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日本はチベットから多くのことを学ぶことができる。優れた精神文化や深い歴史からだけではなく、中国に支配された経緯と命がけの抵抗運動から、我々が多くのことを学ぶべきだ。チベットが自由になるということは、日本が自由になるということだ。――このサイトの趣旨にご賛同いただける方は、サイト内の文章をご自由にご利用ください
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質疑応答

チベットとウイグル、内モンゴルが同じような境遇にありますが、協力して何かをやろうという動きはありますか?


ペマ・ギャルポ氏

チベット、ウイグル、モンゴルは、1960年代から共同の声という組織があり、ずっと会を重ねてきております。現在ももちろん、気持ちの上で、いちばんお互いに通じていると思います。
たとえば僕が病気になったら、本当の痛みは、僕の母親も代わって感じることはできません。
母親が私のかわりに死にたいという気持ちになるかもしれませんし、一生懸命私をお医者様にかけることはできるかもしれません。
それと同じように、中国のもとで現在何が起きているかということに対して、一番痛みを直接感じている人たちは、モンゴル人であり、中国人であり、そしてウイグル人であり、チベット人です。
そういう人たちが一緒になったり、共有するのは当たり前のことだと思います。

前にみんなの組織の代表として、ダライラマ法王に対して、共同のスポークスマンになってほしい、ということで、法王にそういうことを申し上げたことがございます。

ラビア・カーディルは、昨年も、チベット問題はウイグルの問題である、と言ってくれました。今回のことについても、チベットの人たちもウイグルの人たちに対して、いろんな形で、いろんなところで、発言をしています。

たとえば、東京でのこの前の集会で、今の代表から、正式にチベット亡命政府の立場で連帯を意思表示しました。ですから、今後も、これは運命的に、いっしょにやらざるをえないということと、もう一つは、あまり知られていないんですけれども、私たちは古いお互いの歴史的な関係があります。

そういうことについても、今改めてお互いに研究し、私たちの先輩たちがどのようなことを残したかということについても財産として共有していきたいと思います。


石平氏

ウイグル人、モンゴル人、チベット人、みんな連携して、立ち上がった方がいいですわね。だいたいヤクザがいちばん怖がっているのは……普通の人々が、一人一人孤立していると、ヤクザの言いなりになるんですけれど、ヤクザも商店街のおっさんたち、みんな立ち上がるとヤクザも怖がるんですよ。


永山氏

石平さんのおっしゃるとおりだと思います。ヤクザは言いがかりをつけますよね。理に合わないことを言いますが、これはおかしいぞ、とみんなが言えば、声が出なくなるというのがあると思います。
去年、チベット問題をめぐる国際世論が支那を大変狼狽させた。

三つの民族の連携というのは、僕は詳しくはわかりません。それぞれ行ったことないんですね。しかし、南モンゴルの人たちは完全に骨抜きにされてしまっているという状況があって、チベット、ウイグルにしたって、横の連結だって、恐怖政治支配下ですから、簡単にはいかない。

ただ、日本の側が、みんなで団結しましょう、というアピールを、国際世論ですね。それをやれば必ず大きな影響がないわけがない。あの人たちを励ますことにもなります。

現在は横の連絡がたとえできないとしても、将来、中共崩壊の方向へ向かうときは、そういったメッセージを送り続けていれば、力を発揮するんじゃないかなという気がします。


青山氏

正直、会場の方はいい質問されるなと思います。
チベット人ウイグル人モンゴル人の連携というのは、私たちに伝わっていない。永山さんが言われたとおり、非常に難しいと思うんですが、中国の実際の民族政策をみていると、連携を断つというのを極めて意識していて、とりあえず中国は、チベットウイグルモンゴルの連携というよりは、たとえばイスラム教徒の中の連携を断つために、ご承知の通り、中央アジア諸国に徹底的に介入していますし、上海にそういう組織ができているのもご存知の通り。
最近中ロで軍事演習を行って、ウイグル人の動きに対して、中央アジアから連携がないようにしているわけですね。

報道を見ていただくと、そういうのは全然報道されていないという話がよく出るんだけれど、本当は見ているとちゃんと手がかりがあるんです。

これはあえて申しますけれど、今日のようにいい質問が出るくらい、意識の高いみなさんだから余計、報道って常に何でもかんでも提供してくれるってことはありえなくて、断片が出てくるから、なんかあったときだけ報道するのが報道なんですよ、元々

中を整理して体系づけて報道できるはずがないんです。これは僕の記者経験から自戒を込めて言うんですけれども。目の前で起きていることを一つ一つばらけて報道する以外ないわけです。報道できるとしても。

結びつけるのはむしろ受け手の側なんで、中ロの軍事演習もやったばかりですけれども、そういうことを自分の頭で考えているというのは、僕たち日本国民にとってはすごく大事だと思っています。

実はさっき申した、バス襲撃とか車をひっくり返しているというやつも、僕が教えている近畿大学の学生諸君にこの間も言ったんですけれども、普通に自分の目を開けて見ていたら、おかしいということがわかるだろう。
ちりじりばらばらにデモ隊がやられて、その後どうやって集まってきてあれをひっくり返すんだと。
だから、作られた映像は結構見抜けるものはあるんですよね。

今日の方々のような意識の高い人こそ、みんなに呼び掛けて、つなぎ合わせてこうじゃないかと仮説を含めて立ててみる、ということをぜひ やっていただきたいな、と今の質問をお聞きしてそう思いました。

 

ペマ・ギャルポ氏

今の質問は、みなさんが、ウイグルチベットモンゴルの協力関係について期待しているということはよくわかります。
たとえば、今、東京にウイグル人が800名くらい、チベット人が100名くらいおります。モンゴル人はたぶん5000人ぐらいいます。

じゃあ、今日ここにいない人たちは何にもやっていないか、というとそうではないです。
みんなそれぞれ、祖国のために、ある人は言葉を守り、ある人は一人でも多くの仲間をつくり、ですからいろんなやり方があって、しかも時代によって何かをやっていることを表に出して、ためになることとならないこともある、ということもよく理解してもらいたいと思います。

たとえば、私たちが同じ真実のために戦っても、そのときの状況によって戦い方が有効であることと、ないことがあります。
ですから、現段階においては、たとえば、表だって、何かをやってないから、ということであまり心配していただかなくても、私は大丈夫だと思うし、今日この会場にも私よりずっと先輩で、かつては台湾の独立をやって、日本政府からあまりいい顔をされなかった方がいます。

そのときに、私たちは、当時は毛沢東と蒋介石、私たちにとっては同じ敵でありました。しかし、片方が、冷戦構造の中においては、反共というところで…その反共って言ったときに、私を理解してくださったのは日本の反共だったんです。最初は。
なぜなら、日本では中国のことを中共というときだったんです。

しかし台湾独立の人たちに対しては、反共であるはずの中華民国も同じ抑圧をやっている、中国共産党と何も変わらない状況にあって…
 
会場にも当時先輩として、焼鳥屋でおごってくださって、台湾の独立のことを一生懸命やっている方がおられます。宗像先生というんですけれども。

(会場拍手)

たとえば、イリハムさんは表に立ってやっているけれども、それ以外のウイグルの人たちは、ウイグルの独立を望んでないかというと決してそうではないと思います。


彼を支え彼を励まし、いろんな意味で彼に助言しているウイグルの人たちが、私が知っている範囲でもたくさんおりますので、ウイグル、チベット、モンゴルのことは、現在の相対性の関係の中においては、やりたくなくても一緒にやらざるをえない状況にあるということで、理解してもらえればと思います。

そしてもう一つ大事なことは、私たちは今の状況、今の時代において相対的に誰が敵であるか、誰が味方であるかということと、もう一つは普遍的なことは何であるか、より絶対的な真理とは何であるかということを、これも同時に大事ではないかなと思います。

そういう意味で先ほどから日本の方々がおっしゃっていることの、ベルリンの壁が破られた後の出来事などについて考えてみますと、かつてはソ連の壁が破られるまでは、フリーヨーロッパラジオというのがありました。現在はフリーアジアラジオに変わっているんですね。
これは何よりも一つの時代の進化を表していると思います。

