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日本はチベットから多くのことを学ぶことができる。優れた精神文化や深い歴史からだけではなく、中国に支配された経緯と命がけの抵抗運動から、我々が多くのことを学ぶべきだ。チベットが自由になるということは、日本が自由になるということだ。――このサイトの趣旨にご賛同いただける方は、サイト内の文章をご自由にご利用ください
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以下は今日行ってきたウイグル問題の講演の記録です。
今指が腫れていて、全部入力するのにちょっと時間がかかりそうです。
イリハムさんの発言は、自然な日本語になるように少し手を加えています。


2009年9月6日 フォーラム色川 緊急特別講演会

「日本ウイグル協会会長が激白する!いまウイグルはどうなっているのか!
中国はウイグルで どんなことをしているのか!」


日時 2009年9月6日(日)午後1時半~4時35分
会場 中野サンプラザ 7F研修室10 
講師 イリハム・マハムティ氏 (世界ウイグル会議日本全権代表・日本ウイグル協会会長)
主催 フォーラム色川




イリハム・マハムティ氏

みなさんこんにちは。
日本ウイグル協会のイリハムと申します。
ウイグルの、中国語でハミ、ウイグル語でコムルという町で生まれた者です。
私が生まれた町のメロンが中国でとっても有名で、旅行でも有名な所であります。


ハミメロン
 

 

まず、ウイグル人と日本人は、昔からの親戚関係がある、というところから始めたいと思います。

なぜなら私たちは、言語が非常に近い。
最近出版された「騎馬民族がもたらした日本のことば」という本があって、その中で、私たちのたくさんの言葉がまったく同じである、と。
私たちは、同じくウラルアルタイ言語系で、ウイグル人は日本語の単語だけを覚えれば、自分の文法で日本人と話せばだいたい通じます。

それから、日本に対して、ウイグル人もそうですし、中央アジアのトルコ系民族は、非常に親しい感じがするんです。

日本の方々がウイグルに旅行にくると、ウイグル人は中国人と間違います。でも、「私、日本人だよ」と言ったら、ウイグル人の態度は180度変わります。
中国人の旅行者の場合は、いろいろと大変なことが起こるからです。ですから、中国人の旅行者はあまり歓迎されません。
中国人の旅行者が行ったところは、かならずゴミでいっぱいになります。
みんな、それがちょっと嫌なんですね。
日本人の旅行者は、自分のゴミは捨てるところに捨てます。そういう小さい面でも、ウイグル人は日本人のことを好きになります。

ウイグルの歴史
ウイグル民族のことをまずみなさんにお話ししたいと思います。
ウイグルという言葉は、「団結」「連帯」という意味です。
ウイグルという集団は、一番最初はモンゴル高原で、ウイグル帝国を作ったんですね。国を作ったんです。遊牧民族としては、その時期あまり考えられないことなんですけれども、そういう時代がありました。

モンゴル高原で国をつくり、その後、いろんな戦争があり、敗れて、国も亡くなって、主な集団は、モンゴル高原から西へ西へと、今のウイグル地域に入りました。一部は、今の中国の甘粛省の黄河の西に東ウイグル帝国を作ったんです。こちらで一つ帝国をつくり、今のウイグル地域でももう一つ国をつくり、それが分裂したり、また一緒になったり、という時代がありました。

でも今のウイグル人は、モンゴル高原から来た人々が主体となっているのかというと、まだ謎なんです。
なぜなら、その集団がウイグル地域に入ってくる前に、すでに農業をしていた集団がいたんですね。

この二つの集団が、その後混合した可能性が非常に高いです。
まだそこまで証明されていませんが、研究されているところです。

1917年にソ連ができたとき、民族を区別するために各集団に名前を付けた、というのはあまり信じられない話です。何百年も前からウイグルという国、王国があったのですから。

この地域、初めて清の勢力に入ったのは1700年頃です。でも一時的に治めましたが、すぐにウイグルの軍隊が清の軍隊を追い出したんですね。追い出した後、一部の地域が清と朝貢関係にありました。
1850~60年代になって、ウイグルのある人物(ウズベク人という説もあります)が、新しい国を作りました。長続きしませんでしたが、ウイグル地域全体を完全に支配し、一部の朝貢関係もなくなりました。

このことを受けて、清の一部の人々が、あの地域は遠いからもういい、と言ったが、それを反対した中国人がその土地を取り戻さなければならない、と1870年代後半、再び軍によりその地域を治めて、1884年に初めてその地域に新疆という名前をつけました。
新しい領域という名前で、この地域を治めたんです。

その後も、清が直接支配したかというと、直接支配していません。
ウイグルでは、ほとんどのオアシスに一人の王がいました。その王たちに毎年あるいは3年に1回、朝貢する義務をつくっただけなんです。

清が滅んで、中華民国となり、中華民国の軍隊が少しだけ駐屯していました。

国民党政府が支配する軍隊がいましたが、1933年11月12日、カシュガルで初めて近代国家として東トルキスタンイスラム共和国を立ち上げたんです。
今日も何人かの方が、我々の旗のTシャツを着ていますが、その旗はそのとき初めて国の象徴として使われました。

この国は4,5カ月しかもちませんでした。
その理由は、旧ソ連と話を付けていなかった、ソ連の承認をもらっていなかったというのが、大きな理由になってしまったんです。

なぜなら、ソ連は、ウイグルのとなりのすべてのトルコ系民族の国を治めているので、彼らの目の前で、一つのトルコ系の独立した国が出るということは、この周辺の国々にも影響を与えて、再び独立運動が始まる可能性が非常に高くなる、という理由が大きいと私は思っております。

その後、ウイグル人はもう一度、世界に独立を宣言するためにがんばってきました。
ふたたび、ウイグルのイリ(カザフスタンと国境を接し、遊牧民が多い)というところで、ウイグル人、ウズベク人、カザフ人、こういう人々が連携して、東トルキスタン共和国を、1944年、同じく11月12日につくりました。

ここで注意すべきことは、「イスラム」という言葉を捨てたことです。
一つは現代的な考え方、一つはこの国をつくるときのリーダーたちは、ほとんど旧ソ連のモスクワに留学した者が多かったんです。共産主義思想の教育を受けた人が少なくないと思われます。

それでこの国は1949年までありましたが、残念ながら、旧ソ連と中国が、モンゴル共和国と東トルキスタンを取引して、モンゴルを独立させ、ソ連圏に組み込み、東トルキスタンを中国に譲る、ということで、二つの大きな勢力の取引の中で、私たちは中国の版図の中に入ってしまいました。

ソ連、中国、東トルキスタンの3カ国は、条約を作ったのですね。その内容はまだはっきりしていないけれども、それは三カ国が一緒に発表すると約束したそうです。
ですからウイグルのリーダーたちは、ウイグル人たちにそれを伝えなかったんです。
この条約ができた翌日、ウイグルのリーダーたちが北京に飛行機で向かいました。
二日後、飛行機が墜落したという連絡があり、我々の国の6人の指導者たちが、死んでしまいました。
そのとき、事故で死んだという話でしたが、遺体を誰にも見せずに埋葬されました。

これが一つの謎で、最近になって、ロシアの秘密監獄で刑務官だった人が、回顧録を書き、ウイグルの指導者たちがその秘密の監獄で亡くなったことを書いてあります。

その条約は、今まで世界に文書が公開されていません。
たぶん、それが公開されたら、中国共産党はそこを支配する正統性がその瞬間になくなると思います。

もちろんロシアと中国の政権がつながっていれば、この文書をなかなか公表しないと思います。

その時期から私たち、中華人民共和国の国民になってしまいました。




http://tibet.blog.shinobi.jp/Entry/142/ へ続く


 

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2009年8月3日放送
TVタックル ― 暴発直前!?東アジア情勢

このときのTVタックルは、北朝鮮や中国の問題についてでしたが、このうち7月のウイグル暴動に関係する部分を文字起こししました。


パネリスト

拓殖大学教授 王曙光(しょこう)(漢民族)
東アジア評論家 張景子(朝鮮系中国人)
東海大学准教授 金慶珠(キムキョンジュ)(韓国人)
政治評論家 本澤二郎

政治評論家 三宅久之
コラムニスト 勝谷誠彦


ウイグル暴動への中国の対応について
 

本澤二郎
本澤
今度の問題は、中国の開放政策の行き過ぎですよね。かなり貧富差さが出てまして、言うなれば格差ですよね。格差が争いの根本原因になりますから。中国政府は今力で押さえつけようとしているが、これは僕は間違いだと思う。ソフトランディングしてもらいたい。



