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日本はチベットから多くのことを学ぶことができる。優れた精神文化や深い歴史からだけではなく、中国に支配された経緯と命がけの抵抗運動から、我々が多くのことを学ぶべきだ。チベットが自由になるということは、日本が自由になるということだ。――このサイトの趣旨にご賛同いただける方は、サイト内の文章をご自由にご利用ください
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西部邁ゼミナール
 戦後タブーをけっとばせ

腰抜け日本人よ、

中国の残忍、残酷になぜ抗議しないのか


2009年9月12日放送(東京MXテレビ)

 

西部邁ゼミナール 戦後タブーをけっとばせ 腰抜け日本人よ、中国の残忍、残酷になぜ抗議しないのか ゲスト ペマ・ギャルポ

西部邁
今日は34回目であります。
こういう言い方をしていいかどうか…亡命チベット人…
もう日本に何年になります?

ペマ・ギャルポ
44年になります。

西部
44年の長きに及んで日本亡命されつつ、チベット独立のために戦ってこられたペマ・ギャルポさんをおよびいたしまして、チベット問題、およびその反対側でありますが、中国、もう僕は誇張した言い方をしたかどうか知りませんが、「中国の残酷、残忍にどうして日本人は抗議しないのか」と、いうテーマで、ギャルポ先生におうかがいしたいと思います。

アジアの奥地で行われている事実 目を少しは開いてみては…

西部
先ほど、秋山さん、これをギャルポさんからいただいたんですけれども、こういう風に並べると一目瞭然でですね、中国というのはすごく広いと日本人は思っているんですが、実際には白地の部分だけなんですね。

実際は中国の領土は大きくない

ここは新疆でしょ、ウイグル族でしょ。ここはチベット。しかもチベットは本来こういう風に広いものであると。青海省とか四川省も含めて。こっちの方は内モンゴル。そういうもんなんですね。
しかしながら中国は、どんどんこういう風にして侵出していると。

ところで去年の3月のチベットの暴動、ほんの一時、ほんの数日間、日本人もお調子に乗って騒いでましたけどね。あれから1年半経ったら、もう何も覚えていないんですよ、日本人。
露骨な聞き方しますけれど、ちょっと腹立ちますでしょ?

ギャルポ
まあ、長く日本にいますので、そういう風というか、そのときそのときのあれですから、驚きはもうないんですけど、ただ、やっぱり残念なのは、去年は、ときたま民衆が立ち上がったり、オリンピックという材料があったから、世界的に関心が高かったんですけれども、現状は去年よりもはるかに今の方が悪いんです。

西部
ああ、そうでしょうね。

日中は私服公安、夜は武装警察 チベット全土で戒厳令状態

ギャルポ
今現在も、チベット全土において、ある意味では戒厳令がしかれているような状況の中で、あれから軍人も増えているし、今も昼間は私服の公安の人たちが見張っていて、夜になると武装警察がパトロールすると。
その中で、民衆は生活しなければなりませんので、本当にいつ衝動的な、またそういうような大きな事件があってもおかしくない状況は続いています。

西部
言ってみれば、巨大な収容所みたいなものになりつつあるんですね。

ホロコースト的なことをやっている国に何も言わない

ギャルポ
まさにその通りです。
実際、今年ウイグルでああいう問題が起きてから、トルコの首相は「あれは大虐殺だ、ジェノサイドだ」と言いましたけれども、その前の1960年代の初頭に、国際司法委員会(IJS)というところが、中国によるチベットにおける大虐殺、計画的組織的大虐殺という位置づけをしました。

そのような大虐殺をした、たとえばナチスの問題については世界中の人がいろいろ言うけれども、今、現に、そのようなホロコースト的なことをやっている国に対して、何にも言わないというところに、やっぱり、今私たちが言っている平和とか、あるいは人権とかそういうものが、決して普遍的じゃなくて…

西部
アメリカだって中国が most important state, nation であると、この場合のimportantというのは、非道いことをやっているという意味じゃないんですよね。アメリカにとって、取引先の重要な国だっていうんでしょ。
日本だって、北朝鮮の拉致問題については、貿易しないとかなんとか言っているけれども、それ以上のはるかにすごいことがチベットとか新疆ウイグル地区で行われているのに、そのことについては一言もないですものね。

