝を始めた。それ以前も中国は、ウイグル民族意識持っている者をすべて糾弾の対象とした。
1990年からウイグル各地で、石油、天然ガス、鉱物資源が発見された。その時期から、ウイグルにさらにたくさんの中国人が入るようになった。
私が生まれた街(クムル、中国名ハミ)は、1949年には漢民族は2%しかなかった。しかし2006年には、漢民族は87%を占めるようになった。
この街はものすごく広く、関東ぐらいあるが、生活可能な人数は50万人ぐらいで、それ以上だと水が足りなくなる。
しかし、中国政府は無理矢理たくさんの中国人を入植させている。
2000年に入ってから、ウイグルの大学でウイグル語での授業が禁止された。2002年から高校、2003年から中学、2006年からは幼稚園、小学校もすべて漢語で習うようになる。学校でウイグル語を話すと先生に叱られる。ウイグルを話したりすると、トップの成績であっても、その栄誉が得られない。
ウイグル人の先生にとって、中国語で授業を行うことは難しい。中国共産党は、6カ月の猶予を与えるから、その期間勉強して中国語を完全に習得すれば、職場に戻れると言う。特に南の方、カシュガル、ホータン、アックスなどでは、ウイグル人が多く、半年で中国語をマスターして学生を教えるのは無理である。それで、ほとんどの先生は家に帰された。そして、中国の本土の農村から中国人(大学生、大学卒ではない)を連れてきてウイグルの学生の授業をさせた。
2006年から、ウイグルの19~25才の未婚の女性が仕事を紹介するという名目で中国本土に強制連行されているという話をしたが、最近の情報では、15~25才ということである。人数は年間8万人。
彼女たちは中国の本土の工場で、年末に12カ月分の給料を一括でもらう。最初の約束では1カ月800元。日本円で15000円程度。しかし、実際は住居費、食費、必需品の代金を前借りし、年末4000元ぐらい(8万円に満たない)しかもらえない。
中国は労働力がたくさんあるのに、どうしてウイグルから連れてくるのか。それは、そんな安い給料で働く中国人はいないからである。もう一つの理由は、中国人の嫁にするためである。
中国人は女の子が生まれると、自分の子供でも殺す。あるいは売ってしまう。男の子だけ育てようとする。それで嫁不足となっている。
このようなやり方は我が民族を抹殺するための第一歩である。ウイグル自治政府が発表したのは毎年8万人、5年間で40万人である。今は農村地域だけだが、反発がなければ、都市からも集めるだろう。
ウイグルではウイグル人に仕事がない。ウイグル人女性の5人に1人が売春婦となって生計をたてている。
毎年100万人の中国人が入ってくるぐらい仕事があるのに、なぜウイグル人にだけ仕事が見つからないか。
それは中国人は堂々とウイグル人は不要、と言えるからである。以前はそのようなことはなかった。2000年に入ってから、政府機関に就職しようとすると、面接で民族を聞かれる。ウイグルは13の民族からなる。ウズベク人、タタール人、ウイグル人は顔が似ているから、あなた何民族か、と聞く。ウイグル人だと答えると、ウイグル人は予定の人数を採用しているので、今回の募集では、民族のバランスをとるために、ウイグル人は採用できません、と言われる。これはまだマシな断り方。
中国本土から、たくさんの中国の会社がウイグルに入ってきたが、彼らははっきりとウイグル人はいらない、という。
その結果、今、ウイグルの大学生の95%が卒業後、就職できない。
まだ若いのに仕事見つからない、男性は恋人と結婚したいが、職もないのに結婚できない。大学卒業まで両親の世話になって、卒業後も両親と同居して、結婚後も世話になるというようなことは男としてできない。
それで、ウイグル人の若者の犯罪が急激に増えている。
これは、ウイグルにとってよい話ではない。その地域の不安定要因である。中国共産党はそこまでわかっていると思うが、少数のウイグル人に何ができるか、と考えている。
私は軽視できない問題だと思う。
カシュガルで起きた公安襲撃事件で、2人の方の職種は、タクシー運転手と八百屋で、毎日中国人を相手にする職業である。
中国人がタクシーに乗っても、運転手がウイグル人だと、今日は金がないから、半分しか払わない、など、ウイグル人の運転手を虐げるようなことが、カシュガルだけじゃなくて全ウイグルで起きている。
八百屋は、トマト4つ買った人がお金を払った後、もう1個奪ったりして、それでケンカになるとウイグル人が悪者にされる。それを中国人はよく知っているから、堂々とそういうことをやる。
今年3月、チベットで問題が起きて、その2週間後、3月24日、ホータンという街で、女性だけのデモがあった。
「なんだ、ウイグル人は、女にだけデモさせて。男はなにをやってるんだ」と思うかも知れないが、その時期、男性はいない。