(強硬手段で)それでもって抑えないと、もっと乱れて、大変なことになってしまう。


勝谷
人の土地に踏み込んでいるんだから当たり前だろ、そんなものは。本来自分たちの土地じゃないところに、チベットにしてもウイグルにしても踏み込んでいるわけですから。

張景子
どこからのお話ですか。それは違いますよ。
 

金慶珠


要は、今は抑える時期だと。いつかは連邦制にいくなりなんなりするかもしれないけれど、とにかく今はダメだというのが、天安門のときからずっと続いていますよね。先ほど本澤さんがおっしゃったように、格差が生まれて、それに対する不満なんだけれども、格差っていうのも、考え方によると、要は経済発展してきたんですよ。
経済発展してきたんだけど、経済発展したので、昔みんな貧しかったけど、格差が生まれて、不満も出てきた。
でも、まだ民主化の時代じゃないよ、というのが中国政府の立場で、それはわかるけど、はたからみてると、相当人権弾圧とかやってるし。

勝谷
張さん、格差というのはどういう格差?
ウイグル人と漢族の間に格差があって…。

王曙光 張景子
張景子
そうじゃない。漢族と少数民族の格差じゃないんです。沿岸地域と西部の格差です。
この問題の発端は広東省で起きた。広東省の出稼ぎ労働者の間で起きた。600名のウイグル族の出稼ぎ労働者と2000人でしたっけ、漢族の出稼ぎ労働者たちが衝突した。原因はウイグル族の男性が漢族の女性を強姦してしまった、という噂がネットで流れてしまった。それで戦いが始まった。


私も中国の民族問題というのは、民族区域自治という政策の問題。私は中国政府の立場と違うが、かなり限界を迎えているんじゃないか。

三宅
統治能力の限界を超えていると?

張景子 少数民族優遇

こういうことなんですよ。
きょうはまず、あいうえおからいきましょう。
中国の人たちは身分証明書をもっていて、どこかに行きます。他の国と違う。身分証明書に、農村戸籍か都市戸籍か、そして必ず民族が書かれている。
何民族というのは本来ならそんなに大きな問題にはならない。
極端な話、私も張さんも中国の国籍。しかし彼女は朝鮮族。金さんと同じ民族になってしまう。私と張さんの間に壁ができる。
たとえば張さんとケンカしたら、普通は仲間のケンカなんですが、民族がつくと民族対立になる。これは民族の境界をあまりにも鮮明にしすぎた。

そういうことはね、実は逆なんです。少数民族保護という政策をやって、そのツケが来たと。
たとえば私が中国につとめていたときの同僚の中には、回族の人たちがいる。彼らは少数民族手当というものを、給料の1割をもらう。優遇されている。

一人っ子政策も少数民族には適用されません。

優遇しているというのは逆に特別の存在をつくってしまって、漢民族の方から不満と反発が…
 

勝谷
要するに民族の壁を今なくそうというのがみんなの考え…


いや、なくそうというのじゃなくて、今、民族の壁というのはこういう形で実際にできてしまう。
何があってもその壁を超えられなくて、何かあったら民族紛争、民族対立…というのは、人為的につくってしまった壁というのは政府自身も困っている。

勝谷
独立させたらいいんですか?



独立じゃなくて、優遇政策を撤廃する。


王先生、私も朝鮮族と書かれた身分証をずっと持ち歩きましたけれど、中国で、何にもこれがおかしいと思ったことがないんですよ。
あと、優遇政策っていいますけど、一人っ子ですよ。これを少数民族と漢民族、一律にされたら、少数民族の人口はすぐ減っちゃって、いなくなりますよ。だから一緒にしちゃいけない。私は優遇政策をすべきだと思っています。

三宅久之

三宅
中国共産党政府の少数民族ショーウインドウのマネキンさんなんだよ、あなた。
優等生なんだ。だからあなた、優遇されているから。


ちがうちがう。私は共産党の少数民族政策にもいろんな意見がありますよ。


三宅
意見があっても、それはかわいらしい意見で…


(ビデオによる解説部分 …孔健氏の部分以外省略)



孔健
“少女団”という言葉がある。
少数民族ならすぐ出世できる。漢民族より。
女性ならすぐ出世できる。
共産主義青年団ならすぐ出世できる。
少数民族にはけっこう優遇政策出しているから、利用すればいいじゃないか。
いい生活になればいいじゃないの。逆にワーワー騒いで争乱を起こしても、お互いに全然メリットないですよ。
結局解決できるのはお金しかないですよ。

中華思想という言葉をいつも日本人が言ってるけど、中華思想はない。
しかし、少数民族を軽蔑するところはある。格差はある。
生活でいうとやはり貯金。貯金感覚はウイグル族には全然ない。
彼らは貯金ができないから、少数民族と漢民族を比べると不満が出てくる。
孔健
「孔子学院」といい「孔子の子孫」といい、今“孔子”と名のつくものは、「パンダ」と同じぐらい胡散臭い
 

(スタジオ)

本澤
中国には88回言っているが、中華思想というものを感じたことは一度もない。


張景子
さっき孔健さんが言った中で、少数民族に対する差別はありますよ、って言いましたよね。そういう漢族の人たちはいるんですよ。日本人の中に、韓国人や中国人を心底から差別している人がいるのと同じなんですよ。それは日本の国策ではありません。
それと同じように、中国に少数民族を差別する漢民族がいたからといって、それは中国共産党の政策ではないんです。

勝谷
違います。国策として移民を進めて、民族浄化を図っているじゃないですか。
 


もちろん私のまわりにも、差別的な言葉を聞く場合もありますし、腹が立つ場合もある。しかし、それを中国共産党が悪いとか、中国の全体の人がこうだという風には私は考えません。

大竹誠
チベットの問題もウイグルの問題も、日本も世界も人権問題ととらえている。
チベットは仏教、ウイグルはイスラムですよね。中国共産党は無宗教ですよね。
中国国内では、あれは人権問題じゃないんですか。


それはそうじゃないと中国では考えております。

三宅
中国に人権なんかないもの。

大竹
人権問題じゃなかったら何なんですか。


人権問題と言ったら今の問題を簡単にしすぎ。
他民族をかかえてる国家をすべて人権問題で解釈してしまうと、それはやりやすくなる。

勝谷
それはかみ合わない。自由と人権を認めるかどうかが近代民主主義国家なんです。中国は近代民主主義国家じゃないんです。



韓国が民主化されたのは1980年。それまでは人権とか自由とかずいぶん批判されてきた。
それでもまずは経済発展だということで、その問題を押さえ込んできた。80年代になってやっと豊かになって、みんなが民族意識だとか、国家観だとか民主主義だとか望んだときに実現した。

勝谷誠彦
勝谷
中国と比べれば、韓国はすごく立派な国だと思えてきますよw


中国の場合も、それがいつかはくるだろう。ただそれが今ではない、という考えで、そこを弾圧しているという現実がある。

大竹
弾圧してるんでしょ?


阿川佐和子
中国政府の味方するわけじゃないけど、ボスニア戦争取材したときに、人権問題を言い出したら、どっちにも人権がある。経済格差からはじまり、民族問題からはじまり、全部複雑にごちゃごちゃになってて…

大竹
人権問題は、経済問題なんだよ。要するに。


本澤
人権問題はどこにでもある。日本にもアメリカにもある。


阿川
中国の対処の仕方が、世界のマスコミをシャットアウトして、自分たちだけで解決しようという姿が、おかしいじゃねえか…


三宅
いちばんおかしいのは選挙やったことがない国家だということ。


今の日本の国のレベルで、中国を同じような物差しで見るとやっぱり見えないと思う。
日本は韓国より20年先を行ってる。中国は韓国より20年遅れたところにある。いろんな社会状況が。
その中で、彼らがいったい何を目指すのか、というのをまず見て、でも端から見てて、人権問題を指摘しないわけにはいかない。
それは指摘しつづけるけど、それを誇張して
中国が清の領土を取り戻そうとしている、このままじゃ沖縄も取られるみたいな話は、本当にたちの悪い三文芝居だよ。

三宅
張さん、韓国より20年遅れていると言われたが、そうなの?


