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永山英樹氏
改めてご挨拶申し上げます。永山です。
今回の事件で犠牲になられた、ウイグルの方々に哀悼の意を表したいと思います。
また、日本ウイグル教会の方々には敬意を表したいと思います。
メルマガ「台湾の声」の林建良編集長からメッセージが寄せられていますので、それをご披露したいと思います。
人権と平和を守ることを国是とする日本は、中国のウイグル人に対する弾圧を強く批判するべきである。
これほどの虐殺が行われているにもかかわらず、日本政府がなぜ沈黙しているのかが理解できない。
2002年8月、米国は東トルキスタン組織をテロ組織と認定し、中国のウイグル人弾圧を容認した。
米国はこの誤った方針を速やかに訂正し、ウイグル人に謝罪するべきだ。
日本政府もまた、米国を非難するべきである。
中国の他民族へのジェノサイドは全人類に対する犯罪であり、断じて許すわけにはいかない。
日本と台湾は、ウイグル、チベット、モンゴルの産民族と連携して、中国の暴挙を阻止しなければならない。
かんばりましょう。ありがとうございます。
林建良
林氏は台湾人として言いました、日本と台湾は三民族と連携しなければならない、ということです。
僕も日本人の立場から、訴えたいと考えております。
石平さんのお話とほとんど重なると思いますが、まずそれに先だって、今回の問題に関する国内の状況をちょっと触れさせていただきます。
政府もそうですが、マスコミですね。
我が国のメディアは昨年のチベットのときと比べ、確かに、事件勃発当初はこの問題を大きく取りあげましたが、しかしそれは長くは続かなかった。短期間で下火になっているというのが現状です。
これは、非常に残念に思っています。
というのは、ウイグル人が長年の弾圧に耐えかねて……身の危険も顧みず、声を上げて、その結果、多くが殺戮され、あるいは弾圧されている、こういった状況で、もしこれを、日本あるいは他の国のメディアが、きちんと報道し続けているのであれば……
実際今回の問題は、この暴動と言われるものだけではないんですね。
今回、この60年間、ウイグルの人たちはどういう目にあってきたか、中共がどういうことをやってきたか。ということが明らかになったとともに、これからどうなるのかということが見えてきたんです。
それにもかかわらず、こういうことを伝えていないということは、もしそれを伝えていれば、亡くなった方々の犠牲も、決して無駄にはならないわけなんですが、それをやらないというのは非常に残念に思います。
この日本のメディアが、なぜウイグルの問題を広く深く伝えようとしないのかというと、まず第一の原因は、中国に対する遠慮があると思います。
今回の中国当局の事件に対する対応が、去年のチベットのときと一番違うのは、まずただちに、情報公開をしたんですね。海外メディアに対して。
これは中共当局の公開する情報というのは、もちろんご都合主義のものでしかありませんが、要するに、海外メディアが中国批判をする切っ先を制する形ですね。まず自分たちが発表したと。
それとともに、海外メディアを通じて自分たちの主張を世界にばらまいた。そういった策略が成功したということではないかと思います。
我が国のメディアもこういった策略については十分承知だったんですね。一部メディアもちゃんとそういうことを自ら書いているにもかかわらず、結局はその策略にのってしまった、ということです。
日本のメディアは結局はだまされた、というよりも、これは重要なことですが、日本のメディアは、中国のそういった宣伝戦、情報戦、中共はそういった情報戦を建国以来ずっと続けてきているわけですけれど、これにだまされたふりをしているということなんです。
中国との関係をおもんぱかり、配慮し、だまされたふりをしているということです。
こう考えると、日本のメディアに限らず、他の自由主義国家のメディアにしても同様ですが、チベットのときは、去年は確かに北京五輪が絡んでいましたから、注目度がありました。
それにしても今回は、あまりにも報道を沈静化させるのが早すぎる。
こういった現状について、中国の御用メディア、これは香港のメディアですが、こういった論評をしています。
世界の圧倒的多数の国は、公正なる立場を堅持し、事件の原因を明らかに理解し、中国政府の立場と政策を支持した。
そういうことを言われてしまいました。
どこまでも海外のメディアは中国の宣伝に利用されているわけですね。
ということは、中国当局は今回の事件、7月5日に発生したわけですから、7・5事件と呼ぶんですね。これは正式にいうと、7・5破壊焼討重大暴力犯罪事件というんです。
これは何かというと、ウイグル人が犯罪を侵したんだよ、と。平和と秩序を一方的に乱したんだよ、と彼らのいうウイグル人のテロ組織の思想を受けて、一方的に平和な社会、民族の団結を破壊した、と言う宣伝そのものの呼称ですね。
こうした中国の宣伝を、日本のメディアが、世界のメディアが支持をしたと中共は言っているわけですが、実質的にその通りだと思います。
日本を含む自由主義国家のメディアは、中国の政治宣伝の前では無力であるということが今回露呈されたということで、これではとてもウイグル人を解放できない、と考えざるをえないわけです。
ウイグル人の敵は、中共だけではないんです。世界各国もまたそれに荷担しているという現状があるんですね。