それどころかチベットの場合、本当に日本人は迂闊だなと思ったのは、去年3月、新聞読んでるだけでも、あのときのチベット人の蜂起というのが、単にチベット自治区だけじゃなくて、四川省でも起こったし、青海省でも起こったですよね。

それで、あと、うかがいたいんですけど、僕、後でものの本で知ったんですけども、青海省から、チベットまでの鉄道が敷かれていて、日本語でいうと青蔵鉄道って、蔵はチベットのことですよね。青蔵鉄道っていうのが敷かれて、これ、何で敷かれたかっていうと、チベットの自然資源を中国に持っていく、というそういう鉄道ですよ。

ギャルポ
それともう一つは軍事的な目的。
去年はデモなんかがあって、少し観光客が減ったんですけれども、2007年、中国側の発表によると約400万人の観光客が来たと。だけど、チベットの人たちにとって何の得もないわけですね。

当初、チベットの人たちは、鉄道ができれば自分たちの生活が少し豊かになるか、せめて食べ物が豊富になるか、と思っていたんだけれども、増えてきたのは70万人ぐらいの中国の移民が運ばれることと、それから逆にチベットの資源をどんどん運んでいくと。いうことなんですね。

それからもう一つは、今中国政府はこの鉄道をさらにネパールにまで引っ張っていこうと。やがてインド洋に出ようとしているんですね。
そういう地政学的な目的と、それから日本でも西部大開発という、聞こえがいいんですけれども、中国がウイグルにしてもチベットにしても、この辺をなんで侵略しているかというと、資源が非常に豊かなんですよね。

それからもう一つは…

西部
簡単に言うと、あれですね。ガスと石油と…

ギャルポ
ウラニウム。最近は日本の学者の本によると、チベットではダイヤモンドも出ると。
私のふるさとでは昔は金が出てたんです。
中国にとってみれば、軍事的な目的、それから経済的な目的、この両方があるわけですから、そう簡単にはたぶん手放さないのは当然だと思います。

西部
この地図を見れば明らかですけどね。チベットの下にあるブータン、それからネパールとあって、もうネパールは王制が打倒されて、もう共産党ですからね。明らかに中国の影響下に入ったわけで。

ギャルポ
もう南アジアの国々においては、中国はアメとムチ、両方を使いながら、うまく操作しているんですね。
実際、先生、中国が、いわゆる940万平方キロメートルあるといっても、チベットだけでも220万平方キロあります。本当の中国はわずか37%ですね。それも、昔からでなくて、つい最近、第二次大戦まで中国人はこういうところに行ったことがないんですよ、先生。

日本のみなさんは、中国は昔から大きい、と。たとえば元の時代、それから清朝の時代においても同じだったと思っているんですけれども、元の時代はモンゴル人が逆に中国を侵略したんです。清の時代、満州人が侵略したのであって、中国人がここに侵略していったわけじゃないんです。
その辺を、日本の方々は、たとえば私たちに対して同情的な人でも、「中国はあんなに広いのに、そんなことしなくても」とおっしゃるけど、それは日本人の勘違いであって、中国はそんなに広くなかったんです。

今、21世紀において、中国が世界で唯一、植民地を持っている帝国主義なんです。

21世紀で唯一、植民地を持つ帝国主義の中国

秋山祐徳太子
ブータンは大丈夫なんですか。

ギャルポ
ブータンは幸いに、非常に賢い国王がおられるということで、国民総幸福量、GNHというのを提唱して、それから伝統文化を守りながら、インドの保護を上手に受けながら、防衛上の計画をきちんとしていますので、当分は大丈夫だと思います。

西部
チベットに直接じゃないけど、ウイグル地区では中国が45、6回だか核実験をやっていて、そのうちの10回が地下実験だけど、あとの35回分ぐらいは地上もくしくは空中の実験で、すごい放射能汚染を受けている。

でも同時に、四川省だって、中国の核施設がずーっとあって、それでこの前大地震で大問題が起こっているという噂はあるけれど、何も知らされませんけどね。

ギャルポ
やっぱり先生、今ですね、もうある意味で、核は無用の長物になってきたんです。
核よりももっと恐ろしい生物兵器とかそういうものを作っているんですね。

去年、今の青海省、四川省、本来のチベットで、地震がありました。そうするとある一定のところから、道路がないからとかと言って、外国人を入れないんです。
なぜ入れないのかというと、やっぱりあまりにも恐ろしい、秘密にしなければならない研究所がいっぱりあるからなんです。