そのとおりだと思いますよ。民主主義も遅れていますし、経済的にも遅れてますね。

 


管理人コメント

ビデオ解説の部分では、短いながらも重要なことはいくつかふれていた。
しかしスタジオでの議論の中身は、ウイグル問題の本質からかけ離れた話が長々と続いて、この問題は、それほど深刻な問題には思えなかったと思う。
経済格差、イスラム教への対応に対する不満、というが、具体的にどのような状況にウイグル人が置かれているのか、という説明がまったくなかったため、問題の深刻さが視聴者には伝わらない。
勝谷氏がウイグルの核実験や民族浄化について発言してはいるが、発言時間が短すぎて、その単語を口にしただけだった。


今回のウイグル暴動についての、
この番組での中国人の主張を要約すれば、
 

ウイグル暴動の原因はウイグル人と漢民族の間の経済格差(張景子は民族間に格差はなく、沿岸部と西部の格差だと説明)。

ウイグル人は優遇されており、漢民族より出世しやすく、少数民族手当もつくのに、貯金感覚がないため、漢民族との間に経済格差ができた。

そのため、ウイグル人は不満をもち、暴動を起こした。彼らの暴動には弾圧で対処しなければ、さらに騒動が拡大してしまう。

漢民族も少数民族優遇に不満をもっていて、民族間に溝ができた。

民族間の対立の原因である少数民族優遇政策をなくさなければならない。


ということになる。
要するに、中国人は、「ウイグル人は愚か者なので、優遇してやったのに貧乏のまま。それを逆恨みして暴れてやがる。暴れたら徹底的に弾圧して、優遇政策を撤廃しろ」と言っているのだ。

これが、日本のゴールデンタイムに放送されたテレビ番組での、今回のウイグル暴動の説明である。

NHKの海外ネットワークやクローズアップ現代も、言っていることは、これと大して変わらない。ウイグル問題の主因は“経済格差”なのだそうだ。

これが日本のメディアの現実だ。

ウイグル問題についての具体的な話は、このブログの「東トルキスタン」カテゴリの中の記事を、どれでもいいのでいくつかご覧ください。




選挙前ドットコム
http://senkyomae.com/



 

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質疑応答

チベットとウイグル、内モンゴルが同じような境遇にありますが、協力して何かをやろうという動きはありますか?


ペマ・ギャルポ氏

チベット、ウイグル、モンゴルは、1960年代から共同の声という組織があり、ずっと会を重ねてきております。現在ももちろん、気持ちの上で、いちばんお互いに通じていると思います。
たとえば僕が病気になったら、本当の痛みは、僕の母親も代わって感じることはできません。
母親が私のかわりに死にたいという気持ちになるかもしれませんし、一生懸命私をお医者様にかけることはできるかもしれません。
それと同じように、中国のもとで現在何が起きているかということに対して、一番痛みを直接感じている人たちは、モンゴル人であり、中国人であり、そしてウイグル人であり、チベット人です。
そういう人たちが一緒になったり、共有するのは当たり前のことだと思います。

前にみんなの組織の代表として、ダライラマ法王に対して、共同のスポークスマンになってほしい、ということで、法王にそういうことを申し上げたことがございます。

ラビア・カーディルは、昨年も、チベット問題はウイグルの問題である、と言ってくれました。今回のことについても、チベットの人たちもウイグルの人たちに対して、いろんな形で、いろんなところで、発言をしています。

たとえば、東京でのこの前の集会で、今の代表から、正式にチベット亡命政府の立場で連帯を意思表示しました。ですから、今後も、これは運命的に、いっしょにやらざるをえないということと、もう一つは、あまり知られていないんですけれども、私たちは古いお互いの歴史的な関係があります。

そういうことについても、今改めてお互いに研究し、私たちの先輩たちがどのようなことを残したかということについても財産として共有していきたいと思います。


石平氏

ウイグル人、モンゴル人、チベット人、みんな連携して、立ち上がった方がいいですわね。だいたいヤクザがいちばん怖がっているのは……普通の人々が、一人一人孤立していると、ヤクザの言いなりになるんですけれど、ヤクザも商店街のおっさんたち、みんな立ち上がるとヤクザも怖がるんですよ。


永山氏

石平さんのおっしゃるとおりだと思います。ヤクザは言いがかりをつけますよね。理に合わないことを言いますが、これはおかしいぞ、とみんなが言えば、声が出なくなるというのがあると思います。
去年、チベット問題をめぐる国際世論が支那を大変狼狽させた。

三つの民族の連携というのは、僕は詳しくはわかりません。それぞれ行ったことないんですね。しかし、南モンゴルの人たちは完全に骨抜きにされてしまっているという状況があって、チベット、ウイグルにしたって、横の連結だって、恐怖政治支配下ですから、簡単にはいかない。

ただ、日本の側が、みんなで団結しましょう、というアピールを、国際世論ですね。それをやれば必ず大きな影響がないわけがない。あの人たちを励ますことにもなります。

現在は横の連絡がたとえできないとしても、将来、中共崩壊の方向へ向かうときは、そういったメッセージを送り続けていれば、力を発揮するんじゃないかなという気がします。


青山氏

正直、会場の方はいい質問されるなと思います。
チベット人ウイグル人モンゴル人の連携というのは、私たちに伝わっていない。永山さんが言われたとおり、非常に難しいと思うんですが、中国の実際の民族政策をみていると、連携を断つというのを極めて意識していて、とりあえず中国は、チベットウイグルモンゴルの連携というよりは、たとえばイスラム教徒の中の連携を断つために、ご承知の通り、中央アジア諸国に徹底的に介入していますし、上海にそういう組織ができているのもご存知の通り。
最近中ロで軍事演習を行って、ウイグル人の動きに対して、中央アジアから連携がないようにしているわけですね。

報道を見ていただくと、そういうのは全然報道されていないという話がよく出るんだけれど、本当は見ているとちゃんと手がかりがあるんです。

これはあえて申しますけれど、今日のようにいい質問が出るくらい、意識の高いみなさんだから余計、報道って常に何でもかんでも提供してくれるってことはありえなくて、断片が出てくるから、なんかあったときだけ報道するのが報道なんですよ、元々

中を整理して体系づけて報道できるはずがないんです。これは僕の記者経験から自戒を込めて言うんですけれども。目の前で起きていることを一つ一つばらけて報道する以外ないわけです。報道できるとしても。

結びつけるのはむしろ受け手の側なんで、中ロの軍事演習もやったばかりですけれども、そういうことを自分の頭で考えているというのは、僕たち日本国民にとってはすごく大事だと思っています。

実はさっき申した、バス襲撃とか車をひっくり返しているというやつも、僕が教えている近畿大学の学生諸君にこの間も言ったんですけれども、普通に自分の目を開けて見ていたら、おかしいということがわかるだろう。
ちりじりばらばらにデモ隊がやられて、その後どうやって集まってきてあれをひっくり返すんだと。
だから、作られた映像は結構見抜けるものはあるんですよね。

今日の方々のような意識の高い人こそ、みんなに呼び掛けて、つなぎ合わせてこうじゃないかと仮説を含めて立ててみる、ということをぜひ やっていただきたいな、と今の質問をお聞きしてそう思いました。

 

ペマ・ギャルポ氏

今の質問は、みなさんが、ウイグルチベットモンゴルの協力関係について期待しているということはよくわかります。
たとえば、今、東京にウイグル人が800名くらい、チベット人が100名くらいおります。モンゴル人はたぶん5000人ぐらいいます。

じゃあ、今日ここにいない人たちは何にもやっていないか、というとそうではないです。
みんなそれぞれ、祖国のために、ある人は言葉を守り、ある人は一人でも多くの仲間をつくり、ですからいろんなやり方があって、しかも時代によって何かをやっていることを表に出して、ためになることとならないこともある、ということもよく理解してもらいたいと思います。

たとえば、私たちが同じ真実のために戦っても、そのときの状況によって戦い方が有効であることと、ないことがあります。
ですから、現段階においては、たとえば、表だって、何かをやってないから、ということであまり心配していただかなくても、私は大丈夫だと思うし、今日この会場にも私よりずっと先輩で、かつては台湾の独立をやって、日本政府からあまりいい顔をされなかった方がいます。