そこで、政略的な話をいたしますと、今も中共政権を支える二つの柱があります。一つは、暴力ですね。
ご存じの通り、 暴力を使って、国内の敵を押さえつけるんですね。政権を安定化させて、さらにその政権を強化するために、領土拡張を暴力でやって、支配する。ウイグル、チベットの現状はまさにその暴力によってもたらされているわけですが、ところがあまり大変なことをしますと、海外の反対勢力から抗議を受けますので、この暴力を正当化しなければなりません。
そこで、もう一つの、政権を支える柱としてあるのが宣伝ですね。 暴力を正当化する宣伝です。
被害者を悪者にして宣伝して、自分たちの行為は正しいと。今回のウイグル人への誹謗中傷は、まさにそれそのものであるわけです。
ただこれを逆に考えれば、暴力、宣伝、これは彼らの生命線であるから、逆にみれば、アキレス腱にもなるわけです。
中国の暴力を肯定する宣伝は嘘だよと、国際世論がそう叫び声をあげれば、これは、中共政権のアキレス腱であるわけですね。
ウイグル問題、チベット問題はアキレス腱であるという所以はここにあるわけで、ここを攻めたらどうかという戦略が、我々は自然と構想されるわけです。
ただもう一つの問題は、中共の宣伝を守っているものがあるんです。
これは何かと言えば、自由主義国家における、政府、メディアあるいは多くの国民が、中国の宣伝の前に沈黙する、それを擁護する、そういった中国のための翼賛体制、大政翼賛会というのがありましたが、その翼賛というのが実は存在する。
これは中国のこれまでの工作によって、世界中にそういうものが作られているわけです。媚中勢力というのがそれです。
こういうものが実際に存在していて、中国の宣伝を守っているという状況があるわけです。
こうなるとウイグル解放のためには、ただ単に中共を批判するだけではなく、こういった勢力をも視野に入れなければならないわけです。
こういった中国翼賛の海外の勢力、たとえばその一部が日本のメディアですが、こういうったものは強そうで実は意外と弱いんですね。
というのは、今回のウイグル報道で、新華社電をそのまま転載するということをやりましたが、徐々に、事件の本質をついた、そういった、中国が見ればいやがるような、そういう報道が多々見られています。
これはなぜかといえば、一つの原因は、日本国民が去年のチベット問題を通じて、中共のいわゆる少数民族政策というものに、批判能力をもちつつあるからなんです。
我々が批判能力をもてば、大きな力になるといういこと。批判能力というのは重要なんです。
ただ、批判しているだけではダメなんですね、これからは。
我々が相手にしなければならないのは中国の膨張主義というものですから。それを食い止めるためには、批判だけではなくて、むしろこちらは攻撃の体勢に転じなければならない。
これは実際は可能なんですね。
中国の暴力に対抗するには、つまるところ暴力によって対抗しなければなりませんから。この辺は今後の軍事戦略に大きく委ねるしかないんですが。
中国の戦略はそもそも諸国民に対して訴えているものですから、我々はそれに対して応戦することができるんです。
これはどうすれば可能かというと、昨年のチベット問題で欧米、日本の人権活動家グループが声をあげました。
それによって、世界の政府、メディア、国民が、心を動かされたんですね。
そして、チベットに対して同情、関心を寄せたというのがあります。
こういったことが重要なんです。日本がまさにこれをやらなければならない。
なぜかというと、日本は、今のウイグル問題、チベット問題がどこから発生したかというと、これはあくまでも覇権主義なんですね。覇権主義がもたらしたもの。
中国の覇権主義は矛先を現在、台湾に向けています。
ですから、台湾問題というのが非常に深刻化していますが、いうまでもなく、台湾問題は日本問題であるわけですから。
ここで、日本と台湾は声をあげなければならない、ということです。
アキレス腱をついちゃいけないよ。友好が一番だという人は大勢います。
友好、いま戦略的パートナーという言葉に変わりつつありますが、友好をやっても意味ないんです。
なぜかというと中国の膨張主義に何の影響も及ばさない。逆に彼らを励ましてしまっているということは、現在の台湾の対中融和政策をみれば明らかなんです。
唯一の方策は、チベット、ウイグル、南モンゴルの人たちと提携するということです。自由と人権、自由と平和の弧をつくって、何をやるかといえば、いままで人権団体が叫んでいたことを、日本世論が、台湾世論がやるということです。
日本世論、これは世界に対して影響力が大きいです。それから、台湾の世論、あの国は国際的に孤立化していますが、今の状況をみると、今日のチベットは明日の台湾といいますが、台湾世論というのは非常に影響力をもちます。
ですから、日本と台湾が世界に向けて、欧米に対しても、中共のやっていることは大変なことなんだよと、欧米にいるみなさんはわからないかもしれなけれど、アジアは今大変な目にあっているんだ、と。ウイグル、チベットを応援しよう、と。
そういった声をあげることで、はじめて国際社会が中共の膨張主義に対する、抑制という方向に動くことになるわけです。
この間、ラビア・カーディルさんのドキュメンタリー映画がメルボルン映画祭に出展されるということで、中国が嫌がらせの圧力をやったんですね。ボイコットという。結局その嫌がらせの結果、墓穴を掘りましたね。
主催者は中国の政治干渉だと言ったものだから、これが世界中の賛同を受けて、このニュースは世界を駆けめぐり、主催者はかえって株を上げました。