ヨーロッパにおいては先ほど青山先生がおっしゃったように、あらゆる民族が民族自決権に基づいて独立でき、そしてもし人間にとって人権、民族自決権ということが普遍的なものであるとすれば、やがてアメリカでさえも、同じように適用しなければならない。

現在、サミュエル・ハンチントンの「文明の衝突」以来、ややもすれば、イスラムという特定の宗教を敵視するような世界世論を作っていますけれも、これだって一時的な相対的な現在の都合上のことであって、真理、真実が同じであれば、かならずいずれは、彼らに対する偏見はなくなるはずだと思います。

私は今日ここにいらっしゃってる方々は、何々人であるとか、今現在の問題だけでなくて、より普遍的な正義とは何か、そして現在、少なくてもチベット、ウイグル、あるいはモンゴル、あるいは中国人の中でも虐げられてる人たちに対して正義があり、そしてみなさんはその正義を支持しているというふうに私は解釈したいと思うし、おそらくウイグルも同じじゃないかなと思います。

ですから、最後に正義は必ず勝つということを信じてくださって、これからも末永く支援してもらいたい、と。特に会場を見ていると、ウイグルを支援する若い人たちがたくさんいるということは、とっても心強いと思うし、こういう人たちがいるっていうことは、やがて、宗像先生が今どういう心境にいるか知りませんけれども、これは正直言って、半世紀というのはあっという間に過ぎる時間ですので、自分たちがまいた種に実が出ることを楽しみにしてもらいたいと思います。

 

日本政府の対中外交はこれから変化が訪れると思いますか?
チベットウイグル問題など中国国内の少数民族問題に対してどのような対応をとると思いますか?


青山

一言で言うと、絶望的です。

さっき僕は、外務省の中にもノンキャリのやつで志をもっているやつがいるって言いましたよね。逆に言うと、キャリアで課長以上になるやつ、それから例えば中国の大使や全権公使になれる人でほとんど見あたらない。

あまり一般論で話すより具体論で言ったほうがいいと思うんですけれども、僕はかつて、一番最初に中国へ行ったのは28年も前なんですね。すごい若手記者のときにいきました。それから、十数年経て、三菱総研のシンクタンクの研究員になって中国に行って、当時の北京の日本大使館の筆頭公使と一緒に中国のアメリカ研究の専門家に会ったとき、その中国人の学者は中国共産党のブレーンの一人ですけれども、アメリカの核兵器の話を持ち出して、日本は核の傘ときれいなことを言っているが、要はアメリカの核を使って中国を脅しているんだ、というようなことを言ったんです。
そうすると、日本大使館の特命全権公使の彼が突然、ものすごく怒って、「おまえの言っていることはデタラメだ、日本はアメリカの核を使って中国を脅しているなんてことは真っ赤な嘘で、おまえのところのミサイルの東風21号というのは、日本に照準を合わせているじゃないか、おまえなんかと絶対生涯口をきかないからな」と言ってものすごく怒って、僕は唖然として彼の顔をみて、その後夜中喫茶店で彼と二人で飲んだときに、「東京大学出身のキャリアで中国の公使で、こんなことを言う人がいるとは思わなかった」と言ったら、「いや本当はみんな結構中国には頭にきているんですよ、言っていることはほとんど嘘ばっかりだもの」と彼は言ってですね。その彼はその後どうなったかというと、チャイナスクールから追放されて、今ヨーロッパのちっちゃい国の大使になっています。

しかし、さっき絶望的と言ったのは、だから絶望「的」なんであってね。特に民主党政権、民主党中心の政権になると、一段と状況が悪くなると思いますけれども、でもよーく組織の中に入っていくと、そうやってパラパラと本当の志をもっているやつがいて、さっきウイグル人、チベット人、モンゴル人の連携の話も出たけれども、日本国民の中でそういう人と連携するというのは僕は大事だと思っているわけですよ。

だから十把一絡げで、官僚は全部ダメだとか、日本の対中外交は全部ダメだって言ったら、それは評論家の人はそれでいいかもしれないけれど、そうじゃなくて僕たち実際に世の中を変えたい人間は、連帯しなきゃダメなんですよ。

連帯する人に丸ごと要求するんじゃなくて、できることをお願いすると。
だから僕はさっき言った当時の公使と、生涯付き合ってますけれどね。彼はまもなく大使を終わって、一般人に戻る。その時に、彼がいままでため込んだ、本当の中国の話、内緒の話を本にして出せということを今一生懸命お願いしているわけで、当然彼はそうすると天下り先が限られちゃうから、悩むわけですけれども。しかし僕が言ったのは、あなたも僕なんかも同じで、やがて死ぬのを待つだけなんだから、十分青春時代楽しかったでしょ、青春の北京も青春の上海もあったんだから、それだけやれ、後のことはしなくていいから。

そういう連携は個人的にはとっても大事だと思っているから、日本の対中外交はこれこれ、という評論家まがいの決めつけをやめましょう。実際に僕たちが考えているのは、実際に東トルキスタン共和国を作りたいんでしょう? 本気で。 傍観人じゃなくて。
であったら、それぞれの人のできる範囲のことをみんなできるようにしましょう。


西村氏

付け足しになりますけれども、対中外交の見通しはどうかという質問でいいわけですよね。青山さんと同じ答えになっちゃいますが、絶望的としかやはり言いようがないですね。

誰が言ってもそういう答えしか出てこないと思います。

ただ、その絶望的なものを絶望的でなくすために、今、今日、この時間に、このシンポジウムがあるんじゃないですか。たぶんそうだと思いますよ。

それはここにきていらっしゃる方々みなさんそう思ってらっしゃると思いますし、たまたま日本がウイグル、チベット、モンゴル、台湾、アジアの諸民族の方々がいられる場所であって、そこで自由に交流ができて、自由に意見がかわせられる場所であるという、この幸せな空間があるということを私たちはかみしめて、そこで、日本人は協力していくしかないんであって、それが政府の対中外交をもやがては変えていく力になるのではないかな、とそのように考えています。


青山氏

一つだけ付け加えると、日本の対中外交を変えるというのは、本当は一つ大きな武器を日本はもっているんですよ。
ここにいる人なら全員わかると思います。それは簡単なことで、我が国の宰相、内閣総理大臣が靖国を参拝する、それだけのことですよ。

(会場拍手)


だから、靖国に参拝するというのは、私たちのために亡くなった方を弔い、尊ぶことのできない宰相はいらない、と国民は言えばいいのに、右も左もへったくれもなくてですよ。いろんな考えを乗り越えて、その一点だけ、日本国民がまとまれば、対中外交は根本から変わるわけですよ。
決して僕は難しくはないと思っているんですよ。

絶望的と言ったけれど、突破口はちゃんと開かれているわけで、靖国神社を国家護持にして、右左関係なく。国家護持を嫌だという人は、ワシントンDCのアーリントン墓地に行ってくれ、といつも思うんですよ。
国家護持してるじゃないですか。大統領は聖書に手を置いて宣誓してるじゃないですか。

日本はパソコンとかそういうものにまで神が宿っている国なんです。
すべての、イスラム教のアラーとももちろん共存できるんですから。
その当たり前の僕たちの文化を、内閣総理大臣に具現させるだけのことですから、もう役人のせいとか誰のせいとかするのはやめましょう、ということを最後に、って僕が仕切っているわけじゃないから(笑)


ペマ氏

最後の最後にすいません。二つ。
一つは、少なくとも日本の場合には、みなさんの一票によって世の中の政策を変えられるということはまだ強みがあると思うんですよ。
1978年に外務省がいったんダライラマ法王に対してビザを取り消しました。
しかし、当時私は、いろんな右翼の団体にお願いして、それから日本の仏教界の一部が動いてくれて、ひっくり返しました。