そのときに、私たちは、当時は毛沢東と蒋介石、私たちにとっては同じ敵でありました。しかし、片方が、冷戦構造の中においては、反共というところで…その反共って言ったときに、私を理解してくださったのは日本の反共だったんです。最初は。
なぜなら、日本では中国のことを中共というときだったんです。

しかし台湾独立の人たちに対しては、反共であるはずの中華民国も同じ抑圧をやっている、中国共産党と何も変わらない状況にあって…
 
会場にも当時先輩として、焼鳥屋でおごってくださって、台湾の独立のことを一生懸命やっている方がおられます。宗像先生というんですけれども。

(会場拍手)

たとえば、イリハムさんは表に立ってやっているけれども、それ以外のウイグルの人たちは、ウイグルの独立を望んでないかというと決してそうではないと思います。


彼を支え彼を励まし、いろんな意味で彼に助言しているウイグルの人たちが、私が知っている範囲でもたくさんおりますので、ウイグル、チベット、モンゴルのことは、現在の相対性の関係の中においては、やりたくなくても一緒にやらざるをえない状況にあるということで、理解してもらえればと思います。

そしてもう一つ大事なことは、私たちは今の状況、今の時代において相対的に誰が敵であるか、誰が味方であるかということと、もう一つは普遍的なことは何であるか、より絶対的な真理とは何であるかということを、これも同時に大事ではないかなと思います。

そういう意味で先ほどから日本の方々がおっしゃっていることの、ベルリンの壁が破られた後の出来事などについて考えてみますと、かつてはソ連の壁が破られるまでは、フリーヨーロッパラジオというのがありました。現在はフリーアジアラジオに変わっているんですね。
これは何よりも一つの時代の進化を表していると思います。

ヨーロッパにおいては先ほど青山先生がおっしゃったように、あらゆる民族が民族自決権に基づいて独立でき、そしてもし人間にとって人権、民族自決権ということが普遍的なものであるとすれば、やがてアメリカでさえも、同じように適用しなければならない。

現在、サミュエル・ハンチントンの「文明の衝突」以来、ややもすれば、イスラムという特定の宗教を敵視するような世界世論を作っていますけれも、これだって一時的な相対的な現在の都合上のことであって、真理、真実が同じであれば、かならずいずれは、彼らに対する偏見はなくなるはずだと思います。

私は今日ここにいらっしゃってる方々は、何々人であるとか、今現在の問題だけでなくて、より普遍的な正義とは何か、そして現在、少なくてもチベット、ウイグル、あるいはモンゴル、あるいは中国人の中でも虐げられてる人たちに対して正義があり、そしてみなさんはその正義を支持しているというふうに私は解釈したいと思うし、おそらくウイグルも同じじゃないかなと思います。

ですから、最後に正義は必ず勝つということを信じてくださって、これからも末永く支援してもらいたい、と。特に会場を見ていると、ウイグルを支援する若い人たちがたくさんいるということは、とっても心強いと思うし、こういう人たちがいるっていうことは、やがて、宗像先生が今どういう心境にいるか知りませんけれども、これは正直言って、半世紀というのはあっという間に過ぎる時間ですので、自分たちがまいた種に実が出ることを楽しみにしてもらいたいと思います。

 

日本政府の対中外交はこれから変化が訪れると思いますか?
チベットウイグル問題など中国国内の少数民族問題に対してどのような対応をとると思いますか?


青山

一言で言うと、絶望的です。

さっき僕は、外務省の中にもノンキャリのやつで志をもっているやつがいるって言いましたよね。逆に言うと、キャリアで課長以上になるやつ、それから例えば中国の大使や全権公使になれる人でほとんど見あたらない。

あまり一般論で話すより具体論で言ったほうがいいと思うんですけれども、僕はかつて、一番最初に中国へ行ったのは28年も前なんですね。すごい若手記者のときにいきました。それから、十数年経て、三菱総研のシンクタンクの研究員になって中国に行って、当時の北京の日本大使館の筆頭公使と一緒に中国のアメリカ研究の専門家に会ったとき、その中国人の学者は中国共産党のブレーンの一人ですけれども、アメリカの核兵器の話を持ち出して、日本は核の傘ときれいなことを言っているが、要はアメリカの核を使って中国を脅しているんだ、というようなことを言ったんです。
そうすると、日本大使館の特命全権公使の彼が突然、ものすごく怒って、「おまえの言っていることはデタラメだ、日本はアメリカの核を使って中国を脅しているなんてことは真っ赤な嘘で、おまえのところのミサイルの東風21号というのは、日本に照準を合わせているじゃないか、おまえなんかと絶対生涯口をきかないからな」と言ってものすごく怒って、僕は唖然として彼の顔をみて、その後夜中喫茶店で彼と二人で飲んだときに、「東京大学出身のキャリアで中国の公使で、こんなことを言う人がいるとは思わなかった」と言ったら、「いや本当はみんな結構中国には頭にきているんですよ、言っていることはほとんど嘘ばっかりだもの」と彼は言ってですね。その彼はその後どうなったかというと、チャイナスクールから追放されて、今ヨーロッパのちっちゃい国の大使になっています。

しかし、さっき絶望的と言ったのは、だから絶望「的」なんであってね。特に民主党政権、民主党中心の政権になると、一段と状況が悪くなると思いますけれども、でもよーく組織の中に入っていくと、そうやってパラパラと本当の志をもっているやつがいて、さっきウイグル人、チベット人、モンゴル人の連携の話も出たけれども、日本国民の中でそういう人と連携するというのは僕は大事だと思っているわけですよ。

だから十把一絡げで、官僚は全部ダメだとか、日本の対中外交は全部ダメだって言ったら、それは評論家の人はそれでいいかもしれないけれど、そうじゃなくて僕たち実際に世の中を変えたい人間は、連帯しなきゃダメなんですよ。

連帯する人に丸ごと要求するんじゃなくて、できることをお願いすると。
だから僕はさっき言った当時の公使と、生涯付き合ってますけれどね。彼はまもなく大使を終わって、一般人に戻る。その時に、彼がいままでため込んだ、本当の中国の話、内緒の話を本にして出せということを今一生懸命お願いしているわけで、当然彼はそうすると天下り先が限られちゃうから、悩むわけですけれども。しかし僕が言ったのは、あなたも僕なんかも同じで、やがて死ぬのを待つだけなんだから、十分青春時代楽しかったでしょ、青春の北京も青春の上海もあったんだから、それだけやれ、後のことはしなくていいから。

そういう連携は個人的にはとっても大事だと思っているから、日本の対中外交はこれこれ、という評論家まがいの決めつけをやめましょう。実際に僕たちが考えているのは、実際に東トルキスタン共和国を作りたいんでしょう? 本気で。 傍観人じゃなくて。
であったら、それぞれの人のできる範囲のことをみんなできるようにしましょう。


西村氏

付け足しになりますけれども、対中外交の見通しはどうかという質問でいいわけですよね。青山さんと同じ答えになっちゃいますが、絶望的としかやはり言いようがないですね。

誰が言ってもそういう答えしか出てこないと思います。

ただ、その絶望的なものを絶望的でなくすために、今、今日、この時間に、このシンポジウムがあるんじゃないですか。たぶんそうだと思いますよ。

それはここにきていらっしゃる方々みなさんそう思ってらっしゃると思いますし、たまたま日本がウイグル、チベット、モンゴル、台湾、アジアの諸民族の方々がいられる場所であって、そこで自由に交流ができて、自由に意見がかわせられる場所であるという、この幸せな空間があるということを私たちはかみしめて、そこで、日本人は協力していくしかないんであって、それが政府の対中外交をもやがては変えていく力になるのではないかな、とそのように考えています。


青山氏

一つだけ付け加えると、日本の対中外交を変えるというのは、本当は一つ大きな武器を日本はもっているんですよ。
ここにいる人なら全員わかると思います。それは簡単なことで、我が国の宰相、内閣総理大臣が靖国を参拝する、それだけのことですよ。

(会場拍手)