ウイグルもこれによってさらに関心を集めました。
ですから、このように中国に気兼ねしないということが重要なんですが、中国も決してバカではなく、今回の圧力は決して失敗じゃないんです。
この圧力を受けることで、主催者はそれに屈しなかったが、それを見ていた周りの人たちが、もうウイグル問題に触れるのはやめようということを考えるわけですね。
そういうわけで、我々のやり方というのは非常に簡単ではないですが、しかし、やろうという意識があればいいと思います。
どうぞ戦略を構築して、これはゆっくり考えちゃいけないんです。直ちに、怒濤の勢いで開始して、そうしないとウイグル解放の前に、日本が危ないという状況になります。
とにかく、声をあげていこう、ということなんですね。
ただし、その際、たとえば僕は、一つ夢と希望をもってやっています。
それは、東トルキスタンが独立して、日本と本当の仲良しの国になって、往来できる、そういう日を夢見ております。
みなさん、がんばりましょう。
どうもありがとうございました。
つづく
その1 その2 その3 その4
その5 その6 その7 その8
我々日本人は中国に対して
毅然とした態度をとるべき
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前半3人の講演に対する後半3人のコメント
永山英樹氏
(声を詰まらせながら)
イリハムさんのお話を聞きまして、東トルキスタンはここから遠いところですが……憤りを禁じ得ません。以上です。
青山繁晴氏
みなさんこんばんは。
今、永山さんが声を詰まらせ、「憤りを禁じ得ない」とおっしゃったんですけれども、実は僕もまったく同じ気持ちなんですけれども。
一つ思い起こすのは、ウイグルで民衆蜂起があったとき、ちょうどサミットをやっておりましたよね。
アメリカで初めて黒人で大統領になったオバマさんも、日本で保守派を掲げたはずの麻生さんも、みんな集まって、イタリアのラクイラサミットで、ウイグルの問題、チベットの問題について、ただの一言の言及もなかった、という世界の現実があるんです。
それはどうしてかというと、去年9月に金融危機というものが始まって、今や中国の購買力に依存して、世界が経済を立て直そうとしている、ということがあるからです。
今、イリハムさん、あるいはペマさんから、ウイグルとチベットの現状を聞いていますと、どれほど、中国が勝手に名付けたところの自治区の中で、ウイグル人やチベットの人々が孤独でいるか、世界の中で何の支援もなく……ね、永山さん。
永山さんの声を詰まらせる気持ちがわかるんですけれども、そういう人々が、この会場を見たら、何の得にもならない人が、日曜日の夜にこうやって集まってて、みんなでチベットとウイグルと、あるいはモンゴルや台湾のことを考えようとしている、というのは、本当はウイグル人やチベット人、台湾、モンゴルの方々に知ってほしいな、と。
何とか伝える手段はないものかと、僕は思いました。
だからたまたまみなさんと向き合ってて、こちらは壇上にいて、みなさんはそちら側にいらっしゃるんですが、実はまったくそういうことじゃなくて、僕たちの存在だけが、あえて申せば、チベット人やウイグル人の孤独を癒す。孤立しているわけじゃない。
かつて南アフリカで黒人が戦ったときのように、決して孤独ではない。
世界の権力は今、中国の北京政府にすり寄っているかもしれなけれども、世界の民衆は決してそうじゃない、というのが、今日、代々木で、今、目の前に起きていることだと思っています。
西村幸祐氏
どうもこんばんは。
西村です。
皆様のお話を聞いてですね。本当にその通りだと思うわけですが、特に今こうやって私たちがこの7月の下旬の日曜日の夜、関東地方が真夏の天候になって、夏がきたという心地よさを感じた夜に、ここにこれだけの方が集まっている。この状況は、何かが始まっているその第一歩であるという認識を、私たち全員、パネラーとみなさんで共有したいなと思います。
こういった状況は、日本の情報空間の中にまったくない。削除されている。そういう今の状況があるわけで、それはトルコで、最近も非常に大きなウイグルへ向けた支援、デモンストレーションが起きています。しかしなかなかそういう映像も入ってこない。
とにかく、みなさん、一人一人が発信していく。それが、ひいては、さきほど石平さんがおっしゃったような、悪の帝国をつぶしていく力になっていくし、同時に、私たち日本人と日本民族の将来、そしてもちろんチベット人、ウイグル人、モンゴル人という、支那によって侵略されて、圧迫されている周辺の民族の方々の、これからの再生にもつながるということを確認したいと思います。
ペマ・ギャルポ氏
最後に一つだけ。僕はこの会場をみて、とにかく希望がもてると思います。
世論は変わっています。二人(イリハム氏、石平氏)が生まれる前から僕は難民になっていますから、今、これだけの人が集まっているんですよ。世界中は目覚めている。
どのような巨大な帝国も続かなかった。中国も続かない。でも今の現状を1日も早く終わらせるためにどうするかということであって、あそこがつぶれるのは間違いないと思います。
そのためには、今日ここにいらっしゃった方々一人一人が、せっかく話聞いたけれど、あまり意味がない、と思わないでください。
僕が40年前にチベットのことを言っても、こうやって同情して話してくれる人が…もちろん、川喜田二郎、先週亡くなりました、文化人類学の、が移動大学といって、日本中をまわって、中国がチベットに対して、偽の印鑑を押しつけた、ということをおっしゃってくださった。