いったん外務省が決定したことでも、ひっくり返るというのは、まだ世論というのはやっぱり無視できない社会の仕組みが日本にあるということで。

日本の外交が今後どうなるかということは、今現在は残念ながら、日本はある意味ではもうすでに、私たちと同じようにコントロールされているんですよ。

日本の国内においても自由に、中国の真実を書けない。それは一つはお金の問題です。経済の問題です。今日はそういう時間がなかったけれど、チベットウイグルに対しても別の見方が、また今度勉強会が必要だと思うんです。

それからもう一つは普遍的なことと言ったのは、この日本において、この40年間で僕が一番効果的だったのは何かというとですね、色川大吉先生が、日本国内においては百八十度違う立場だったんですけれども、中国へ行って、「雲表の国」という本を書いたんです。これはぜひみなさんに読んでもらいたいです。

「雲表の国」の中で初めて、社会主義体制の中に、植民地が存在するということを驚いた、と先生は懺悔のように書いております。

それはたぶん先生自身、社会主義共産主義をずっと信じてきたにもかかわらず、絶対的真理に対する脱帽を勇気をもって発言したことで、その後少なくとも日本のマスコミの書き方、特に、一般紙の書き方が変わり、 私は絶対的真理が強いとそのとき思いました。

今日その人の弟子も、会場に来ておりますので、この場を借りて、お礼を言わないと、私の恩師があんなことをやったのに、あのときだけは感謝して今は忘れているなんて、と思われたらいけないので、それも付け加えたいと思います。

要するに私たちは相対的には絶対変わりますよ。状況は。
それよりも、絶対的な真実を信じて、そして、正しいことはすべて正しいはずだ、ということでやることが大事だと僕は思います。


イリハム氏
閉会の挨拶

みなさん長い時間お付き合い下さり、ありがとうございます。
我々これから日本人に望むことは、ペマ先生がおっしゃったように、貴重な一票でいい人を国会に送って、日本を本当に変えてくれる方々を選んで欲しい。そうしないと、議員になるために議員になっている方がいっぱい入ってしまうと、いつも国のことを忘れて、自分の政党のことばかり考えて、いつもケンカばかりする国会になってしまうと思います。

ですから、国会が変わってくれれば、政府が変わってくれて、我々の運命に関心をもつ政府がでてくれれば、私たちの今のこの状態は必ず早めに変わってくれると思っています。

今回のウイグルの件で、今日、先生方のお話をきいて、よい勉強になりまして、私個人も非常にうれしいです。

これからも、共産政府が何かやったら、やった時は怖くないです。その事件が起こった後が怖いのです。
無駄な犠牲者がたくさんでるのは、共産主義社会の現実なんです。

ですから、たくさんの人々に、たくさんの国々、たくさんの政治家にこの件に関心をもって、無駄な犠牲が出ないように、我々を助けてほしいです。

今日、みなさん、本当にありがとうございます。


 

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西村幸祐氏

西村幸祐氏


 
西村幸祐です。
青山さんの話を受けるような形で話を進めますと、そういう状況の中で日本人はどうしなければいけないか、ということが今問われているわけです。
7月13日に6民族6人による緊急記者会見を行って、緊急声明を発表したんですね。最初7月6日に、石平さんから電話があって、これはなんとかしなくちゃ、と。

それで、水平撃ちがあったと朝日に書いてあったよ、と僕が言ったら、彼はびっくりして、生まれて初めて朝日新聞を買いに行ったそうなんです。確かに朝日に書いてあるんです。

北朝鮮を巡っての報道で、中国共産党と朝日の間で若干向こうの外交部と朝日の間で対立があったりしたから、共産党の幹部の機嫌を損ねるような本当のことをちょっと朝日も書いたんだと思いました。

びっくりしたのは、それがウルムチ発の記事で、北京総局を通って、なおかつ築地の編集局を通って、それで活字になって、しかも一面になったんですね。水平射撃があったという記事が7月12日に。

13日の記者会見のときに、また驚いたことに朝日の記者がきたんですね。産経の記者はこないのに。それでちょっと話をしたら、「いやー、朝日って色眼鏡で見られるんですよ」なんて笑ってましたけれども。

そのへんのことは、私のブログに書いておきましたので、見ていただければいいんですが、そこにそのときのメッセージを書きました。
7月13日に発表した緊急アピールなんですが、なぜこれを行ったかといいますと、アジアの6民族の6人による記者会見であるということが大事だと思ったからなんですね。

実はこれ、大東亜戦争に敗れる前に、日本人がやっていたことで、満州国がそもそもそうなんですね。五族協和という理念で行われて、五族というのはアジアの5民族であったわけです。そこには満州族やモンゴル族や漢民族、チベット人、ウイグル人なども入っていたわけです。

そういう歴史的経緯があって、それでじゃあ果たして私たち日本人が何ができるのか。今青山さんがおっしゃったソフトランディングに向けて何ができるのか、ということを考えると、非常に心許ない状況にあると言わざるを得ません。

今会場に意識の高い方がいっぱいいらっしゃってて、すぎやまこういち先生もいらっしゃってますが、ちょっと一人ご紹介します。 昨年の長野の聖火リレーのときにも行かれてました、評論家の関岡英之さんもいらっしゃってます。

(会場拍手)

次の衆議院議員選挙では、平沼グループを支援、そこから立候補する城内実さんの熱烈な支持者としても知られております。

関岡さんが去年、長野で見た光景、それはここにいらっしゃる方もみなさんもご存じだと思います。

イリハムさんが冒頭で、ウルムチで何か起きたら5分で警官が飛んでくる。ところが、広東省のオモチャ工場でウイグル人に対しての撲殺、虐殺が始まったとき、5時間も警察が来なかったということをおっしゃいました。それとほぼ似た、似たというと語弊があるかもしれませんが、状況はすでに1年前に、長野で、日本で現出していたという、この現実を私たちは忘れてはいけないと思います。

あのとき、日本人が暴行され、そして警察官に何を訴えようとも、警官はただヘラヘラ笑って、聞いていただけ。そして、あとで何件か刑事事件として告発した日本人がいました、長野を覆い尽くした五星紅旗のもとでの支那人留学生による暴行事件です。しかしその後、何か解決したんでしょうか。

まったくこの国の警察権力はそういうことをやっていない。
それは確かに福田政権だったということもあるかもしれません。

もっと違う政権だったら、警察もああいう対応をしなかったかもしれませんが、少なくとも日本の国家権力が、日本人が暴行にあっているのに、まったく対応しなかった。そして支那人の法律違反を許容していた姿というのは、実は去年起きていたんですよ。

ですから、今のウイグル、チベットの状況は、明日の台湾、明後日の日本ではなくて、すでに現在の日本の中に、パラレルワールドとして存在しているという認識を私たちはもたなければならないと思います。

そういう危機感がなければ、とてもこの状況は打開できないということを、ここで確認したいと思います。

そこで、そのために何が必要かということですが、こうやって粘り強く、一つ一つ、たとえば、ウイグルの問題で広い情報を持った方々がここで何人か集まって、そしてそれぞれの考えを述べる。そして意識の高い方々が集まって、ここでその情報を共有しているわけです。

さきほども申し上げましたけれど、どんどんどんどん発信していくということです。

この7月26日の午後9時を迎えようとしているこの場所は、今から45年前、1964年、昭和39年の東京オリンピックのための、選手村として作られた施設なわけです。あの五輪は日本の敗戦後わずか19年後にできたものだということを今考えると、私は唖然とします。

私が大人になってから、19年間何をやったのか。1980年代から何をやってきたのかということを考えると唖然とする。

戦前戦中派の日本人は、大東亜戦争を戦った後、あれだけの敗北をした後、19年後に東京五輪を成し遂げているんですよ。

今から19年前何があったか。ちょうど平成の御代が始まった直後ですが、どんどんどんどん日本はひどい状況になっていった。何も私はできていない。これは私自身、自戒を込めて言っています。
せめて、戦前の日本人の気概と誇りを取り戻せれば。

