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日本はチベットから多くのことを学ぶことができる。優れた精神文化や深い歴史からだけではなく、中国に支配された経緯と命がけの抵抗運動から、我々が多くのことを学ぶべきだ。チベットが自由になるということは、日本が自由になるということだ。――このサイトの趣旨にご賛同いただける方は、サイト内の文章をご自由にご利用ください
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今日、両国国技館で行われた、

ダライ・ラマ法王来日講演
心の本質は光
よみがえれ 美しき日本の心
めざそう 世界貢献

を聞いてきました。内容をご紹介します。私のメモ書きがが、翻訳された方の流暢な日本語の速度に追いつけず、走り書きで読めない部分も多かったので、表現がおかしい、あるいは不正確なところもありますが、それは私のせいです。とくに光明の心のお話の部分はかなりメモが抜けています。正確な法王のご発言については、いずれ発売されるDVDをご覧下さい。

 



皆様お忙しいのに、私の話を聞くことが大切だと考えて、お越しいただいてありがとうございます。

私が特別な人間で、特別な力があり、特別なことを教えてもらえると思っている方、それは違います。私にはそんな力はありません。
私にある種の超能力、ヒーリングパワーがあると思って来た方がいるかもしれませんが、私はそのようなパワーの存在には懐疑的です。そんなパワーがもっている方がいるのなら、私は手術などせずに胆石をとってほしかった。でも、そんなことは不可能でナンセンスでしょう。
分析して根拠のあるもの、証拠に裏付けられたものだけを受け入れなければなりません。

釈迦尊自身、人は教えを選択して受け入れる権利があると語っています。
教えを眼暗滅法信じるのではなく、正しいと思ったことを信じるということです。

実際に、ある種の人は、超能力があると言って、人を騙します。気をつけるべきです。

私ははっきり言えば、ただ一人の人間であり、一人の仏教徒であり、釈迦の弟子の一人でしかありません。ごく一般の常識に基づいて、お話ししています。

今日は3つのセクションのお話をします。

1.世俗の倫理観―日常の次元のお話です。
2.心の本質―仏教的概念に基づいてお話しします。
3.質疑応答


すべての命は、二つのレベル(物質的・精神的)の幸せと苦しみがあります。そして幸せを求めない人はいません。物質的にはある程度のレベルに達しているが、それでも貧乏は存在する。悲しいことだが、社会的貧富、国家間の貧富の差がある。貧しい人は弱い立場に立たされる。
きのう九州の女子高で、バングラディシュから来た生徒が、「日本にいると誰もが幸せで、そんな日が、明日も、その次の日も続くと考えてしまいます。でも、国に帰ったとき、4才の女の子が私に物乞いをしてきました」と話していました。

日本は物質的向上はめざましく、今日と同じように明日がくると思っています。
しかし、多くの人が精神的な問題を抱えています。落胆、自殺、心に病を抱えた人がますます増えています。
物だけでは人間は幸せにはなれません。
肉体的には快適でも、精神的に快適な生活は得られるとは限りません。

私たちは様々な精神的困難に直面した場合、精神的レベルで解決すべきです。物質では解決しません。

ある物質に、ある種の物質を与えることで、物質は変化します。
色にしても植物にしてもそうです。

精神についても同じことが言えます。
心配事をなくすには、なぐさめを与えるような考えを取り込むことです。
様々な感情は物質では変えられません。
ある種の感情を軽減する場合、相対する心をはぐくむことです。
憎しみの心は、「憎しみがなくなりますように」とお祈りしても、瞑想してもなくなりません。
優しい思いやりの心をはぐくむことで、憎しみを減らすことができます。

恐れ、恐怖は勝手にはなくなりません。
その相手に信頼感をもつことで、恐れるにたるものではないことが理解できます。
厭世的な考えは、楽天的な考えで取り除くことができます。

大切なことは、何事も調べてみることです。
健康の場合、何が健康に役立つのか調べて、役立つと思うものを取り入れることです。
そして、害すると思うものはとらないことです。