だけど、あのときは川喜田先生に対して、まわりの学者は、「あれは学者じゃない」「チベット二郎だ」ということで軽蔑するような社会だったんです。
それに比べると、世の中これだけ同情してくれる人がいて、各テレビ局も、なんだかんだいって、昔に比べたらかなりやっています。
ですからみなさん、できることは、みなさんがもっている機関銃、それは口です。まわりにたくさんしゃべっていただく。そして、みなさんはいろいろ書けると思うし、今はブログというものもあるわけですから、一生懸命やっていただければ、一日も早く、今の悪い状況を終わらせられるということであって、とにかく希望をみなさんにもってほしい。
私たちも希望で、特に難民になって、国を失っても、ずっと支えられてきたものですから、希望だけはもってほしい。
特にウイグルで何が起きているかということに対して、たいへんな、特に家族のことを考えると、つらいと思いますが、やっぱり希望を持つことが大事だと思いますし、みなさんぜひ、口の機関銃をたくさん撃ってください。
よろしくお願いします。
つづく
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中国がウイグル人に対して
行っている事実を
多くの日本人に伝えたい、
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石平氏
先ほどペマ先生のお話にあった、元中国人の石平と申します。
元中国人であるだけに、この場にいること自体、何か肩身が狭い、つらい思いをしています。
私は今日は高いところから発言する資格もなく、むしろ親友でありながら、ペマ先生とイリハムさんにお詫びしなければならなければならない立場でございます。
でも今は、日本国民となっておりますので、これから日本国民の立場から、今回の問題をお話させていただきます。
その前に、先ほどイリハムさんにご紹介していただいたウルムチでの事件の概要を聞きますと、すぐ20年前の、私が当事者だった天安門事件を思い出しました。
中国共産党は20年前に天安門でやったこととまったく同じことをやっています。
私たちの場合は、平和裏に、民主化を求めました。平和裏に民主化を求めた私たちの仲間に対して、中国共産党政権が平然と戦車まで出動させて手当たり次第、殺していきました。
そして20年後に、ウイグル人に対して、ウイグルの若者たちに対してまったく同じようなことをやっています。
20年経っても、中国は経済、政治いろんな変化があっても、中国共産党政権というものの本性は何にも変わらない、ということが証明されたと思います。
自分たちの権力を守るために、殺人でもどんな悪いことでも平気でやる、というのが中国共産党であって、しかも、北京の天安門だけではなく、ウルムチだけではなく、ペマ先生のチベットでも同じことをやりました。
それで、中国共産党政権、中華人民共和国とはいったい何だったのか、と最近常の思うのですが、私の結論としては、おそらく、人類の歴史上出現したすべての悪の帝国のいちばん悪いところを全部集めてできあがったのが北京政府じゃないかと思います。
(会場拍手)
いやいや拍手しなくていい(笑)。そんな悪い政権ができて、喜ぶことは何もありません。
考えてみればそうですよ。たとえば、世界史の中で、人類何千年の歴史の中で、いろんな悪い政権が出てきて、悪の帝国が出てきて、人類に大きな災害をもたらした。
しかし、考えてみますと、今までの悪いやつらがやってきたことは、中国共産党もやっています。
たとえば植民地政策一つを取ってみても、西洋列強はアフリカ、南アメリカ、アジアに来て、人の土地を奪い、主権を奪い、現地の人々を奴隷のように使う。さらに自分たちが相手の土地に入植する、というような植民地政策を何百年間も続けましたが、今中国が、チベットでやっていること、ウイグルでやっていることは、それと何ら変わりがありません。むしろ、イギリスの植民地政策よりさらに非道いことを行っています。
ナチスドイツはユダヤ人に対して民族浄化政策を行いました。中国はチベットでも、ウイグルで同じことをやってきたし、これからもやろうとしています。
人権の抑圧にしても中国共産党ほど人権の抑圧をしている国はありません。
ナチスドイツもそうですが、軍備拡大して結果的にいろんな国を侵略して、人類に大きな災難、死者何千万人も出しました。そんな悪いことを今やろうとしている国は、唯一中国共産党政権だけです。
この十年間、中国はどこの国からも軍事的脅威にさらされていないにもかかわらず、一生懸命軍備拡大を行っているのは、自分たちが何かをやるということです。
人類の歴史上出現したことのあるすべての悪の帝国がやってきた全ての悪いことを、今の中国共産党が、中南海の中で座りながらやっている、しかもこれからもやるので大変ですね。やっただけではなく、今もやっている、しかも、これからやる気まんまんですよ。
悪いことをやる気まんまんの政権がこの地球上に存在していること、いやみなさん、本当に笑い事じゃないです。すべての日本国民も含めて、すべてのこの地球上の人間にとって、関わりのある大変重要な事実です。
しかも、この政権は核兵器までもっている。良識も良心も人権意識も何にもない、それほど怖いものは他に存在しません。それに比べれば、北朝鮮の将軍様などはかわいいものです。