今日本の情報空間をゆがめている、たとえば、従軍慰安婦の問題とか、それを各自治体が議決しようとしたり、そういう状況が起きている。また秋に誕生するかもしれないといわれてる民主党政権では、またそういったものを蒸し返していくような法案がどんどんどんどん基本政策の中にはいってくる、というような状況の中で、さきほど私が申し上げた、1年前の長野の聖火リレーの出来事というのは、それをまさに裏付ける、そういった非常に危機的な状況に日本人が置かれているということなんです。

この自覚をもって、そして戦前の日本人がもっていた気概と、それとアジアを愛する気持ち、各民族を愛する気持ち、それを取り戻して、思い出して、立ち向かっていかなければ、ウイグルの解放もチベットの解放も、そして台湾の独立と安定も、守ることはできないし、アジアの安定を守ることは決してできない、ということを今ここで申し上げたいと思います。

最後に余談になりますが、これはまだ誰にも言ったことがなかったんですが、家紋ってありますよね。小学校のときから不思議だったんですが、お墓にいくと、桶に家紋があって、どういうわけか家のは、徳川家や毛利家などよくあるような家紋と違ってたんですね。
あるとき気がついたんですが、後ろの掲げてあります東トルキスタンの国旗、トルコの国旗もそうですね。この月と星が家の家紋なんです。

これは何かの因縁めいたものを感じざるをえない。これは前から誰かに言おうと思ってて、言ったことはなかった。イリハムさんにもペマさんにも言ったことがなかったんですね。

トルコや東トルキスタンの国旗は、月と太陽だと思います。この月と太陽の太陽が、東の方に飛んでいって、大きくなったのが日の丸なわけですね。

そう考えるとトルコと日本のつながり、民族的なつながりということもあります。チベット人と日本人の遺伝子のこともよく言われましたけれども、言語の問題、どうもやはり関係がある。

トルコと日本は有名な、エルトゥールル号という明治時代の軍艦が沈んだとき、和歌山県の住民が必死に助けたという話があって、それはトルコの教科書にも載っている。今でも載っているから、日本人のことをトルコ人はそういう意味で知っているわけですね。ところが日本の教科書は、全然そんなことは書いていない。という今の状況があるわけなんです。

今、ネットをやっている方はご存じだと思いますが、中国のある地方都市のレストランで、問題になっている出来事があるんですが、わかりますか。
そこに掲げてある看板ですね。「犬と日本人は入るべからず」
実はこれは2,3年前から、そのレストランは掲げてあったんですね。
それはなぜか今急に話題になっているのは、支那のネットで話題になったからです。一般的な既存メディアはかなり批判的にそれを書いていたらしいんですね。
日本人を差別する民族感情を煽る、非常によくない差別的な行いだと批判的な論調でそのレストランのことを報道したら、現在支那のインターネットの掲示板の中ではまったく逆で、7割ぐらいがそのレストランを支持している、という状況が起きているということです。

これは私たちは客観的にちゃんと受け止めなければいけないと思います。
昔、上海の租界に、「犬と支那人は入るべからず」という標語があって、それは白人の列強がそういう標語を立てたという事実もあって、それを何十年か経って、意趣返しして、現在あるレストランが「犬と日本人は入るべからず」という標語を立てているわけです。

青山さんがおっしゃったヨーロッパでの民族紛争、冷戦崩壊後に起きたものが、アジアではもっと危険であるとおっしゃったことはまさにその通りで、今、私が紹介したレストランの話、これが象徴しているわけです。

それと実は今日の渋谷で拉致事件に関して、一般の人たちが署名活動をやっていましたが、そこに家族会の人たちも行きました。

ただ、今ほとんど関心を呼ばなくなってしまっている。
ですから、ここに来た方々は、ウイグルを心配し、チベットを心配する方々が多いんですが、と同時に、日本人も心配してほしい。
それがなければ、ウイグルを心配することもできないんです。

なぜ今拉致のことを申し上げたかと申しますと、実は来年、日韓併合百年ということで、そのためのプレキャンペーンがもういやというほど行われているんですね。

今日の夜、今、NHK、ETV、第三チャンネルで、日本と朝鮮半島2000年の歴史というシリーズものの3回目か4回目がオンエアされています。

そういう中で、民族感情がいびつな形であふれている。それは日本に対しての朝鮮民族のまさに、怨念とでもいった、呪詛に近いようなものがあるという事実。それと、支那人の非常に差別的な他民族に対しての感情。それは、先ほどのお店の話とつながってくるわけです。

最後に一言、私は支那という言葉を使っていることをご説明します。

中には、よくわからない方が、昔の差別語を使うとは、単なるバカじゃないか、とか言う人もいるんですが、まったくそうじゃなくて、中国と言う言葉はまさに中華思想、華夷秩序を表す言葉であって、逆に、支那を中心とした周囲の他の民族に対する蔑視を肯定することになるから、私はなるべく中国という言葉は使わないんです。

歴史的にチャイナは支那であり、支那の一番のポータルサイトは.sina.comなんですね。

ですから、支那といって別に侮蔑的な言葉として使っているのではなく、歴史的な背景から使っています。場合によっては、中国共産党と表記するし、それはそのときどきに応じて使い分けているというわけです。


つづく


 

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その5   その6   その7   その8
 

 

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青山繁晴氏

青山繁晴氏



みなさん、改めまして、こんばんは。
実は、会場の中で紹介したい人がいらっしゃって、有名な作曲家であると同時に、こういう活動に身を粉にしておられる、すぎやまこういち先生と奥様です。

(会場拍手。すぎやまご夫妻の胸にはブルーリボン)

そういう意味からも、こっちにいるのが面はゆい気が僕はするんですが、さっきの永山さんの例にならいまして、日本国民の一人として、今回の騒乱だけではなくて、1949年の中華人民共和国建国以来のウイグルとチベットの犠牲になられた方々に、改めて哀悼の意を表したいと思います。

今夜の緊急シンポジウム、隣の盟友西村さんから連絡いただきました。今日このタイトルにありますように、ウイグルで今、何が起きているか、というのがメインテーマですね。

ウイグル人であるイリハムさんの前で、ウルムチ、カシュガルその他のウイグルで何が起きているか、を僕が説明するというのは大変僭越な気がするんですが、ただ、今夜もっと事実を知りたいという気持ちをもたれた方はおそらく多いと思います。

僕はかつて共同通信という報道機関に20年おりました。共同通信はもっとも中国に遠慮するメディアの一つですね。それだから辞めたわけじゃありませんよ。
しかし、かつての取材源はまだまだ中国国内にいますから、そういうことも踏まえて、僕なりに知り得たことを、僕なりの整理をさせていただきたいと思います。

まず、今回ウルムチで事件があり、さっき中山さんからもお話がありましたが、当初は日本のテレビでもかなり報道されましたね。

そのときにイリハムさんが、かなりたくさんのテレビにコメントその他でお出になって、しかも電話を生放送でつないで、だから編集できない状態で、イリハムさんから本当の話が出たケースも多々ありました。残念ながら最初だけでしたけどね。

その時に僕がまず思ったのは、僕の役割というのは、実はあえて一般的なところから取材するというのが大事だと思いました。というのは、事件の最初から中国は世界ウイグル会議の煽動なんだということを言ってましたね。
世界のどこかにいる亡命ウイグル人の中には、日本以外にももちろんたくさんいらっしゃるんですよ。ニューヨークにもいますし、パリにもいますし。そういう人々の中には、世界ウイグル会議に入らない人もいるんです。そういう方と連絡をとって、そういう方が今ウイグルの状況をどのように情報収集しているか。親族や奥様がウイグルに取り残されている方がたくさんいらっしゃいます。そういう方々に連絡を取り、情報を集めました。

この中には、僕が大阪で関西テレビというテレビ局の報道番組に出ていることをご存知の方がいらっしゃるかもしれません。生放送で、やり直しのきかない放送なんですが、その放送のためにも情報を集めました。毎週水曜日に放送するんですが、前日の火曜日の夜に打ち合わせ、打ち合わせっていうか怒鳴り合いの討論会、かつて硫黄島をやろうとして反対が強かったりいろいろあったんですが、そういう場でこの証言の話をしましたら、じゃあ、今この場で、その亡命ウイグル人の方にもう一度電話をして、そのシーンをそのまま明日流しましょうか、というふうに言ってくれたんです。これは大変勇気あることだと思います。