だから、靖国に参拝するというのは、私たちのために亡くなった方を弔い、尊ぶことのできない宰相はいらない、と国民は言えばいいのに、右も左もへったくれもなくてですよ。いろんな考えを乗り越えて、その一点だけ、日本国民がまとまれば、対中外交は根本から変わるわけですよ。
決して僕は難しくはないと思っているんですよ。

絶望的と言ったけれど、突破口はちゃんと開かれているわけで、靖国神社を国家護持にして、右左関係なく。国家護持を嫌だという人は、ワシントンDCのアーリントン墓地に行ってくれ、といつも思うんですよ。
国家護持してるじゃないですか。大統領は聖書に手を置いて宣誓してるじゃないですか。

日本はパソコンとかそういうものにまで神が宿っている国なんです。
すべての、イスラム教のアラーとももちろん共存できるんですから。
その当たり前の僕たちの文化を、内閣総理大臣に具現させるだけのことですから、もう役人のせいとか誰のせいとかするのはやめましょう、ということを最後に、って僕が仕切っているわけじゃないから(笑)


ペマ氏

最後の最後にすいません。二つ。
一つは、少なくとも日本の場合には、みなさんの一票によって世の中の政策を変えられるということはまだ強みがあると思うんですよ。
1978年に外務省がいったんダライラマ法王に対してビザを取り消しました。
しかし、当時私は、いろんな右翼の団体にお願いして、それから日本の仏教界の一部が動いてくれて、ひっくり返しました。

いったん外務省が決定したことでも、ひっくり返るというのは、まだ世論というのはやっぱり無視できない社会の仕組みが日本にあるということで。

日本の外交が今後どうなるかということは、今現在は残念ながら、日本はある意味ではもうすでに、私たちと同じようにコントロールされているんですよ。

日本の国内においても自由に、中国の真実を書けない。それは一つはお金の問題です。経済の問題です。今日はそういう時間がなかったけれど、チベットウイグルに対しても別の見方が、また今度勉強会が必要だと思うんです。

それからもう一つは普遍的なことと言ったのは、この日本において、この40年間で僕が一番効果的だったのは何かというとですね、色川大吉先生が、日本国内においては百八十度違う立場だったんですけれども、中国へ行って、「雲表の国」という本を書いたんです。これはぜひみなさんに読んでもらいたいです。

「雲表の国」の中で初めて、社会主義体制の中に、植民地が存在するということを驚いた、と先生は懺悔のように書いております。

それはたぶん先生自身、社会主義共産主義をずっと信じてきたにもかかわらず、絶対的真理に対する脱帽を勇気をもって発言したことで、その後少なくとも日本のマスコミの書き方、特に、一般紙の書き方が変わり、 私は絶対的真理が強いとそのとき思いました。

今日その人の弟子も、会場に来ておりますので、この場を借りて、お礼を言わないと、私の恩師があんなことをやったのに、あのときだけは感謝して今は忘れているなんて、と思われたらいけないので、それも付け加えたいと思います。

要するに私たちは相対的には絶対変わりますよ。状況は。
それよりも、絶対的な真実を信じて、そして、正しいことはすべて正しいはずだ、ということでやることが大事だと僕は思います。


イリハム氏
閉会の挨拶

みなさん長い時間お付き合い下さり、ありがとうございます。
我々これから日本人に望むことは、ペマ先生がおっしゃったように、貴重な一票でいい人を国会に送って、日本を本当に変えてくれる方々を選んで欲しい。そうしないと、議員になるために議員になっている方がいっぱい入ってしまうと、いつも国のことを忘れて、自分の政党のことばかり考えて、いつもケンカばかりする国会になってしまうと思います。

ですから、国会が変わってくれれば、政府が変わってくれて、我々の運命に関心をもつ政府がでてくれれば、私たちの今のこの状態は必ず早めに変わってくれると思っています。

今回のウイグルの件で、今日、先生方のお話をきいて、よい勉強になりまして、私個人も非常にうれしいです。

これからも、共産政府が何かやったら、やった時は怖くないです。その事件が起こった後が怖いのです。
無駄な犠牲者がたくさんでるのは、共産主義社会の現実なんです。

ですから、たくさんの人々に、たくさんの国々、たくさんの政治家にこの件に関心をもって、無駄な犠牲が出ないように、我々を助けてほしいです。

今日、みなさん、本当にありがとうございます。


 

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西村幸祐氏

西村幸祐氏


 
西村幸祐です。
青山さんの話を受けるような形で話を進めますと、そういう状況の中で日本人はどうしなければいけないか、ということが今問われているわけです。
7月13日に6民族6人による緊急記者会見を行って、緊急声明を発表したんですね。最初7月6日に、石平さんから電話があって、これはなんとかしなくちゃ、と。

それで、水平撃ちがあったと朝日に書いてあったよ、と僕が言ったら、彼はびっくりして、生まれて初めて朝日新聞を買いに行ったそうなんです。確かに朝日に書いてあるんです。

北朝鮮を巡っての報道で、中国共産党と朝日の間で若干向こうの外交部と朝日の間で対立があったりしたから、共産党の幹部の機嫌を損ねるような本当のことをちょっと朝日も書いたんだと思いました。

びっくりしたのは、それがウルムチ発の記事で、北京総局を通って、なおかつ築地の編集局を通って、それで活字になって、しかも一面になったんですね。水平射撃があったという記事が7月12日に。

13日の記者会見のときに、また驚いたことに朝日の記者がきたんですね。産経の記者はこないのに。それでちょっと話をしたら、「いやー、朝日って色眼鏡で見られるんですよ」なんて笑ってましたけれども。

そのへんのことは、私のブログに書いておきましたので、見ていただければいいんですが、そこにそのときのメッセージを書きました。
7月13日に発表した緊急アピールなんですが、なぜこれを行ったかといいますと、アジアの6民族の6人による記者会見であるということが大事だと思ったからなんですね。

実はこれ、大東亜戦争に敗れる前に、日本人がやっていたことで、満州国がそもそもそうなんですね。五族協和という理念で行われて、五族というのはアジアの5民族であったわけです。そこには満州族やモンゴル族や漢民族、チベット人、ウイグル人なども入っていたわけです。

そういう歴史的経緯があって、それでじゃあ果たして私たち日本人が何ができるのか。今青山さんがおっしゃったソフトランディングに向けて何ができるのか、ということを考えると、非常に心許ない状況にあると言わざるを得ません。

今会場に意識の高い方がいっぱいいらっしゃってて、すぎやまこういち先生もいらっしゃってますが、ちょっと一人ご紹介します。 昨年の長野の聖火リレーのときにも行かれてました、評論家の関岡英之さんもいらっしゃってます。

(会場拍手)

次の衆議院議員選挙では、平沼グループを支援、そこから立候補する城内実さんの熱烈な支持者としても知られております。

関岡さんが去年、長野で見た光景、それはここにいらっしゃる方もみなさんもご存じだと思います。

イリハムさんが冒頭で、ウルムチで何か起きたら5分で警官が飛んでくる。ところが、広東省のオモチャ工場でウイグル人に対しての撲殺、虐殺が始まったとき、5時間も警察が来なかったということをおっしゃいました。それとほぼ似た、似たというと語弊があるかもしれませんが、状況はすでに1年前に、長野で、日本で現出していたという、この現実を私たちは忘れてはいけないと思います。

あのとき、日本人が暴行され、そして警察官に何を訴えようとも、警官はただヘラヘラ笑って、聞いていただけ。そして、あとで何件か刑事事件として告発した日本人がいました、長野を覆い尽くした五星紅旗のもとでの支那人留学生による暴行事件です。しかしその後、何か解決したんでしょうか。

まったくこの国の警察権力はそういうことをやっていない。
それは確かに福田政権だったということもあるかもしれません。

もっと違う政権だったら、警察もああいう対応をしなかったかもしれませんが、少なくとも日本の国家権力が、日本人が暴行にあっているのに、まったく対応しなかった。そして支那人の法律違反を許容していた姿というのは、実は去年起きていたんですよ。

ですから、今のウイグル、チベットの状況は、明日の台湾、明後日の日本ではなくて、すでに現在の日本の中に、パラレルワールドとして存在しているという認識を私たちはもたなければならないと思います。