じゃあ、どうすればいいか。
私は、20年前の天安門事件のとき、世界中が制裁しました。しかし2,3年経ったら、元通りになりました。そのとき、中国共産党に最初に救いの手を差し伸べたのは、他でもない我が日本国政府だったんです。
それで、江沢民政権が元気になったとたん、まず日本をやっつけた。
そういう歴史の教訓をもう一度、考えなければならない。
もしナチスがユダヤ人を虐殺したときに、世界が、良識のある国際社会が、全員立ち上がって、彼らにNO!とはっきり言ったとすると、おそらくその後の第二次世界大戦の悲劇が起こらなくてすんだかもしれません。
残念ながら、あの頃弱腰のイギリスが、ナチスドイツに何も言わなかった。結果的に、第二次大戦の大惨事につながりました。
まったく同じ意味で、我々日本国民も含めて、アジアの人々がこれから直面するのがまさにこの問題です。
北京の悪の帝国に対して、いつまでも弱腰で、無関心で、どんなことをされても許してあげる、ということを、さらにこれから10年、20年続ければ、ウイグル、チベットが全滅させられるだけじゃなくて、我々日本も決して安全ではありません。
アジアが大変なことになってしまう。
じゃあ、どうすればいいか。
今回のウイグルの事件で、おそらく我々はすべて中国共産党政権がどういうものか、どういう本性なのかをしっかり認識した上で、これからしっかりとした国際戦略を考えなければならない。
簡単に言えば、私が今、日本を含めて、むしろ日本が先頭に立って、台湾、インド、中国の後ろのチベット人、ウイグル人と自由世界の輪をつくり、民族の自立と人権と自由を守るというような連携を作り、北京の悪の帝国を完全に封じこめていかなければならない。さもないと大変なことになる。
私は日本の政治には期待できない。本当はこれから日本が国策として、チベットとウイグルを支援すべきだと思う。
それは道義的な支援だけじゃない。
国家が動くには、当然、日本にとっての国益がどこにあるかを考える必要がある。道議のためにチベット、ウイグルを支援するのは限界がある。
しかし、私から見れば、日本がチベットとウイグルの民族独立運動を支援することは、日本にとってすごく国益上大切です。
今中国共産党政権がたくらんでいるのは、東の海に出ること。
ですから、潜水艦をいっぱい開発して、台湾に出る、東シナ海に出る、もちろん、沖縄を含めた日本にも。
しかし、もし、日本が中国の西のチベットやウイグルの民族自立運動と連携すれば、あるいはチベットの民族運動、ウイグルの独立運動の気運が大いに高まると、それが中国共産党政権の、海に出る国策に対して、大きな牽制になる。
それで、彼らの後ろにも敵、前にも日本が毅然とした態度で出る。そうすれば、胡錦涛も後ろも前もどこにも出て行けない、という状況になれば、世界史上最悪の悪の帝国の侵略政策を封じ込めることができるかもしれません。
そんなことを言っても、我が日本国政府、自民党にしても民主党にしても、とてもそんな戦略をできる顔には見えない。たとえば、鳩山さんの顔を見ても。残念ながら。
それがこれから日本民族の存続にとってもとても大事なことで、本当は自民党とか民主党とかどうでもいいよ。僕がいちばん出てきて欲しい党というのは、中国共産党に対抗する党、反「中国共産党」党。それでいい。
これから日本民族にとって一番大きな脅威は北京しかない。
北京政府こそ、すべての悪を集めた悪の固まりです。毒ギョーザはまだかわいいほうです。これから毒ガス、毒兵器もやってくるんですから。
何がいいたいかというと、今のウイグル人たちの悲劇を見ていると、あと30年か40年で、それが我々日本国民の身にも降りかかってくるのではないか、 まさにそういうことを真剣に考えて、これから、北京にどういう風に対応していくか。
戦国時代で言えば「敵は本能寺にあり」。これからの我々のスローガンは「敵は北京にあり」ということです。
そして北京という敵にどういうふうに対応していくか、そのために、我々日本国民はまず一致団結して、毅然とした意識をもつこと、戦略をもつこと、そして、台湾ともチベット人ともウイグル人とも戦略的連携関係をつくり、北京を封じ込める。中国内部の変化を助けるためにも、封じ込める。
以前のレーガンの政策は正しかった。ソ連が崩壊したのは、レーガンに封じ込められ、内部の改革が始まった。北京に対してもそういうシナリオが一番いいのではないか。
チベット人、ウイグル人をああいう悲惨な状況から解放するためにも、中国共産党の圧政を終わらせるためにも、中国人民のための改革のきっかけをつくるためにも、我々はやらなければならないだろうと思います。
私はやりますので、ぜひみなさんもご一緒に悪の帝国をやっつけましょう。
つづく
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日本政府は中国に対して
毅然とした態度をとれ
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ペマ・ギャルポ氏
こんにちは。
だいたいいつも集会に来られる方は同じ方で、しゃべる方も同じで、本当はこの話をここに来ていない人々にもっともっと聞いてもらわなければならないと思います。
チベットの現状は、あるいはこれまでチベットが体験してきたことは、すべて、イリハムさんの言ったことがそのまま適用されると思います。
現在進行形のことも過去に起きたことも大事です。チベットで120万人の人たちが犠牲になりました。そして現在も進行中です。