というのは、その番組で中国や北朝鮮その他について、何を言っても後からどんどんインターネットに、「あれは捏造だ」「嘘なんだ」「そんな情報なんかないんだ」「そんな情報など存在しない」ということをてんこ盛りで書き込まれるんですね。

それがわかっていることもあって、その場でディレクターが、じゃあ今からカメラを用意するんで、電話してくれますか、と言ってくれたんです。
これもルール破りの話をしますが、そのディレクターって、そこにいるオレンジのシャツを着た…
(会場拍手)
今日、大阪から駆けつけてきてくれたんですね。

それで、その人の証言を中心に今からお話しします。ですからイリハムさんから見たら、ちょっと事実が違うところがあるかもしれません。それはちょっとご容赦いただきたい。

ただし、一人の証言だけじゃなくて、複数のウイグル人にその前後聞いております。

さらに、日本国外務省の中に、特にノンキャリの中に、中央アジアを専門としていた人の中に、ウイグルやチベットに深く同情している外交官が実はいます。
それから、日本のいわゆる公安当局、ちょっとはっきり言えば、日本は最近警察庁に外事情報部というものをつくり、ずいぶんと昔のイメージと違って、中国や北朝鮮の情報を集めるようになりました。そういう中にも、自分の出世のためじゃなくて、少数民族のために仕事をしている人もいます。

私が亡命ウイグル人から聞いた証言を、そういう日本の政府関係者にもあてて、これはある程度客観性がある事実だろう、と確認できたところだけをテレビでも放送しましたし、みなさんにお話したいと思います。


前置きが長くなりましたが、こういう証言を総合すると、まず、今回の騒乱の発端はウイグルで起きたんじゃない。ご承知の方も多いと思います。

発端は6月26日の夜中で、それはウイグルどころか広東省の韶関(しょうかん)という町、あとで地図で見ていただきたいんですが、中国の沿岸部に近い都市ですね。
そこにオモチャ工場があって、オモチャ工場は当然輸出を中心とした、すなわち日本やアメリカにオモチャを作って輸出するのが中心の工場ですが、そこには8000人の労働者がいる。8000人ですから大規模な工場です。そこにウイグル人の労働者は600人いる。日本のメディアは、ウイグル人の労働者は出稼ぎに行っていると表現していますが、出稼ぎに行ってる者などいない、と。これはイリハムさんのお話にもさっきありましたが、そのオモチャ工場の600人も、中国によって強制的にこの韶関市のオモチャ工場に連れていかれた、と。
女性は少なくてそのうち1割、60人ぐらいである。

これは強制なのかということを僕は確認しました。これは大事なところですから。
そうしますと、イリハムさんの前で僭越なんですが、僕なりに確認したところでは、この強制手段というのは、たとえば手錠をかけて連れて行くような手段ではなくて、もっとしたたか、巧妙であって、若い人を特に指名すると。この中に今日若い人いらっしゃいますけどね。若い人を指名して、おまえとおまえとおまえは中国のあそこに行け、と。行かないんであれば、君の家族と親族に行政罰を加える。行政罰というのは刑事罰じゃない。監獄には入れないけれども、行政罰というのはつまり罰金のことですね。
これが平均的なウイグル自治区、この言い方は嫌なんですが、そのウイグル自治区の年収で言えば、年収の4,5倍になるような罰金をかける、と。したがって若い人としては、自分の家族のためにいかざるをえないということで、手錠はかかってないけれども、実質的には強制的に行かされる、と。

このオモチャ工場については、行かされた600人を3つに分けて、200人ずつ、3グループが交代で深夜勤務をしているのが実態であった、と。
6月26日の夜も、このうちの200人が深夜労働を終え、夜の11時半頃に工場の敷地内の寮に戻ろうとした。この工場の敷地内の寮というのも大変なポイントであって、すなわち自由に市内に住むことができるんじゃなくて、工場の敷地内の指定された寮といいますか、本当は収容所というべきかもしれませんが、そこに帰る。

するとそこに、200人のウイグル人に、総合計でいえば、推定3000人ぐらいの漢人が襲いかかってきた。僕はこれ何度も聞き直したんですね。3000人ってあまりに数が多くないかと思ったんですが、どの証言を突き合わせてみても、だいたい3000人前後いた、と。

それが手に手に、これもご承知の方多いと思いますが、斧とか中華包丁、中華料理に使うところの巨大な包丁、それから棍棒とか鉄パイプはもちろんのこと、そういう武器をもって、いきなり襲いかかってきた。その襲いかかってきた漢人も、いわばまさしく煽動されて襲いかかってきたのであって、ウイグル人の男性従業員が同じオモチャ工場で働いている漢人の女性を強姦した、という話がその前にインターネットの動画で流され、それが携帯にも出てきたということで、それに刺激を受けた漢人が集まってきて3000人に達したということだ、と。

その暴行の中で、ちょっとこれは言うのを、もちろんテレビで言うことはできなかったんですが、証言によれば、 2人のウイグル人の女性は、強姦された後、ウイグル人の女性は髪の長い方が多いので、その髪を使って、切り落とされた首を、木に吊された例もあった、と。2人いた、と。

これは、日本の公安当局では未確認です。違うところで起きた事件じゃないかという話も一部あります。いずれにせよ、そういう話まで出ているような悲惨な状況だ、と。

その状況が携帯電話で、ウルムチをはじめ、いわゆる自治区のウイグル人にも伝わっていった。

この情報、もう一度言いますが、僕は信憑性が高いと思っているのは、たとえば、襲われた200人のうちほとんどが逃げることはできなかったけれども、足の速い人が10人前後だけその場から逃げることができた、と。逃げられたけれども、そのうちの一人、男性なんですが、額を割られて7針縫ったという人が脱出して、内陸部に逃げてきているんですが、その人と直接連絡をとったウイグル人の証言からしても、その通り、200人がおよそ3000人に襲われたということですね。その中に、強姦、さらには命を奪われたウイグル人の女性もいらっしゃった、ということです。

その情報が自治区に伝わったために、まず学生のデモが起きた。これはイリハムさんのお話にもあったとおり、五星紅旗、中国の国旗をあえて掲げていった、と。五星紅旗というのはみなさんご存知の通り、日本でも去年チベットでの3月の民衆蜂起の後に、聖火リレーが日本の長野にやってきた。長野を埋め尽くしましたね、この五星紅旗。
この五星紅旗、真ん中に大きな星があって、まわり4つの小さな星がそれに従うという構図になっています。これは中国共産党の指導だという話になっています。実際には漢人の下に少数民族を従えるという意味もある、というのが世界の常識ですね。

でもあえてその五星紅旗を学生デモは掲げたにもかかわらず、つまりこれは撃つなという意味だったと思われます。イリハムさんがおっしゃった通り。

その学生デモが五星紅旗を掲げていることもあって、普通のウイグル人が参加しやすくなったので、まわりの商店その他から多くの人が参加していって、かなり大きなデモになった。それがウルムチの中心部の人民広場に近づいていった、と。人民広場に入ろうとした。人民広場の中には、いわゆる自治区政府の機関があります。そこで中国の警察の動きが変わった、と。

この中国の警察部隊というのは、この亡命ウイグル人たちの集めた証言によれば、3つの種類があって、人民武警、特警、特警というのは人民武警の中の対テロ特殊部隊ですね。だから非常に火力が大きい。それにさらに人民解放軍のテロ対策部隊まで一部いた、と。この3つの種類の警察部隊が、いきなり水平射撃をした、と。

一応僕は安全保障が専門ですが、普通、威嚇射撃は必ず空に向けて行いますが、これが行われずにいきなり水平射撃を浴びせたので、まったく非武装の学生や市民の中に、想像を絶する犠牲者が出た、と。