そういう危機感がなければ、とてもこの状況は打開できないということを、ここで確認したいと思います。

そこで、そのために何が必要かということですが、こうやって粘り強く、一つ一つ、たとえば、ウイグルの問題で広い情報を持った方々がここで何人か集まって、そしてそれぞれの考えを述べる。そして意識の高い方々が集まって、ここでその情報を共有しているわけです。

さきほども申し上げましたけれど、どんどんどんどん発信していくということです。

この7月26日の午後9時を迎えようとしているこの場所は、今から45年前、1964年、昭和39年の東京オリンピックのための、選手村として作られた施設なわけです。あの五輪は日本の敗戦後わずか19年後にできたものだということを今考えると、私は唖然とします。

私が大人になってから、19年間何をやったのか。1980年代から何をやってきたのかということを考えると唖然とする。

戦前戦中派の日本人は、大東亜戦争を戦った後、あれだけの敗北をした後、19年後に東京五輪を成し遂げているんですよ。

今から19年前何があったか。ちょうど平成の御代が始まった直後ですが、どんどんどんどん日本はひどい状況になっていった。何も私はできていない。これは私自身、自戒を込めて言っています。
せめて、戦前の日本人の気概と誇りを取り戻せれば。

今日本の情報空間をゆがめている、たとえば、従軍慰安婦の問題とか、それを各自治体が議決しようとしたり、そういう状況が起きている。また秋に誕生するかもしれないといわれてる民主党政権では、またそういったものを蒸し返していくような法案がどんどんどんどん基本政策の中にはいってくる、というような状況の中で、さきほど私が申し上げた、1年前の長野の聖火リレーの出来事というのは、それをまさに裏付ける、そういった非常に危機的な状況に日本人が置かれているということなんです。

この自覚をもって、そして戦前の日本人がもっていた気概と、それとアジアを愛する気持ち、各民族を愛する気持ち、それを取り戻して、思い出して、立ち向かっていかなければ、ウイグルの解放もチベットの解放も、そして台湾の独立と安定も、守ることはできないし、アジアの安定を守ることは決してできない、ということを今ここで申し上げたいと思います。

最後に余談になりますが、これはまだ誰にも言ったことがなかったんですが、家紋ってありますよね。小学校のときから不思議だったんですが、お墓にいくと、桶に家紋があって、どういうわけか家のは、徳川家や毛利家などよくあるような家紋と違ってたんですね。
あるとき気がついたんですが、後ろの掲げてあります東トルキスタンの国旗、トルコの国旗もそうですね。この月と星が家の家紋なんです。

これは何かの因縁めいたものを感じざるをえない。これは前から誰かに言おうと思ってて、言ったことはなかった。イリハムさんにもペマさんにも言ったことがなかったんですね。

トルコや東トルキスタンの国旗は、月と太陽だと思います。この月と太陽の太陽が、東の方に飛んでいって、大きくなったのが日の丸なわけですね。

そう考えるとトルコと日本のつながり、民族的なつながりということもあります。チベット人と日本人の遺伝子のこともよく言われましたけれども、言語の問題、どうもやはり関係がある。

トルコと日本は有名な、エルトゥールル号という明治時代の軍艦が沈んだとき、和歌山県の住民が必死に助けたという話があって、それはトルコの教科書にも載っている。今でも載っているから、日本人のことをトルコ人はそういう意味で知っているわけですね。ところが日本の教科書は、全然そんなことは書いていない。という今の状況があるわけなんです。

今、ネットをやっている方はご存じだと思いますが、中国のある地方都市のレストランで、問題になっている出来事があるんですが、わかりますか。
そこに掲げてある看板ですね。「犬と日本人は入るべからず」
実はこれは2,3年前から、そのレストランは掲げてあったんですね。
それはなぜか今急に話題になっているのは、支那のネットで話題になったからです。一般的な既存メディアはかなり批判的にそれを書いていたらしいんですね。
日本人を差別する民族感情を煽る、非常によくない差別的な行いだと批判的な論調でそのレストランのことを報道したら、現在支那のインターネットの掲示板の中ではまったく逆で、7割ぐらいがそのレストランを支持している、という状況が起きているということです。

これは私たちは客観的にちゃんと受け止めなければいけないと思います。
昔、上海の租界に、「犬と支那人は入るべからず」という標語があって、それは白人の列強がそういう標語を立てたという事実もあって、それを何十年か経って、意趣返しして、現在あるレストランが「犬と日本人は入るべからず」という標語を立てているわけです。

青山さんがおっしゃったヨーロッパでの民族紛争、冷戦崩壊後に起きたものが、アジアではもっと危険であるとおっしゃったことはまさにその通りで、今、私が紹介したレストランの話、これが象徴しているわけです。

それと実は今日の渋谷で拉致事件に関して、一般の人たちが署名活動をやっていましたが、そこに家族会の人たちも行きました。

ただ、今ほとんど関心を呼ばなくなってしまっている。
ですから、ここに来た方々は、ウイグルを心配し、チベットを心配する方々が多いんですが、と同時に、日本人も心配してほしい。
それがなければ、ウイグルを心配することもできないんです。

なぜ今拉致のことを申し上げたかと申しますと、実は来年、日韓併合百年ということで、そのためのプレキャンペーンがもういやというほど行われているんですね。

今日の夜、今、NHK、ETV、第三チャンネルで、日本と朝鮮半島2000年の歴史というシリーズものの3回目か4回目がオンエアされています。

そういう中で、民族感情がいびつな形であふれている。それは日本に対しての朝鮮民族のまさに、怨念とでもいった、呪詛に近いようなものがあるという事実。それと、支那人の非常に差別的な他民族に対しての感情。それは、先ほどのお店の話とつながってくるわけです。

最後に一言、私は支那という言葉を使っていることをご説明します。

中には、よくわからない方が、昔の差別語を使うとは、単なるバカじゃないか、とか言う人もいるんですが、まったくそうじゃなくて、中国と言う言葉はまさに中華思想、華夷秩序を表す言葉であって、逆に、支那を中心とした周囲の他の民族に対する蔑視を肯定することになるから、私はなるべく中国という言葉は使わないんです。

歴史的にチャイナは支那であり、支那の一番のポータルサイトは.sina.comなんですね。

ですから、支那といって別に侮蔑的な言葉として使っているのではなく、歴史的な背景から使っています。場合によっては、中国共産党と表記するし、それはそのときどきに応じて使い分けているというわけです。


つづく


 

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青山繁晴氏

青山繁晴氏



みなさん、改めまして、こんばんは。
実は、会場の中で紹介したい人がいらっしゃって、有名な作曲家であると同時に、こういう活動に身を粉にしておられる、すぎやまこういち先生と奥様です。

(会場拍手。すぎやまご夫妻の胸にはブルーリボン)

そういう意味からも、こっちにいるのが面はゆい気が僕はするんですが、さっきの永山さんの例にならいまして、日本国民の一人として、今回の騒乱だけではなくて、1949年の中華人民共和国建国以来のウイグルとチベットの犠牲になられた方々に、改めて哀悼の意を表したいと思います。

今夜の緊急シンポジウム、隣の盟友西村さんから連絡いただきました。今日このタイトルにありますように、ウイグルで今、何が起きているか、というのがメインテーマですね。

ウイグル人であるイリハムさんの前で、ウルムチ、カシュガルその他のウイグルで何が起きているか、を僕が説明するというのは大変僭越な気がするんですが、ただ、今夜もっと事実を知りたいという気持ちをもたれた方はおそらく多いと思います。

僕はかつて共同通信という報道機関に20年おりました。共同通信はもっとも中国に遠慮するメディアの一つですね。それだから辞めたわけじゃありませんよ。
しかし、かつての取材源はまだまだ中国国内にいますから、そういうことも踏まえて、僕なりに知り得たことを、僕なりの整理をさせていただきたいと思います。

まず、今回ウルムチで事件があり、さっき中山さんからもお話がありましたが、当初は日本のテレビでもかなり報道されましたね。

そのときにイリハムさんが、かなりたくさんのテレビにコメントその他でお出になって、しかも電話を生放送でつないで、だから編集できない状態で、イリハムさんから本当の話が出たケースも多々ありました。残念ながら最初だけでしたけどね。