私たちこの3名(イリハム氏、ペマ氏、石平氏)、それぞれ母国語が違います。歴史も違います。わずかこの60年間で、私たちは同じ国ということになり、同じ言葉を強制されているわけです。
ただし、中国共産党にいじめられているという意味では、中国の人民もおそらく同じだろうと思います。
この21世紀において、国連の常任理事国でありながら、国連憲章をはじめ、世界人権宣言などを無視し続けている中国に対して、世界の人々に訴えるという意味で、となりの中国人(石平氏)、元中国人も同じだということです。
モンゴルで起きたことがチベットで起きました。モンゴルではすでに、モンゴル人20%、中国からの移民が80%になりました。
その次に、チベット、ウイグルで同様なことが起きて、そして同化政策が進んでいます。また、チベットで起きたことに対しては、国際司法委員会も、あれは計画的組織的大虐殺だったということを、きちんと判決として出しています。
最近、ウイグルと同じ民族、同じ宗教のトルコの首相がいみじくも、声を大にして、現在、中華人民共和国がやっていることは、大虐殺だということを言っております。
日本には、国際人権派を売り物にする国会議員もいます。また、そのような職業に近いことをしている人権派がたくさんいます。
しかし、残念ながら、今ウイグルで起きていること、チベットで起きていること、モンゴルで起きていること、あるいは自国の政府によって自国の軍隊が自国民を殺している中国に対して、日本の人権派の人たち、そして、何かあると平和という、まるで平和教、お経のように唱えている某テレビ局、某新聞社なども、今、そういう事実についてほとんど語っていません。
私がここで言いたいことは、チベットで起きたことがウイグルで起き、あるいはモンゴルで起き、やがて台湾でも起きる可能性がある。それをそのまま放っておくと日本をはじめアジアに伝染病のように広がるのではないかということです。
それに対してもっと世論というものが、できてもいいんじゃないかと思います。
また、これらの中国政府による行為に対して、そのまま見て見ぬふりをすることは、間接的にそれを助勢し、荷担していることになるのではないかと、そういう自覚を世界の人たちにもってほしいと思っております。
長い人類の歴史の中で、マハトマ・ガンジーがインドの独立を、非暴力を通して、達成しました。もちろん、その背景には、チャンドラ・ボーズなどの働きもあったということは忘れてはならないと思います。
しかし、ガンジーが一貫して非暴力、そして正義ということを強調して、最終的には多くの英国人も含めて、特に英国の労働者をはじめとして一般人がインドに理解を示すようになりました。
その次に、私がはっきり覚えているのは南アフリカです。
少数の白人に長い間、多数の黒人をいじめ、差別し、一方的に支配してきた国に、国際世論がこの差別政策を撤回させる大きな役割を果たしました。
それには世界の良識ある人たちが、経済制裁をはじめ、様々な形で当時の南アフリカ政府、白人政府に対して諭すような行為を一致団結してやったからだと思います。
そしてそのおかげで、ネルソン・マンデラが、南アフリカで、復讐の政策ではなく融和の政策を行い、人々に平和をもたらすことができました。
最近、中国でも、中国人の中に良識ある人たちに、自分たちの政府が、自分たちを長い間だましてきたこと、そして今、自分たちの社会そのものを世界全体から見て、いかに異質であるかということについて、正しい意識が目覚め始めていると思います。
今日ここにいる、何度も言いませんけれども、中国人が数名いるということは、私はとても勇気づけられることであります。
私が、今中国がやっているあらゆる政策を見ていると、むしろ向こうの方が、今じたばたしている。自分たちがやっていることに対して自信をなくしている。だから世界の、たとえばマスコミに対して、本当のことを見せられない。一生懸命隠そうとしている。
中国で何が起きてるかということ、中国の指導者たちの子供たちが、次から次に外国に生活の拠点を移していること、政権を維持するためには、軍事力を増強し続けるしかないということで、今、海軍を中心として、強烈な、大きな軍事力増強が進められていること、こういうことを見ていただければ、今の中国の悪政も、そう長く続かないと思っております。
四十数年前に、私がそのとき文化大革命のもとで何が起きているか、日本のみなさんに訴えても、「あなたたちは反動主義者だから」「ダライ一派だから」「どうせあなたは中国あるいは革命に元々反対だから」と言われて、政党の名前は言いませんけれども、あるいは宗教団体も名前を言いませんけれども、私は日本人からも門前払いを受けたことがあります。
しかし、世の中変わりました。
もはやあの60年代みたいに、北京政府もすべてを隠しきれません。鄧小平はいいこともいくつかやりました。悪いこともたくさんやりました。そのいいことの一つは、留学生をたくさん外国に出したことです。そしてこの留学生たちが初めて外に出て、自分たちがそれまで教わった歴史と、世界の歴史は違うということに目覚め、いかに自分たちがだまされてきたかということを、今わかり始めています。
また、科学技術の進歩によって、今はインターネットとか携帯電話だとか、そういうものを通して外にどんどん情報が流れるようになりました。
そして外で留学生として自由な空気を吸った人たちが今戻っているわけです。