西部
なるほどね。

秋山
ちょっと質問よろしいですか。
かつて、天安門事件のときには、鄧小平が一応おさえていたというイメージをみんな持っているでしょう。今、中国共産党の指導部は、今の人民解放軍をどれくらい掌握できているのかということと、武装警察ですか、あれがよくわからないと。

ギャルポ
鄧小平は、ある意味では皇帝だったんですよ。ですから、憲法上なんの地位がなくても、最高指導者という皇帝だったから、軍の方も党の方もおさえていました。しかし今の、たとえば中国共産党のあの9名の政治局常務委員の人たちは、みんなドングリの背比べで、しかも戦後生まれだとか、彼らにとっては基盤がないんですね。軍事的にも政治的にも。ほとんどがテクノクラートなんです。
だから、誰も全体を掌握して、それに命令できるような状況にないと。

一方その中国の軍は、軍閥があるんです。かつて革命を起こしたときに、活躍したときから、それが今日に継続しているんです。

ですから、中国の場合には、今でも共産党青年部と軍、あるいはもう一つは、かつて革命に貢献した人たち、偉い人たちの子供たち、この3つの勢力がお互いに牽制しながら、何とかうまくやっているというのが今の現状だと思います。

秋山
チベットも今やっぱり、解放軍の…

ギャルポ
もちろんそうです。チベットとか…

秋山
舞台がもう武装警察隊どころじゃないんですね。

ギャルポ
あの、それともう一つは武装警察というのは、鄧小平がカモフラージュで、中国の軍人を減らす、ということを言って、それから百何万人の人たちに対して、いったん軍隊を辞めさせて、警察に武器を持たせたようなもの。
ウイグルなんかだと、屯田兵みたいな形で、そこで農業をやりなさい、と。ただし、毎年一回はちゃんと軍事訓練をしていつでも軍として使えるようなものになっています。

窓を開けてうめき声が聞こえるように街全体を恐怖に陥れる拷問

西部
僕ね、ウイグルの話、ちょっと本読んだことがあって、ザワッとしたんだけれども、中国側の弾圧っていうよりも、あっさり言えば拷問ですけどね。凄まじい拷問をやって、町中いたるところでやって、しかも窓を開けて、被害者のうめき声その他が町に聞こえるように、つまり、町全体を恐怖に陥れるという、そういう風なやり方をしてたんだということを、日本に亡命してきた人の本を読んで分かったんですけどね。
そういうことは、おそらく別にウイグルのウルムチだけじゃなくて、もうチベットも含めて、いたるところで行われているわけでしょ。

数年前までは、チベットからヒマラヤを越えてインドへの亡命者というのは、毎年千何百人という規模だったけれども、去年は中国の軍隊、公安警察かもしれませんけれども、完全に防衛しているということもあって、ほんの数十人しか…要するに亡命もままならぬという…想像するとほとんど収容所と言っていいですよね。

ギャルポ
去年までは数千人の人たちが、何とかヒマラヤを越えて逃げてきたんですね。だけど、その数千人が成功しても、その3倍くらいは途中で捕まったり、途中で死んだりしているわけですね。

今回も、今年はこの前ダライ・ラマ法王の妹さんが日本に見えて、ダラムサラまでたどり着いたのは、子供たち70か80名ぐらいだとおっしゃっていました。
だから、完全に中国の方で警戒を強くして、そして途中で捕まえて連れ戻しているというような状況です。

西部
ダライラマっていうのは法王っていう意味でしょうけども、パンチェン・ラマというのは大学者という意味ですか?

ギャルポ
そう、そうです。

西部
偉大な学者という意味で、そしてパンチェン・ラマが、政治については、相当自主的な、その行政的な力を発揮して、それで中国はとうの昔に、現地のパンチェンラマを中国側に取り込んだという…

ギャルポ
それは先生、外国ではパンチェン・ラマ、ダライ・ラマと同じラマがついているから、何か正副大統領みたいに思っている人が多いんですけれども、実際はそうじゃないんです。

ダライ・ラマ法王はチベットの政治宗教上の最高の指導者で王様なんです。パンチェン・ラマは、そもそもはダライラマ法王の先生のことなんです。
ですから、国家の副王とか、副大統領ではないんです。