同じように、精神についても調査しなければなりません。
どういう感情が役に立ち、どういう感情が損なうのか、ということをです。

慈悲、愛、平穏、平和は、心の健康が維持されます。
怒り、憎しみ、嫉妬、恐怖は、心の健康を害します。

「慈悲心をはぐくむことは身体によい」ということは科学で明らかになっています。免疫機能が高まるのです。逆に、怒りや憎しみは、免疫機能を低下させます。

心の平和と肉体的健康を維持するのに、慈悲心は大きな影響を持っています。

これらのことは、宗教的な観念ではなく、日常生活を分析すればわかることです。

怒りや憎しみは、ある程度は、生き延びるために必要なものです。生存の妨げとなるものを排除するために、生物学的にある程度は必要です。

怒りは、嫌なものを排除しようという機能を発揮しますが、極端にそれが強くなると、危険をもたらします。
現実を現実的な眼で見ることができなくなるのです。

「敵」と言われるものは、永遠の敵ではありません。すべての感情は不変ではありません。
破壊的感情も永遠に存在するわけではありません。
極端な破壊的感情により、非現実的なもののとらえ方をして、非現実的な行動をしてしまいます。
ですから、怒りなどの破壊的感情の限度を理解しなければなりません。

2,3年前にストックホルムで80代の米国人の心理学者からお話を聞きました。
人間の心が完全に、怒りや憎しみに支配された場合、多くのものを悪く認識してしまうが、実際はその90%は誇張だと言います。

仏教経典にも同じことが書かれています。「破壊的感情により正しい心の働きが阻害され、すべてが誇張される」と書かれています。

朝起きたとき、今日1日平和に過ごしたいと、皆が思っています。しかし現実には次々と悪いことが起きます。
私たちにはリアリティーの把握が欠けています。破壊的感情が、現実を誇張し、現実を見えなくしています。
たった一つの角度からしか対象物を見ていないのに、正しく理解していると思っているのです。

あらゆる物は相対的な存在です。
人差し指と中指と薬指を見ると、中指が長いと考えますが、これは相対的な判断です。

すべての善し悪しは相対的なものです。
現実を正しく把握するには、あらゆる角度から見ることです。
そうすると実際の姿を現実的に捉えることができます。
そして、現実的アプローチをとることで、正しい解決ができます。
間違った現実認識では、正しい解決ができません。

私自身、最近、胆石の手術をしました。手術は複雑なものとなり、普通は20分ぐらいですむのですが、3時間ぐらいかかりました。しかし、快復はとても早く、担当医は非常に驚いていました。

自分は特別なのかなと思いましたが、精神の状態が平穏なので快復が早かったのでしょう。そのような精神的状態は免疫機能、快復機能に大きく役立ちます。私自身の体験から、そのことは保証できます。

皆さんも慈悲の心を持続的にもち、心のバランスがとれれば、平穏で静かになり、ストレス、不安、心配がどんどん減少していきます。
精神安定剤を摂る必要もなくなり、その人の人生も幸せになっていくでしょう。
すべての変化は個人から作り出されます。一人の人間が幸せになれば、家庭が平和になり、国、世界が平和になるでしょう。

私たちは愛と慈悲の心の種をもっています。
それは生きるために必要だからです。

新生児は母と接触する時間が多いと、脳の発達がすばらしいそうです。母の愛情に包まれることが、脳の発達に大切だということは科学的に証明されています。
肉体的だけではなく、愛情に包まれた家庭に育てば、優しい人に育ち、幸せな人生を歩めます。
物質的裕福さより、愛情に恵まれることが重要です。

我々はすべて母から生まれたのですから、本来的に愛と慈悲の心を持っていることは確かです。
ですから、他の人に対する愛と慈悲の心を持ってください。

心について。

仏教や古代インド哲学で詳しく説明されています。
意識には6種類ありあます。五感と意識作用です。
心の感情がどのように機能するのかということが、細かく分類されています。