こういう人たち一人一人が、今後、中国のいろんな分野においてリーダーに当然なれると思います。日本では高校を卒業すれば8割か9割がそのまま大学に行けます。しかし中国がいかに進んでいるといっても、まだ大学にいけるのは5,6%、高等教育を受けられる人がたぶん2割ぐらいしかない。その中で、外国に留学して帰国した人たちは、それなりにその社会においてリーダー的な役割を果たすと思っています。
ですから、中国はいずれ壊れる。
今一番問題なのは、日本をはじめとして、延命治療をやっていることが一番問題だと思います。
国際世論が、中国に対してもっと正しく、きびしく、接することが、私は中国の人民のためにも、そしてウイグル人やモンゴル人、チベット人、あるいは自分たちの言論の自由のために戦っている人たちが毎日殺されないためにも重要で、日本がもし非暴力を通して、世の中を変えたいと思ったら、もっともっと世論というものを高めることが必要だと思います。
今日みなさんに話すのはなんとなく釈迦に説法のような気がします。
会場にはチベット問題からずっといらっしゃってる方々ばっかりですけれども、しかしこの声ができれば、外の方々に伝わることがあればと思います。
今日は、今チベットで何が起きているか、チベットが大きな刑務所のような形で、24時間監視されている、その詳しいことについて話すのは、やめます。
チベット、ウイグル、モンゴルで起きたこと、あるいは起きていることは、決して日本にとって無縁ではない。ということだけを申し上げて、私の話を 終わらせていただきたいと思います。
ご静聴ありがとうございました。
つづく
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中国は民族浄化政策をやめろ!
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緊急シンポジウム ウイグルで何が起きているのか?
2009年7月26日(日)
国立オリンピック記念青少年総合センター
センター棟4Fセミナーホール(417)
日本ウイグル協会 イリハム・マハムティ主催
何回かに分けてシンポジウムの内容を紹介します。
日本ウイグル協会会長 イリハム・マハムティー氏
こんばんは。
暑い中、こんなにたくさんの方々にご出席いただき、ありがとうございます。
ウイグルで起こったことは、みなさんも報道である程度ご存じかと思いますが、メディアは主に中国の発表した情報を使っており、私たちがメディアに伝えた情報は一部しか使われません。
ウイグルで本当に何が起こっているのか、我々が今までつかんだ情報をみなさんにお伝えしたいと思い、今回、緊急シンポジウムを開催することになりました。
急な話なのに、今日パネリストとして出席していただいた先生方は、すぐに了承してくださいました。心強く思いました。ありがとうございます。
今回のウイグルで起こったことについて、中国政府は、一部の人たちが計画し、実行したことで、ほとんどのウイグル人は無関係である、と言っていますが、これは、真っ赤な嘘です。
今回のことは、中国共産党政府が支配してきたこの60年間のウイグル人の心の中の怒りの爆発なんです。それを挑発し、爆発させたのは、中国政府自身なんです。
7月5日の、学生らがインターネットで呼びかけて行った平和的なデモに対して、政府は彼らと対話するのではなく、暴力をふるい、射殺しました。ウイグル人が住んでいる地域に、すぐに情報が流れ、抗議行動は広がりました。残念ながら、一部のウイグル人に非人道的な行為を行った者もいました。私たち世界ウイグル会議それから、世界ウイグル会議の議長の声明でも、そういう人々の行為を強く非難しています。
でも、彼らがウイグルに入ってきて60年間、政府は中国人たちに、バックに政府がついているから、何をやってもいい、というメッセージを送り続け、60年間続いたその虐待に対する怒りが、その日爆発したんです。
この60年、ウイグル地域で何があったのか。
最初、中国軍が入ってきました。中国政府に、軍人たちを引き上げる気はありませんでした。最初の軍人たちが年を取ってきたので、中国政府は生産建設兵団という組織を作り、軍人に農業を始めさせました。
最初、ウイグルの農民たちの一番いい土地を奪い始めました。
それから、水源に近い土地を開拓しました。
ウイグル地域では、地下水ではなく、山の雪解け水で農業を行います。生産建設兵団が駐在するところはすべて山の近くです。彼らはウイグル地域の水源をほとんど奪いました。
ウイグルの農民たちは、彼らにお金を払って水を買わなければならなくなりました。
その後、ウイグル地域で、いろんな工業を始めました。
中国の法律では、各自治区ではどんな職場でも、その自治区の名称となっている民族を、65%以上、職員に採用しなければならない、と定められています。
でも実際は守られていません。
最初、ウイグル人たちは、いろんな企業に入っています。
当時、中国人は、強要しなければ誰もウイグルには来ませんでした。
ウイグルは気候が厳しいからです。
冬は気温が-30℃まで下がります。夏は暑いところでは50℃まであがります。こういうところに、中国本土の人たちがくるはずはありません。
中国政府は文化大革命の時期に、青年たちに「祖国建設のためにウイグルに行こう!」と呼びかけ、上海から何十万人もの若者を連れて来はじめました。
政府の命令でどんどんウイグル地域に移住してきました。そうしてたくさんの中国人が入ってきた結果、ウイグル人たちは仕事を奪われ、仕事が見つからなくなってしまいました。