1955年から今まで、ホータン、カシュガル近辺の男性は毎年3カ月、3月から5月末まで、国のために労働奉仕させられる。ダム建設、道路建設、川の浚渫工事、兵団の仕事などである。
食わせてくれるならタダでもまだいい。しかし、この3カ月、タダで仕事をやっているのに、自分が食べる分は持参しなければならない。
これは55年から今まで、53年間ずっと行われてきたことだ。そういうわけで、3月24日のデモは、女性だけで行われた。
それからそろそろ来月から、イスラム教の断食月ラマダンに入る。ウイグルでは、ラマダンに入ると、どんな職場や学校でも、昼食は無料となる。費用は国が払う。それで、誰が断食したか一発でわかる。断食が発覚すると、給料を減らされたり、退学させられたりする。
モスクには18才以下、学生、公務員、定年者、女性は、入ってはいけない。昔から仕事をやっていて、自分の力で生きてきた年寄りしか入れない。
ウイグルでは自分の子供にさえ、イスラムの教えを教えてはいけない。
実際に2004年、カシュガルのある街で、ウイグル人の中学校の先生が、子供たちにイスラムの話をしてあげた。子供だから聞いた話を友達に伝え、それがどんどん広がって、警察官の耳に入り、先生は3年間刑務所に入れられた。
今ウイグルで起きている事件に対して、いろんな方が、テロ以外の方法で解決すべきと主張している。
ウイグル人は49年から今まで待ってきた。待ってきたが、中国共産党は、これまでの政策を反省して改めるというようことはなかった。逆に、今年に入ってから、弾圧は加速してきている。
だから、こういう状況下で、ウイグル人は自分が行動を起こすしかない、と考えている者が多数いる。
世界が助けてくれると信じた。アメリカを信じた。でも、今まで、誰もウイグルのことを話してくれなかった。私たちの東トルキスタンに隣接する国々は、同じトルコ系民族である。兄弟民族である。同じ言語を話す。だが彼らは自分の国の利益のために、中国共産党に協力し、我々を弾圧している。
カザウスタン、ウズベキスタン、キルギスタン、同じくイスラムの国パキスタン等、たくさんのウイグル人を捕まえて、送還している。彼らの半分以上が即決で死刑となる。長くても2カ月以内。たいてい10日、1週間で死刑となる。
ウイグルで死刑が執行されるとき、特に、外国に逃亡したウイグル人を死刑にするときは必ず、数千人~2万人のウイグル人を集めて、見せしめとして、公開処刑(銃殺)される。
政治犯なので、家族は遺体を引き取ることができない。
ウイグル人特に2008年に入ってから、自由にウイグル内を移動できない。南の方、アックス、カシュガル、ホータン、こういうところでは、特に厳しい。
街から出る前に、警察に、予定を報告しなければならない。
別の街に移動するとき、その間にいくつかの検問所がある。検問されるのはウイグル人だけで、漢民族は自由に通行できる。
それらの地域では鉄道よりバスで移動することが多い。バスの中で、銃をもった人間が、ウイグル人に身分証明書の提示を求め、移動先、移動目的などを聞くことになっている。
そういうようなことが増えてきてる。
ウイグル人は最も人間の権利がなくなっている。そこまで権利がないのだから、生きていても仕方がないという考えも出てくる。民族のために、漢民族を何人か道連れにして死んだほうがまし、と個人的に考えて、実行してしまう、ということが最近増えている。
これからもっと増える。そのことを私は確信している。
なぜかというと、カシュガルの事件が起きた後、何の罪も犯していない人が逮捕されるようになったからだ。他の街からカシュガルに入ったときに、いきなり逮捕されるようなことが起きている。いままで130人が逮捕された。一昨日の情報では、逮捕された130人のうち26人の遺体が家に戻されている。
それから、この130人が逮捕されて、普通に生活している人が逮捕されているが、家族は、逮捕されたことがわからない。なぜなら武装警察、警察、公安、兵団の警察、この4つの組織が、自由に、何の書類も見せず、人を動物のように連れて行くからだ。
息子をどこに連れて行くのか、両親にも言わない。どこに連れて行くのか聞くだけでウイグル人は罪になる。両親も聞く勇気がなくなっている。
この前も次のようなことがあった。
ウイグル人の20才の女性が、母と二人で生活していた。母親は70才になり病気である。この女性が母親の面倒を見ている。兄は所帯をもっていて、毎日母親のところにこれない。その女性が中国当局から、内地に働きに行けと言われた。女性は、いけません、私がいくと母は死ぬしかない、と状況を説明した。しかし、警察が彼女の家にやってきて、強制的に連れて行こうとした。兄が警察とケンカになり、兄は公務執行妨害で逮捕され、懲役3年となった。
結局その女性は、強制的に内地に連れて行かれて、仕事をしている。