何人かははっきりわからない。どうしてかというと、あっという間に、その中国の警察のトラックが、生きている人も亡くなっている人もトラックに詰め込んで、運び去ってしまって、いまだにどこにいったのかわかりません。

少なくとも病院に収容された形跡は全然ない。
だから、死傷者がいったいいくらなのかわからないけれども、それであっという間に鎮圧されてしまった。

ところが、鎮圧されてしまったはずのウイグル人が、なぜかその後元気に町の中を走り回って、バスを襲ったり、車をひっくり返したり、火はつけるし、が展開されて、 それが日本を含めた西側のテレビでたくさん報道され、ウイグル人の側もこのように暴行を働いているじゃないか、という報道がされた。

ところが、亡命ウイグル人たちの証言を、もう一回言いますが、世界ウイグル会議に参加していない人たちの証言によれば、そんなことはできる状態ではない。

それは、中国はいつもこういうときに、チベットであれウイグルであれ、実は内モンゴルでも同じことであって、必ず、ウイグル人やチベット人やモンゴル人に見えるような、あるいは場合によっては、そういう民族の人に非常に特権を与えて、普段から養っていて、そういうときに、車をひっくり返して火を付けて、それを新華社のムービーだけじゃなくて、西側のテレビその他にも映させるということを常識的に訓練としてやっている。それが実行された。それがそのまま無批判に日本の報道で流れている、と、これが、今ウイグルで何が起きているか、じゃなくて、6月末から7月の始めにかけて起きた真実であろう、と僕は思っています。

今現在何が起きているかというのは、本当に伝わらない状況になっているのが現実のところであります。

僕の持ち時間はもうなくなっている。とっくになくなっているということなんで、あと1、2分で話をまとめますが、もう一つ大事な、私たちの見た現実というのは、このウイグルの事件のあと、中国の胡錦涛国家主席が、みなさんご承知の通り、ラクイラサミットから突然中国に帰ったということですね。

これについてはいろんな解釈があります。たとえば、ここにいらっしゃる石平さんが、産経新聞に出されておられた、中国共産党の内部で実際に意見対立があるんじゃないか、という見方も存在しています。そういう見方と同時に、僕は今日はみなさんにお話したいのは、僕なりに中国人民解放軍の将軍、中国共産党の幹部、あるいは共産党のブレーン機関である社会科学院の人たちと議論して、議論というのは北京や上海で議論して、僕の印象にいろいろ残っているのは、「中国は1989年のベルリンの壁崩壊以降の、世界の状況を徹底的に勉強してきたんです」ということを何人もの方からそう言われてきました。

89年には天安門事件もありましたが、天安門事件そのものよりもむしろ、東ヨーロッパで何が起きたか、ということを彼らは徹底的に学習している。
東ヨーロッパで起きたことは、簡単に言えばですよ、社会主義というものがこのペットボトルの外枠だとします。水の中に少数民族を無理矢理閉じこめていた。それが冷戦に社会主義が負けて、ペットボトルがなくなったために、この中の少数民族がどっと外にあふれ出した、というのが、東ヨーロッパ だったわけですね。

旧ユーゴスラビアで無惨な戦争がありまして、僕はその戦争の最中に旧ユーゴに行ったときに、サラエボにサッカー場がありました。有名なサッカー場です。そのサッカー場のグラウンドの上に、見渡す限り遺体が置かれていて、遺体の上に、これは戦地にいきますとね、グラウンドやサッカー場が墓場になるということはよくあることなんです。人がいっぱい死ぬと墓が足りない。

ところが、僕はそのサラエボで、いままで自分が見たものとのは違うもの、びっくりしたのは、その遺体の上に、薄くしか土がかけられてなくて、だから割れた頭とか、骨がむき出しになっている足や手がよく見えるわけです。

そんな状況は見たことはない。見たことがないから、その後、サラエボの当時の政府の人に、「これはどういうことですか」と聞きましたら、今まで社会主義の力で、少数民族の対立、隣同士で宗教が違う、民族も違うのを無理矢理抑え込んでいたのが、一気にたがが外れたから、隣同士で殺し合うようになった。これが今のサラエボの現実で、お葬式をやろうとすると、そのお葬式のところに必ずロケット弾を打ち込んでくるから、遺体をおいたら土をかけてすぐ逃げなきゃいけないんだ、と。これが現実だと言われて、僕はそのときに、ああアジアでこんなことが起きなくてよかった、と正直思ったんです。ところが、それは僕がまったく浅はかであったわけです。

ヨーロッパの現実というのは、本当に無惨でありました。僕が目にしたものは、あえていうと、その後みたイラク戦争の地獄よりもひどかったです。ひどかったけれど、ヨーロッパ人は、あえて申せば、そうやって自ら血を流して、新しい秩序をつくって、少数民族はそれぞれ独立していって、自分の国を確保して、だから、EUもできあがったし、統一通貨のユーロもできて、やっと新しい道を歩こうとしているわけです。

アジアは20年間それをさぼってきたんです。私たち日本国民も何もせずにきた。ずっと中国のあるいは北朝鮮の内部に、いろんな矛盾を押し込んできたまま、これは隣の国のことだから、と言ってほったらかしにしてきた。

ヨーロッパとちがってアジアでは血が流れなくてよかった、と思ってきたんですが、実は中国自身がずーっとそれをいつかはアジアで起きると警戒してきた。だからこそ、チベット動乱にもするどく反応したし、今回のウイグルの件でも胡錦涛主席がすぐに帰ったというのは、これは20年経ってアジアでいよいよ少数民族の自立、独立が始まるんじゃないか、いままで20年間何も起きなかった分、ある意味東ヨーロッパよりも激しいおき方をするんじゃないかということを警戒して。
だから、自ら陣頭指揮をとるために、北京にあえて帰ったんだと思っています、私は。

というのは、胡錦涛国家主席は、サミットが始まる3日前の7月5日に、もうラクイラに入っていました。そのときに300人の中国の実業家たちを連れて行って、さあ世界の経済は中国だけが頼みなんだ、と。中国のおかげでこれから金融危機を克服するんだ、と。だから今回のサミットは、絶対に途中で帰っちゃいけないサミットだったんです。しかも7月8日は、インドを従えて、新興国全部を中国が束ねるというセレモニーをやる日だったのに、突然帰ったわけですから、どんなに中国にとって今回の事件が大きかったか。

そして、ウイグル人は中国国内でいうと900万人を割っているわけですから。漢人の実数は本当は12億人を超えているわけですから。本当は軍事的にいうと、八百数十万と12億では太刀打ちできるわけがない。
それがしかし、胡錦涛国家主席が帰らなきゃいけないというのは、今回のウイグルの件がどれほど大きいかということなんです。

ここに国旗が出ているように、ウイグルにおいては、東トルキスタン共和国は実は2回建国されているわけです。建国の事実があるということを踏まえると、これは人民解放軍をどのように全国に展開するかということが、どれほど吃緊の課題だったかということを物語っている。

ということは、いったん静まっているように見えますが、胡錦涛国家主席が体で示した通り、中国は、中華人民共和国という少数民族を無理に閉じこめているこの国というのは、建国以来の危機に直面している、というのが現実のところだと思うんです。

だから日本も含めて、日本国民と日本政府が、いわばこれをソフトランディングさせて、犠牲者をなるべく少なくしながら、世界のいままでの20年間の歩みと同じように、その20年間の歩みに学ぶなら、なるべく犠牲者を少なくするソフトランディングによって、少数民族の自立を図るということを僕たちは現実にこれからやる、その時代が始まったんだ、と思います。


つづく


 

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永山英樹氏

永山英樹氏

 


改めてご挨拶申し上げます。永山です。
今回の事件で犠牲になられた、ウイグルの方々に哀悼の意を表したいと思います。
また、日本ウイグル教会の方々には敬意を表したいと思います。

メルマガ「台湾の声」の林建良編集長からメッセージが寄せられていますので、それをご披露したいと思います。


人権と平和を守ることを国是とする日本は、中国のウイグル人に対する弾圧を強く批判するべきである。
これほどの虐殺が行われているにもかかわらず、日本政府がなぜ沈黙しているのかが理解できない。