今は一般のウイグル人だけではなく、大学を卒業しても95%は卒業=失業になっています。残りの5%はどういう人かというと、共産党政府に協力している、共産党政府関係機関に勤務しているウイグル人の子供あるいは親戚です。そういう人だけが職に就けます。
こういう状況で、ウイグル地域では今、若者たちの間でエイズが一番はやっています。
その数は中国でナンバーワンです。
でもウイグルでエイズが見つかったのは、河南省で患者が報告された10年後なんです。それにもかかわらず、今ウイグル地域のエイズの発病率は一番高いのです。
仕事がない若者たちはたむろし、お金が欲しくて、遊びたくて、彼女が欲しくて、犯罪の道を選ぶんです。犯罪の道を選んで、覚醒剤に手を出します。
お金がないと、注射器を5人、10人で使い回します。その結果、たくさんの人たちがエイズになっていました。
そういう現実があるのに、中国政府は予防策をとっていません。
北京のある大学の中国人大学生がこの現実を知り、ウイグル人にエイズの危険性を知らせるためにウルムチに行き、2日間広報しましたが、逮捕され北京に送還させられました。
つまり、中国政府はウイグル人たちにエイズが蔓延してそのまま消えて欲しいということなのです。
こういうことは、ウイグル人たちはみんな知っています。
でも、それを政府に陳情すると、民族主義者のレッテルを貼られてしまいます。我々は、意見を政府に伝えることを禁止されているんです。
ですから、そういう怒りはウイグル人たち同士で話すしかありません。
それから、2000年に入って、ウイグル人がウイグルの言葉で教育する権利が奪われました。
今、どんな田舎に行っても、中国語で教育が行われています。ウイグル語は完全に禁止されています。
これにもウイグル人たちの反発がありますが、それを政府に訴えることはできません。
政府によると、ウイグル語は現代に合わないそうです。21世紀に合わないそうです。
ですから、我々ウイグル人のためにも中国語を勉強しなければいけないそうです。
中国政府はそう言っていますが、中国語を学校で勉強して中国の本土の大学を、優秀な成績で卒業したウイグル人大学生が、ウイグルに戻って仕事を探しても仕事がありません。募集している企業に応募しても、彼らに待っているのは、「ウイグル人はいりません」という返事です。
そういう優秀な人材は、ふたたび中国本土に戻り、外資系企業に就職しています。
それから、ウイグル地域にいけばわかりますが、募集要項にはっきり「民族」という欄があります。募集民族は漢族とはっきり書いています。堂々と書くんです。
それにも我々は反発してはいけません。
反発すれば民族主義者です。
それから、2006年に入って、ウイグル地域からたくさんの女性たちを中国の本土に、仕事を斡旋するという名目で連れて行き、賃金が安くて中国人が敬遠する仕事をさせています。
連れて行かれるのは15,6才から25才までの未婚の女性だけなんです。結婚したものは連れて行きません。
これは明らかに政府の同化政策です。、
もう一つ怒りが心の中に起きました。
そういういろいろな事件があり、いろいろな怒りが、この60年で起きました。
それで、今回の広東省の事件です。
25日夜10時から中国人たちがウイグル人たちを殴り始めました。
警察がきたのは26日午前3時です。
5時間、警察はどこにいたのか。武装省察どこにいたのか。
ウイグル地域だと5分かかりません。チベット地域でも5分かかりません。どこから出てきたのかわからないが、すぐに町の中が警官、軍人でいっぱいになります。
それから、意識を失って倒れているウイグル人を中国人が棒で殴っている、その傍に警官が立っている。その警官は何の対応もしていません。
これは我々ウイグル人に大きなショックを与えました。
中国政府の目で見ると、中国人から見ると、我々は人間じゃないんじゃないですか。
彼らは我々は動物扱いしている、と考え始めました。
それでもウイグル人たちは10日間、政府の回答を待っていました。
政府から何の回答もありませんでした。
中国語のサイトでは「ウイグル人を殺した英雄万歳!」とか「ウイグルの豚野郎を全部殺せ!」とかこういう暴言が出始めました。
ウイグル人学生たちもインターネットでこれに対する怒りをインターネットの掲示板で話しあうようになり、その結果、7月5日、彼らは一緒に政府にどういうことがあったのか、回答してほしいという思いで、自分たちは政府を批判するつもりはないことを示すために、先頭に中国国旗を掲げてデモを行いました。
それでも政府は、彼らに正しく対応するのではなく、最初は暴力、その後すぐに銃殺、それで今回の事件が起こりました。
事件はまだ怖くありません。怖いのは事件の後なんです。たくさんの被害者が出てます。
いまウルムチでは、女性たちが街に出ることができません。
兵士たちが堂々と「銃を持っているだろう」と女性たちの体をさわるというセクハラをしています。
我々イスラム教徒は、こういう辱めを受けることは、命を奪われるよりも重いことだと考えます。
さらにこういう挑発が起きたら、ますます現実は悪化します。
これからのことを、私たちは一番心配しています。
我々がつかんでいる情報、ウイグルはなぜこういうことが起こったのか、その理由を簡単にみなさんにご報告しました。
ご静聴ありがとうございました。
つづく
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