その時に僕がまず思ったのは、僕の役割というのは、実はあえて一般的なところから取材するというのが大事だと思いました。というのは、事件の最初から中国は世界ウイグル会議の煽動なんだということを言ってましたね。
世界のどこかにいる亡命ウイグル人の中には、日本以外にももちろんたくさんいらっしゃるんですよ。ニューヨークにもいますし、パリにもいますし。そういう人々の中には、世界ウイグル会議に入らない人もいるんです。そういう方と連絡をとって、そういう方が今ウイグルの状況をどのように情報収集しているか。親族や奥様がウイグルに取り残されている方がたくさんいらっしゃいます。そういう方々に連絡を取り、情報を集めました。

この中には、僕が大阪で関西テレビというテレビ局の報道番組に出ていることをご存知の方がいらっしゃるかもしれません。生放送で、やり直しのきかない放送なんですが、その放送のためにも情報を集めました。毎週水曜日に放送するんですが、前日の火曜日の夜に打ち合わせ、打ち合わせっていうか怒鳴り合いの討論会、かつて硫黄島をやろうとして反対が強かったりいろいろあったんですが、そういう場でこの証言の話をしましたら、じゃあ、今この場で、その亡命ウイグル人の方にもう一度電話をして、そのシーンをそのまま明日流しましょうか、というふうに言ってくれたんです。これは大変勇気あることだと思います。

というのは、その番組で中国や北朝鮮その他について、何を言っても後からどんどんインターネットに、「あれは捏造だ」「嘘なんだ」「そんな情報なんかないんだ」「そんな情報など存在しない」ということをてんこ盛りで書き込まれるんですね。

それがわかっていることもあって、その場でディレクターが、じゃあ今からカメラを用意するんで、電話してくれますか、と言ってくれたんです。
これもルール破りの話をしますが、そのディレクターって、そこにいるオレンジのシャツを着た…
(会場拍手)
今日、大阪から駆けつけてきてくれたんですね。

それで、その人の証言を中心に今からお話しします。ですからイリハムさんから見たら、ちょっと事実が違うところがあるかもしれません。それはちょっとご容赦いただきたい。

ただし、一人の証言だけじゃなくて、複数のウイグル人にその前後聞いております。

さらに、日本国外務省の中に、特にノンキャリの中に、中央アジアを専門としていた人の中に、ウイグルやチベットに深く同情している外交官が実はいます。
それから、日本のいわゆる公安当局、ちょっとはっきり言えば、日本は最近警察庁に外事情報部というものをつくり、ずいぶんと昔のイメージと違って、中国や北朝鮮の情報を集めるようになりました。そういう中にも、自分の出世のためじゃなくて、少数民族のために仕事をしている人もいます。

私が亡命ウイグル人から聞いた証言を、そういう日本の政府関係者にもあてて、これはある程度客観性がある事実だろう、と確認できたところだけをテレビでも放送しましたし、みなさんにお話したいと思います。


前置きが長くなりましたが、こういう証言を総合すると、まず、今回の騒乱の発端はウイグルで起きたんじゃない。ご承知の方も多いと思います。

発端は6月26日の夜中で、それはウイグルどころか広東省の韶関(しょうかん)という町、あとで地図で見ていただきたいんですが、中国の沿岸部に近い都市ですね。
そこにオモチャ工場があって、オモチャ工場は当然輸出を中心とした、すなわち日本やアメリカにオモチャを作って輸出するのが中心の工場ですが、そこには8000人の労働者がいる。8000人ですから大規模な工場です。そこにウイグル人の労働者は600人いる。日本のメディアは、ウイグル人の労働者は出稼ぎに行っていると表現していますが、出稼ぎに行ってる者などいない、と。これはイリハムさんのお話にもさっきありましたが、そのオモチャ工場の600人も、中国によって強制的にこの韶関市のオモチャ工場に連れていかれた、と。
女性は少なくてそのうち1割、60人ぐらいである。

これは強制なのかということを僕は確認しました。これは大事なところですから。
そうしますと、イリハムさんの前で僭越なんですが、僕なりに確認したところでは、この強制手段というのは、たとえば手錠をかけて連れて行くような手段ではなくて、もっとしたたか、巧妙であって、若い人を特に指名すると。この中に今日若い人いらっしゃいますけどね。若い人を指名して、おまえとおまえとおまえは中国のあそこに行け、と。行かないんであれば、君の家族と親族に行政罰を加える。行政罰というのは刑事罰じゃない。監獄には入れないけれども、行政罰というのはつまり罰金のことですね。
これが平均的なウイグル自治区、この言い方は嫌なんですが、そのウイグル自治区の年収で言えば、年収の4,5倍になるような罰金をかける、と。したがって若い人としては、自分の家族のためにいかざるをえないということで、手錠はかかってないけれども、実質的には強制的に行かされる、と。

このオモチャ工場については、行かされた600人を3つに分けて、200人ずつ、3グループが交代で深夜勤務をしているのが実態であった、と。
6月26日の夜も、このうちの200人が深夜労働を終え、夜の11時半頃に工場の敷地内の寮に戻ろうとした。この工場の敷地内の寮というのも大変なポイントであって、すなわち自由に市内に住むことができるんじゃなくて、工場の敷地内の指定された寮といいますか、本当は収容所というべきかもしれませんが、そこに帰る。

するとそこに、200人のウイグル人に、総合計でいえば、推定3000人ぐらいの漢人が襲いかかってきた。僕はこれ何度も聞き直したんですね。3000人ってあまりに数が多くないかと思ったんですが、どの証言を突き合わせてみても、だいたい3000人前後いた、と。

それが手に手に、これもご承知の方多いと思いますが、斧とか中華包丁、中華料理に使うところの巨大な包丁、それから棍棒とか鉄パイプはもちろんのこと、そういう武器をもって、いきなり襲いかかってきた。その襲いかかってきた漢人も、いわばまさしく煽動されて襲いかかってきたのであって、ウイグル人の男性従業員が同じオモチャ工場で働いている漢人の女性を強姦した、という話がその前にインターネットの動画で流され、それが携帯にも出てきたということで、それに刺激を受けた漢人が集まってきて3000人に達したということだ、と。

その暴行の中で、ちょっとこれは言うのを、もちろんテレビで言うことはできなかったんですが、証言によれば、 2人のウイグル人の女性は、強姦された後、ウイグル人の女性は髪の長い方が多いので、その髪を使って、切り落とされた首を、木に吊された例もあった、と。2人いた、と。

これは、日本の公安当局では未確認です。違うところで起きた事件じゃないかという話も一部あります。いずれにせよ、そういう話まで出ているような悲惨な状況だ、と。

その状況が携帯電話で、ウルムチをはじめ、いわゆる自治区のウイグル人にも伝わっていった。

この情報、もう一度言いますが、僕は信憑性が高いと思っているのは、たとえば、襲われた200人のうちほとんどが逃げることはできなかったけれども、足の速い人が10人前後だけその場から逃げることができた、と。逃げられたけれども、そのうちの一人、男性なんですが、額を割られて7針縫ったという人が脱出して、内陸部に逃げてきているんですが、その人と直接連絡をとったウイグル人の証言からしても、その通り、200人がおよそ3000人に襲われたということですね。その中に、強姦、さらには命を奪われたウイグル人の女性もいらっしゃった、ということです。

その情報が自治区に伝わったために、まず学生のデモが起きた。これはイリハムさんのお話にもあったとおり、五星紅旗、中国の国旗をあえて掲げていった、と。五星紅旗というのはみなさんご存知の通り、日本でも去年チベットでの3月の民衆蜂起の後に、聖火リレーが日本の長野にやってきた。長野を埋め尽くしましたね、この五星紅旗。
この五星紅旗、真ん中に大きな星があって、まわり4つの小さな星がそれに従うという構図になっています。これは中国共産党の指導だという話になっています。実際には漢人の下に少数民族を従えるという意味もある、というのが世界の常識ですね。

でもあえてその五星紅旗を学生デモは掲げたにもかかわらず、つまりこれは撃つなという意味だったと思われます。イリハムさんがおっしゃった通り。

その学生デモが五星紅旗を掲げていることもあって、普通のウイグル人が参加しやすくなったので、まわりの商店その他から多くの人が参加していって、かなり大きなデモになった。それがウルムチの中心部の人民広場に近づいていった、と。人民広場に入ろうとした。人民広場の中には、いわゆる自治区政府の機関があります。そこで中国の警察の動きが変わった、と。