2002年8月、米国は東トルキスタン組織をテロ組織と認定し、中国のウイグル人弾圧を容認した。
米国はこの誤った方針を速やかに訂正し、ウイグル人に謝罪するべきだ。

日本政府もまた、米国を非難するべきである。
中国の他民族へのジェノサイドは全人類に対する犯罪であり、断じて許すわけにはいかない。

日本と台湾は、ウイグル、チベット、モンゴルの産民族と連携して、中国の暴挙を阻止しなければならない。

かんばりましょう。ありがとうございます。

林建良


林氏は台湾人として言いました、日本と台湾は三民族と連携しなければならない、ということです。

僕も日本人の立場から、訴えたいと考えております。

石平さんのお話とほとんど重なると思いますが、まずそれに先だって、今回の問題に関する国内の状況をちょっと触れさせていただきます。

政府もそうですが、マスコミですね。
我が国のメディアは昨年のチベットのときと比べ、確かに、事件勃発当初はこの問題を大きく取りあげましたが、しかしそれは長くは続かなかった。短期間で下火になっているというのが現状です。

これは、非常に残念に思っています。

というのは、ウイグル人が長年の弾圧に耐えかねて……身の危険も顧みず、声を上げて、その結果、多くが殺戮され、あるいは弾圧されている、こういった状況で、もしこれを、日本あるいは他の国のメディアが、きちんと報道し続けているのであれば……
実際今回の問題は、この暴動と言われるものだけではないんですね。
今回、この60年間、ウイグルの人たちはどういう目にあってきたか、中共がどういうことをやってきたか。ということが明らかになったとともに、これからどうなるのかということが見えてきたんです。

それにもかかわらず、こういうことを伝えていないということは、もしそれを伝えていれば、亡くなった方々の犠牲も、決して無駄にはならないわけなんですが、それをやらないというのは非常に残念に思います。

この日本のメディアが、なぜウイグルの問題を広く深く伝えようとしないのかというと、まず第一の原因は、中国に対する遠慮があると思います。

今回の中国当局の事件に対する対応が、去年のチベットのときと一番違うのは、まずただちに、情報公開をしたんですね。海外メディアに対して。

これは中共当局の公開する情報というのは、もちろんご都合主義のものでしかありませんが、要するに、海外メディアが中国批判をする切っ先を制する形ですね。まず自分たちが発表したと。

それとともに、海外メディアを通じて自分たちの主張を世界にばらまいた。そういった策略が成功したということではないかと思います。

我が国のメディアもこういった策略については十分承知だったんですね。一部メディアもちゃんとそういうことを自ら書いているにもかかわらず、結局はその策略にのってしまった、ということです。

日本のメディアは結局はだまされた、というよりも、これは重要なことですが、日本のメディアは、中国のそういった宣伝戦、情報戦、中共はそういった情報戦を建国以来ずっと続けてきているわけですけれど、これにだまされたふりをしているということなんです。
中国との関係をおもんぱかり、配慮し、だまされたふりをしているということです。

こう考えると、日本のメディアに限らず、他の自由主義国家のメディアにしても同様ですが、チベットのときは、去年は確かに北京五輪が絡んでいましたから、注目度がありました。

それにしても今回は、あまりにも報道を沈静化させるのが早すぎる。

こういった現状について、中国の御用メディア、これは香港のメディアですが、こういった論評をしています。


世界の圧倒的多数の国は、公正なる立場を堅持し、事件の原因を明らかに理解し、中国政府の立場と政策を支持した。


そういうことを言われてしまいました。

どこまでも海外のメディアは中国の宣伝に利用されているわけですね。

ということは、中国当局は今回の事件、7月5日に発生したわけですから、7・5事件と呼ぶんですね。これは正式にいうと、7・5破壊焼討重大暴力犯罪事件というんです。

これは何かというと、ウイグル人が犯罪を侵したんだよ、と。平和と秩序を一方的に乱したんだよ、と彼らのいうウイグル人のテロ組織の思想を受けて、一方的に平和な社会、民族の団結を破壊した、と言う宣伝そのものの呼称ですね。


こうした中国の宣伝を、日本のメディアが、世界のメディアが支持をしたと中共は言っているわけですが、実質的にその通りだと思います。

日本を含む自由主義国家のメディアは、中国の政治宣伝の前では無力であるということが今回露呈されたということで、これではとてもウイグル人を解放できない、と考えざるをえないわけです。
ウイグル人の敵は、中共だけではないんです。世界各国もまたそれに荷担しているという現状があるんですね。

そこで、政略的な話をいたしますと、今も中共政権を支える二つの柱があります。一つは、暴力ですね。

ご存じの通り、 暴力を使って、国内の敵を押さえつけるんですね。政権を安定化させて、さらにその政権を強化するために、領土拡張を暴力でやって、支配する。ウイグル、チベットの現状はまさにその暴力によってもたらされているわけですが、ところがあまり大変なことをしますと、海外の反対勢力から抗議を受けますので、この暴力を正当化しなければなりません。

そこで、もう一つの、政権を支える柱としてあるのが宣伝ですね。 暴力を正当化する宣伝です。

被害者を悪者にして宣伝して、自分たちの行為は正しいと。今回のウイグル人への誹謗中傷は、まさにそれそのものであるわけです。

ただこれを逆に考えれば、暴力、宣伝、これは彼らの生命線であるから、逆にみれば、アキレス腱にもなるわけです。

中国の暴力を肯定する宣伝は嘘だよと、国際世論がそう叫び声をあげれば、これは、中共政権のアキレス腱であるわけですね。

ウイグル問題、チベット問題はアキレス腱であるという所以はここにあるわけで、ここを攻めたらどうかという戦略が、我々は自然と構想されるわけです。

ただもう一つの問題は、中共の宣伝を守っているものがあるんです。
これは何かと言えば、自由主義国家における、政府、メディアあるいは多くの国民が、中国の宣伝の前に沈黙する、それを擁護する、そういった中国のための翼賛体制、大政翼賛会というのがありましたが、その翼賛というのが実は存在する。

これは中国のこれまでの工作によって、世界中にそういうものが作られているわけです。媚中勢力というのがそれです。

こういうものが実際に存在していて、中国の宣伝を守っているという状況があるわけです。

こうなるとウイグル解放のためには、ただ単に中共を批判するだけではなく、こういった勢力をも視野に入れなければならないわけです。

こういった中国翼賛の海外の勢力、たとえばその一部が日本のメディアですが、こういうったものは強そうで実は意外と弱いんですね。

というのは、今回のウイグル報道で、新華社電をそのまま転載するということをやりましたが、徐々に、事件の本質をついた、そういった、中国が見ればいやがるような、そういう報道が多々見られています。

これはなぜかといえば、一つの原因は、日本国民が去年のチベット問題を通じて、中共のいわゆる少数民族政策というものに、批判能力をもちつつあるからなんです。

我々が批判能力をもてば、大きな力になるといういこと。批判能力というのは重要なんです。
ただ、批判しているだけではダメなんですね、これからは。

我々が相手にしなければならないのは中国の膨張主義というものですから。それを食い止めるためには、批判だけではなくて、むしろこちらは攻撃の体勢に転じなければならない。

これは実際は可能なんですね。

中国の暴力に対抗するには、つまるところ暴力によって対抗しなければなりませんから。この辺は今後の軍事戦略に大きく委ねるしかないんですが。

中国の戦略はそもそも諸国民に対して訴えているものですから、我々はそれに対して応戦することができるんです。
これはどうすれば可能かというと、昨年のチベット問題で欧米、日本の人権活動家グループが声をあげました。