こういう政府に対して、強い怒りがあっても、中国共産党という巨大な機械の前で、ウイグル人一人では何もできないという状況がある。自分の生活が変わらないのなら、何かやって死んだほうがいい、という考えがものすごく広がっている。
もちろんそういうことは賛成できない。みなさんはそれを聞いてどう感じるかわからないが、自分の身に起きて感じている人間にはそれしかない。
ウイグルだけではなく、中国全土で起こっているいろんなことに対し、私は、そういうことをやっている人間の立場に立って考えるのが一番正しいと思う。
人間に生まれて、そういうことで命を落とすことを誰が望むのか? 望む人間などいない。みんななぜそこまでやるのか。日本で幸せな生活をしているみなさんは感じないと思う。
その中国共産党を指導しているのは人間じゃないですか、という考えは間違っている。
私は中国共産党を指導している、それから中国共産党の下で仕事をやっている人間は、人間とは言えないと思う。
彼らが考えているのは自分の利益だけだ。
「人は自分のために行動しなければ、天から罰せられる」ということわざが中国にある。
こういう思想をもっている中国人の幹部が、他の民族のために考えるわけはないと思う。
それから、ウイグルではこれまで、奇形、奇病の子供が生まれ、異常な病気が発生している。それらの病気に対し、中国政府は1号病、2号病、3号病と名付けた。どういう病気なのかわからないからだ。その病気になった人たちは、長生きしても半年、10日、1週間でなくなる。
私はウイグルにいるとき、おかしいなと思った。どうして南のほうだけこういう病気が起きるのか。
日本に来てから、これは核実験の結果だとわかった。
核実験は1964年から、1998年まで、ウイグルで中国政府は46回行った。地下核実験が11回。35回は地上あるいは空中での爆発。私は実験場はロプノールだと昔から聞いていたが、実験場を地図で見ると、私が住んでいた街のそば。なぜ、私が住んでいる街が、南の地域のような被害にあっていないのだろうか。
中国は毎回核実験をするときは、東から西に風が吹いているときだけ。西から東だと中国本土が被害に遭う。だから彼らは毎回、中国の本土から中央アジアにむかって風が吹くときだけ実験していた。
ウイグル人はいままで75万人ぐらい被害にあって、死んだという話があったが、、日本の研究者による、最低の見積もりの結果では127万人だった。
ウイグルに住んでいる人が死んでいるということは、この核実験の本(高田純著「中国の核実験─シルクロードで発生した地表核爆発災害」)に書いている。
実験場は砂漠だが、その砂に残った放射性物質は、30年は人に影響を与え続けるという。
私が小学校5年生のとき、私が住んでる街で、50cm先の顔がわからないくらいの砂塵が1日吹いたことがあった。その時は、春には、強風が吹くときがあるので、それかなと思った。そのときは、核だとは誰も知らなかった。
核実験のことは全然教えられていなかった。78年から再び大学の授業が始まって、ウイグル人の学生らが、独立とか、物理、化学の勉強し、少しずつ、ウイグルの核の被害が大きいという考えが広まるようになった。
今考えたら、私の小さいときの体験は、間違いなく、核実験の後の風だ。この核実験の現場は私の街のそばだったからだ。
私は皆様に、これから五輪の後も、ウイグル、チベット、モンゴルの現状に対して関心をもって、現状に対しウイグル人のこと、チベット人のこと、いろんな宣伝をしてくれることを期待しています。
五輪が終わったら、中国政府は海外メディアを規制します。中国共産党は五輪のために我慢してきた。やることは、これからやる。ということになります。
五輪が終わらないうちに、チベットで140人銃殺されたというニュースが入った。ウイグルで何の罪もない26人の遺体が戻された。これからのウイグルの雲行きを私はとても心配しています。
できればみなさんは、近いうちに、ウイグルに観光にいかないほうがいいと思う。これから起きることは組織的な行動ではない。個人個人でいろんなことをやってしまう。
彼らは、女性、子供、年寄りが被害を受けないようにと考える人は少ないと私は思います。自分の主張、自分の考え方を示すために実行し、被害を与えてしまう人がこれから増える可能性があります。
どうかみなさん、ウイグルの今後のこと、ぜひよろしくお願いします。
ご静聴ありがとうございました。
(http://tibet.blog.shinobi.jp/Entry/43/ へ続く)
カシュガル 公安襲撃事件
http://ihasa.seesaa.net/article/104250618.html
高田純著「中国の核実験」
http://www15.ocn.ne.jp/~jungata/NEDonSilkRoadJap1.html
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