主な心の意識は中立的です。
他の意識により、よい感情に変わったり、破壊的感情になります。
一人の人が、ある対象物を見ているとき、愛と怒りを同時に持つことはできません。
しかし、ある時には愛を、ある時には怒りを持つことはできます。
普段は中立的な意識が、愛や憎しみが生じたときに、そちらに変わります。

「光明の心」というのは私たちの心の本質です。光り輝くような心です。
それを土台として、感情が表だって出てきます。
光明の心は水のようなもので、コップ1杯の泥水の中には、清んだ水は存在しますが、一時的に泥が混じっています。光り輝く清らかな心の本質は常にそこに存在しています。

 


【管理人註】
質問は5人が質問し、一人はモンゴル人の女性で英語で直接対話されていた。
二人目の質問者は柔道北京五輪金メダリストの石井選手だった。その質疑だけ再現します。

石井選手
自分は大きな転機にさしかかっていて、自分の中ではどうしてよいかわからない状況にあります。いろんな人がアドバイスをしてくれますが、最後は自分が決めた方がよいのか、長いものに巻かれた方がよいのか、どちらだと思いますか?

ダライ・ラマ法王
たくさんの方からアイデアを取り入れるのも大切ですが、仏教の考えでは、究極的には自分で分析して、考えて、判断することが大切です。自分で判断された方がよいでしょう。

【管理人コメント】
開演が少し遅れて2時15分くらいから始まり、4時40分頃に終了した。
来場者の男女比は1:6ぐらいで圧倒的に女性の方が多かった。ダライ・ラマの包容力が大きさが女性に圧倒的な支持を得ている理由だと思う。ダライラマ法王はいままで映像でしか拝見したことはなかったが、これまで見てきた通りの、とても茶目っ気のある方で、何度も会場から笑いを誘っていた。
最後に花束贈呈があり、早稲田大学の石濱教授、松原仁議員、民主党の牧野聖修氏、下村満子氏などが法王に花束を贈呈していた。
そういえば、朝日ニュースターの「パックインジャーナル」という番組で、下村満子氏がチベット問題を熱く語っていたことがあったのを思い出した。司会の愛川欣也氏には流されていたが、彼女はチベット問題には相当熱心なようだ。

ダライラマ法王の「物事を多角的に捉えて現実を正確に認識しなければ、正しい行動はできない」というご発言は、開演前に会場で読んでいた「諸君!」の西尾幹二氏の発言と同様だったので、印象的だった。西尾氏は「雑誌ジャーナリズムよ、衰退の根源を直視せよ」で、西尾氏の皇室に対する問題提起に対して、皇室自由派と皇室伝統派から非難されたが、どちらも東宮家の危機という現実を一切見ず、絵に描いたようなわかりやすい固定観念に執着している、彼らにとって現実はどうでもよく、自分たちの観念や信念が大切なのだ、と指摘していた。
ダライ・ラマ法王のご説明は、極めて常識的な内容で、反論する人はまずいないと思うが、その極めて当たり前なことを再認識する機会を与えていただいたことを感謝したいと思う。
自分の身の回りのことや関心のあることに法王のお話を当てはめて考えてみると、世界が違って見えてくると思う。
それにしても石井選手、二週間の間に、天皇陛下とダライ・ラマ法王からお言葉をいただくとは。そういう人はこれまでいなかったかもしれない。
マスコミの注目の的である石井選手がダライ・ラマ法王に、注目されている話題について質問したのだから、大きく取り上げてくれればいいのだけれども……。

最後に豆知識。国士舘の舘旗とチベット旗はちょと似てる。
国士舘はチベット問題について学生にどのように教育しているのだろうか。
http://bbs.avi.jp/photo/66649/7400534


 ダライ・ラマ14世:石井慧選手が進路選択を相談
http://mainichi.jp/select/today/news/20081107k0000m040081000c.html
 

チベット問題は日本の問題でもあると思う方
彼らを侵略している中国を支持する政治家を落選させたい方
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