それによって、世界の政府、メディア、国民が、心を動かされたんですね。

そして、チベットに対して同情、関心を寄せたというのがあります。

こういったことが重要なんです。日本がまさにこれをやらなければならない。

なぜかというと、日本は、今のウイグル問題、チベット問題がどこから発生したかというと、これはあくまでも覇権主義なんですね。覇権主義がもたらしたもの。

中国の覇権主義は矛先を現在、台湾に向けています。
ですから、台湾問題というのが非常に深刻化していますが、いうまでもなく、台湾問題は日本問題であるわけですから。

ここで、日本と台湾は声をあげなければならない、ということです。

アキレス腱をついちゃいけないよ。友好が一番だという人は大勢います。

友好、いま戦略的パートナーという言葉に変わりつつありますが、友好をやっても意味ないんです。

なぜかというと中国の膨張主義に何の影響も及ばさない。逆に彼らを励ましてしまっているということは、現在の台湾の対中融和政策をみれば明らかなんです。

唯一の方策は、チベット、ウイグル、南モンゴルの人たちと提携するということです。自由と人権、自由と平和の弧をつくって、何をやるかといえば、いままで人権団体が叫んでいたことを、日本世論が、台湾世論がやるということです。

日本世論、これは世界に対して影響力が大きいです。それから、台湾の世論、あの国は国際的に孤立化していますが、今の状況をみると、今日のチベットは明日の台湾といいますが、台湾世論というのは非常に影響力をもちます。

ですから、日本と台湾が世界に向けて、欧米に対しても、中共のやっていることは大変なことなんだよと、欧米にいるみなさんはわからないかもしれなけれど、アジアは今大変な目にあっているんだ、と。ウイグル、チベットを応援しよう、と。
そういった声をあげることで、はじめて国際社会が中共の膨張主義に対する、抑制という方向に動くことになるわけです。

この間、ラビア・カーディルさんのドキュメンタリー映画がメルボルン映画祭に出展されるということで、中国が嫌がらせの圧力をやったんですね。ボイコットという。結局その嫌がらせの結果、墓穴を掘りましたね。

主催者は中国の政治干渉だと言ったものだから、これが世界中の賛同を受けて、このニュースは世界を駆けめぐり、主催者はかえって株を上げました。

ウイグルもこれによってさらに関心を集めました。

ですから、このように中国に気兼ねしないということが重要なんですが、中国も決してバカではなく、今回の圧力は決して失敗じゃないんです。

この圧力を受けることで、主催者はそれに屈しなかったが、それを見ていた周りの人たちが、もうウイグル問題に触れるのはやめようということを考えるわけですね。

そういうわけで、我々のやり方というのは非常に簡単ではないですが、しかし、やろうという意識があればいいと思います。

どうぞ戦略を構築して、これはゆっくり考えちゃいけないんです。直ちに、怒濤の勢いで開始して、そうしないとウイグル解放の前に、日本が危ないという状況になります。

とにかく、声をあげていこう、ということなんですね。

ただし、その際、たとえば僕は、一つ夢と希望をもってやっています。

それは、東トルキスタンが独立して、日本と本当の仲良しの国になって、往来できる、そういう日を夢見ております。

みなさん、がんばりましょう。
どうもありがとうございました。


つづく


 

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前半3人の講演に対する後半3人のコメント


永山英樹氏

(声を詰まらせながら)
イリハムさんのお話を聞きまして、東トルキスタンはここから遠いところですが……憤りを禁じ得ません。以上です。


青山繁晴氏

みなさんこんばんは。
今、永山さんが声を詰まらせ、「憤りを禁じ得ない」とおっしゃったんですけれども、実は僕もまったく同じ気持ちなんですけれども。

一つ思い起こすのは、ウイグルで民衆蜂起があったとき、ちょうどサミットをやっておりましたよね。
アメリカで初めて黒人で大統領になったオバマさんも、日本で保守派を掲げたはずの麻生さんも、みんな集まって、イタリアのラクイラサミットで、ウイグルの問題、チベットの問題について、ただの一言の言及もなかった、という世界の現実があるんです。

それはどうしてかというと、去年9月に金融危機というものが始まって、今や中国の購買力に依存して、世界が経済を立て直そうとしている、ということがあるからです。

今、イリハムさん、あるいはペマさんから、ウイグルとチベットの現状を聞いていますと、どれほど、中国が勝手に名付けたところの自治区の中で、ウイグル人やチベットの人々が孤独でいるか、世界の中で何の支援もなく……ね、永山さん。

永山さんの声を詰まらせる気持ちがわかるんですけれども、そういう人々が、この会場を見たら、何の得にもならない人が、日曜日の夜にこうやって集まってて、みんなでチベットとウイグルと、あるいはモンゴルや台湾のことを考えようとしている、というのは、本当はウイグル人やチベット人、台湾、モンゴルの方々に知ってほしいな、と。

何とか伝える手段はないものかと、僕は思いました。
だからたまたまみなさんと向き合ってて、こちらは壇上にいて、みなさんはそちら側にいらっしゃるんですが、実はまったくそういうことじゃなくて、僕たちの存在だけが、あえて申せば、チベット人やウイグル人の孤独を癒す。孤立しているわけじゃない。
かつて南アフリカで黒人が戦ったときのように、決して孤独ではない。

世界の権力は今、中国の北京政府にすり寄っているかもしれなけれども、世界の民衆は決してそうじゃない、というのが、今日、代々木で、今、目の前に起きていることだと思っています。


西村幸祐氏

どうもこんばんは。
西村です。
皆様のお話を聞いてですね。本当にその通りだと思うわけですが、特に今こうやって私たちがこの7月の下旬の日曜日の夜、関東地方が真夏の天候になって、夏がきたという心地よさを感じた夜に、ここにこれだけの方が集まっている。この状況は、何かが始まっているその第一歩であるという認識を、私たち全員、パネラーとみなさんで共有したいなと思います。

こういった状況は、日本の情報空間の中にまったくない。削除されている。そういう今の状況があるわけで、それはトルコで、最近も非常に大きなウイグルへ向けた支援、デモンストレーションが起きています。しかしなかなかそういう映像も入ってこない。

とにかく、みなさん、一人一人が発信していく。それが、ひいては、さきほど石平さんがおっしゃったような、悪の帝国をつぶしていく力になっていくし、同時に、私たち日本人と日本民族の将来、そしてもちろんチベット人、ウイグル人、モンゴル人という、支那によって侵略されて、圧迫されている周辺の民族の方々の、これからの再生にもつながるということを確認したいと思います。

 

ペマ・ギャルポ氏

最後に一つだけ。僕はこの会場をみて、とにかく希望がもてると思います。
世論は変わっています。二人(イリハム氏、石平氏)が生まれる前から僕は難民になっていますから、今、これだけの人が集まっているんですよ。世界中は目覚めている。

どのような巨大な帝国も続かなかった。中国も続かない。でも今の現状を1日も早く終わらせるためにどうするかということであって、あそこがつぶれるのは間違いないと思います。

そのためには、今日ここにいらっしゃった方々一人一人が、せっかく話聞いたけれど、あまり意味がない、と思わないでください。

僕が40年前にチベットのことを言っても、こうやって同情して話してくれる人が…もちろん、川喜田二郎、先週亡くなりました、文化人類学の、が移動大学といって、日本中をまわって、中国がチベットに対して、偽の印鑑を押しつけた、ということをおっしゃってくださった。
だけど、あのときは川喜田先生に対して、まわりの学者は、「あれは学者じゃない」「チベット二郎だ」ということで軽蔑するような社会だったんです。

それに比べると、世の中これだけ同情してくれる人がいて、各テレビ局も、なんだかんだいって、昔に比べたらかなりやっています。

ですからみなさん、できることは、みなさんがもっている機関銃、それは口です。まわりにたくさんしゃべっていただく。そして、みなさんはいろいろ書けると思うし、今はブログというものもあるわけですから、一生懸命やっていただければ、一日も早く、今の悪い状況を終わらせられるということであって、とにかく希望をみなさんにもってほしい。
私たちも希望で、特に難民になって、国を失っても、ずっと支えられてきたものですから、希望だけはもってほしい。

特にウイグルで何が起きているかということに対して、たいへんな、特に家族のことを考えると、つらいと思いますが、やっぱり希望を持つことが大事だと思いますし、みなさんぜひ、口の機関銃をたくさん撃ってください。

よろしくお願いします。


つづく

 

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