この中国の警察部隊というのは、この亡命ウイグル人たちの集めた証言によれば、3つの種類があって、人民武警、特警、特警というのは人民武警の中の対テロ特殊部隊ですね。だから非常に火力が大きい。それにさらに人民解放軍のテロ対策部隊まで一部いた、と。この3つの種類の警察部隊が、いきなり水平射撃をした、と。

一応僕は安全保障が専門ですが、普通、威嚇射撃は必ず空に向けて行いますが、これが行われずにいきなり水平射撃を浴びせたので、まったく非武装の学生や市民の中に、想像を絶する犠牲者が出た、と。

何人かははっきりわからない。どうしてかというと、あっという間に、その中国の警察のトラックが、生きている人も亡くなっている人もトラックに詰め込んで、運び去ってしまって、いまだにどこにいったのかわかりません。

少なくとも病院に収容された形跡は全然ない。
だから、死傷者がいったいいくらなのかわからないけれども、それであっという間に鎮圧されてしまった。

ところが、鎮圧されてしまったはずのウイグル人が、なぜかその後元気に町の中を走り回って、バスを襲ったり、車をひっくり返したり、火はつけるし、が展開されて、 それが日本を含めた西側のテレビでたくさん報道され、ウイグル人の側もこのように暴行を働いているじゃないか、という報道がされた。

ところが、亡命ウイグル人たちの証言を、もう一回言いますが、世界ウイグル会議に参加していない人たちの証言によれば、そんなことはできる状態ではない。

それは、中国はいつもこういうときに、チベットであれウイグルであれ、実は内モンゴルでも同じことであって、必ず、ウイグル人やチベット人やモンゴル人に見えるような、あるいは場合によっては、そういう民族の人に非常に特権を与えて、普段から養っていて、そういうときに、車をひっくり返して火を付けて、それを新華社のムービーだけじゃなくて、西側のテレビその他にも映させるということを常識的に訓練としてやっている。それが実行された。それがそのまま無批判に日本の報道で流れている、と、これが、今ウイグルで何が起きているか、じゃなくて、6月末から7月の始めにかけて起きた真実であろう、と僕は思っています。

今現在何が起きているかというのは、本当に伝わらない状況になっているのが現実のところであります。

僕の持ち時間はもうなくなっている。とっくになくなっているということなんで、あと1、2分で話をまとめますが、もう一つ大事な、私たちの見た現実というのは、このウイグルの事件のあと、中国の胡錦涛国家主席が、みなさんご承知の通り、ラクイラサミットから突然中国に帰ったということですね。

これについてはいろんな解釈があります。たとえば、ここにいらっしゃる石平さんが、産経新聞に出されておられた、中国共産党の内部で実際に意見対立があるんじゃないか、という見方も存在しています。そういう見方と同時に、僕は今日はみなさんにお話したいのは、僕なりに中国人民解放軍の将軍、中国共産党の幹部、あるいは共産党のブレーン機関である社会科学院の人たちと議論して、議論というのは北京や上海で議論して、僕の印象にいろいろ残っているのは、「中国は1989年のベルリンの壁崩壊以降の、世界の状況を徹底的に勉強してきたんです」ということを何人もの方からそう言われてきました。

89年には天安門事件もありましたが、天安門事件そのものよりもむしろ、東ヨーロッパで何が起きたか、ということを彼らは徹底的に学習している。
東ヨーロッパで起きたことは、簡単に言えばですよ、社会主義というものがこのペットボトルの外枠だとします。水の中に少数民族を無理矢理閉じこめていた。それが冷戦に社会主義が負けて、ペットボトルがなくなったために、この中の少数民族がどっと外にあふれ出した、というのが、東ヨーロッパ だったわけですね。

旧ユーゴスラビアで無惨な戦争がありまして、僕はその戦争の最中に旧ユーゴに行ったときに、サラエボにサッカー場がありました。有名なサッカー場です。そのサッカー場のグラウンドの上に、見渡す限り遺体が置かれていて、遺体の上に、これは戦地にいきますとね、グラウンドやサッカー場が墓場になるということはよくあることなんです。人がいっぱい死ぬと墓が足りない。

ところが、僕はそのサラエボで、いままで自分が見たものとのは違うもの、びっくりしたのは、その遺体の上に、薄くしか土がかけられてなくて、だから割れた頭とか、骨がむき出しになっている足や手がよく見えるわけです。

そんな状況は見たことはない。見たことがないから、その後、サラエボの当時の政府の人に、「これはどういうことですか」と聞きましたら、今まで社会主義の力で、少数民族の対立、隣同士で宗教が違う、民族も違うのを無理矢理抑え込んでいたのが、一気にたがが外れたから、隣同士で殺し合うようになった。これが今のサラエボの現実で、お葬式をやろうとすると、そのお葬式のところに必ずロケット弾を打ち込んでくるから、遺体をおいたら土をかけてすぐ逃げなきゃいけないんだ、と。これが現実だと言われて、僕はそのときに、ああアジアでこんなことが起きなくてよかった、と正直思ったんです。ところが、それは僕がまったく浅はかであったわけです。

ヨーロッパの現実というのは、本当に無惨でありました。僕が目にしたものは、あえていうと、その後みたイラク戦争の地獄よりもひどかったです。ひどかったけれど、ヨーロッパ人は、あえて申せば、そうやって自ら血を流して、新しい秩序をつくって、少数民族はそれぞれ独立していって、自分の国を確保して、だから、EUもできあがったし、統一通貨のユーロもできて、やっと新しい道を歩こうとしているわけです。

アジアは20年間それをさぼってきたんです。私たち日本国民も何もせずにきた。ずっと中国のあるいは北朝鮮の内部に、いろんな矛盾を押し込んできたまま、これは隣の国のことだから、と言ってほったらかしにしてきた。

ヨーロッパとちがってアジアでは血が流れなくてよかった、と思ってきたんですが、実は中国自身がずーっとそれをいつかはアジアで起きると警戒してきた。だからこそ、チベット動乱にもするどく反応したし、今回のウイグルの件でも胡錦涛主席がすぐに帰ったというのは、これは20年経ってアジアでいよいよ少数民族の自立、独立が始まるんじゃないか、いままで20年間何も起きなかった分、ある意味東ヨーロッパよりも激しいおき方をするんじゃないかということを警戒して。
だから、自ら陣頭指揮をとるために、北京にあえて帰ったんだと思っています、私は。

というのは、胡錦涛国家主席は、サミットが始まる3日前の7月5日に、もうラクイラに入っていました。そのときに300人の中国の実業家たちを連れて行って、さあ世界の経済は中国だけが頼みなんだ、と。中国のおかげでこれから金融危機を克服するんだ、と。だから今回のサミットは、絶対に途中で帰っちゃいけないサミットだったんです。しかも7月8日は、インドを従えて、新興国全部を中国が束ねるというセレモニーをやる日だったのに、突然帰ったわけですから、どんなに中国にとって今回の事件が大きかったか。

そして、ウイグル人は中国国内でいうと900万人を割っているわけですから。漢人の実数は本当は12億人を超えているわけですから。本当は軍事的にいうと、八百数十万と12億では太刀打ちできるわけがない。
それがしかし、胡錦涛国家主席が帰らなきゃいけないというのは、今回のウイグルの件がどれほど大きいかということなんです。

ここに国旗が出ているように、ウイグルにおいては、東トルキスタン共和国は実は2回建国されているわけです。建国の事実があるということを踏まえると、これは人民解放軍をどのように全国に展開するかということが、どれほど吃緊の課題だったかということを物語っている。

ということは、いったん静まっているように見えますが、胡錦涛国家主席が体で示した通り、中国は、中華人民共和国という少数民族を無理に閉じこめているこの国というのは、建国以来の危機に直面している、というのが現実のところだと思うんです。

だから日本も含めて、日本国民と日本政府が、いわばこれをソフトランディングさせて、犠牲者をなるべく少なくしながら、世界のいままでの20年間の歩みと同じように、その20年間の歩みに学ぶなら、なるべく犠牲者を少なくするソフトランディングによって、少数民族の自立を図るということを僕たちは現実にこれからやる、その時代が始まったんだ、と思います。


つづく


 

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プロフィール
ゼンジー東京
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男性

千葉県在住
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