ただし、チベットでは輪廻転生で法王が亡くなられると、次のダライ・ラマが見つかるまでに摂政を誰かが務めなくちゃならないんです。
そういうときに、パンチェン・ラマも務めたこともあるし、それ以外の人たちも。
ですから、摂政を務められる人たちは何名かおられるわけです。

西部
ダライラマは王様だと言ったけれど、先ほど聞いたらあれでしょう、ギャルポさんの名前のギャルポというのがチベット語で王様って…

ギャルポ
私のはただの名前です(笑)
私の先祖は殿様です。昔はちゃんとチベットでは、そういう区別がありました。

西部
それから、先ほど聞いた話、ペマっていう意味は蓮の華なんですって。やはりチベット仏教ですから、仏教のあれからくる…お釈迦様の乗った蓮の…そこの殿様っていう…ご先祖は代々その地位に?

ギャルポ
四代ぐらい前までしかちょっとわからないんですけれども、いいこともやっていれば、悪いこともやっていた…

西部
それにしても中国の覇権主義、東シナ海からインド洋にかけて、中国が、中国海軍が具体的に何をやっているか話す機会はないけれども、海も陸も、っていう形で凄まじい勢いでの覇権っていうものを押し出している。
日本人はそのことを感じもしないんですね。

ギャルポ
今、21世紀に中国の支配下で起きていることは、普通の人だったらまず信じないと思いますね。

そのたびに本当は、僕はできれば、中国の方も、できれば、本当は大使館の方、そういう人にも声をかけて、来なければ仕方がないけれども、それで議論したら、もっといいな、といつも思っているんです。

西部
急に思い出しちゃったんだけれども、僕はそのチベットその他、行ったことないんですけれどもね。一番近づいたとしたら、せいぜいインドのスリナガルという、北インドですけどね。
その山奥でボーッとしてたら、結構オーストラリア人なんかも来ていて、トレッキングのために来ていて、二人で英語でしゃべったんですけれども、そうしたら、急峻の山から少年たちが、おそらく13、4だな。それが本当なんですけれど、こう直角に背中を曲げて山を下りてくる。背中にリンゴ箱、野生のリンゴですけど、リンゴ箱を僕は数えたんですけれど、僕はあれを忘れられない。6箱背負って、こうやって下りてくるのね。
そして、それを聞いたら、大体その労務者の少年たちは、tibetanかもしくはnepaliでしたね。
そしたらオーストラリア人が教えてくれたんだけれど、「おまえ、あの少年たちが大体何歳で死ぬか知っているか」と。「知らない」って言ったら、平均寿命30歳だっていうんですよね。

国を逃れたとて、またそういう、なんて言うかな、過酷な労働が待っているという。それで日本人の、僕はだんだん頭にくるけど、たらふく食べてさ、僕みたいにお腹ふくらんで…

ギャルポ
私も例外じゃありませんけれど(笑)

アジア大陸で何が起きているか想像しない 中国奥地のことを報道しないメディア

西部
なんか、そういうちょっとアジア大陸に何が起こっているかということを想像しないどころか…非道いのはやっぱり、今メディアに出てていうのも何だけれども、日本のメディア、これ日本のビジネス企業ですよ、中国とどういう取引をするかと。
それで、日本のメディアなんて、MXはあまり金が入ってこないそうだけれど、普通は大きな企業から広告費もらうために、ってことは、企業のいろんな利益の目的に反しないってことがあるから、日本のメディアだって、中国大陸の奥地で何が行われているかをほとんど報道しないんですね。
ほんのさわりだけ、ちょっと言うだけで、もうおしまい、というね。

ギャルポ
僕は、先生、もちろん共産主義にいじめられて、共産主義に対してある種のアレルギーもありますけれども、逆にモスクワがあれだけ分解されて、あの東ヨーロッパの国々がいわゆる自由化したけれど、マルクスがおっしゃったような社会は、その後に生まれたと思っているんですね。

結局、今資本主義が何でも傲慢になって、資本主義がすべていいと。で、すべてが利益のため、ということで、今逆に人々の価値も、結局労働力によって計られるようになり、利益によって計られるようになって、人の命とか国の安全とか、そういうことよりも、企業の利益が優先するようになって、僕はみなさんが共産主義崩壊とか共産主義が行き詰まったと言ってるけれども、僕は崩壊したような形の上に、逆に本当にマルクスがおっしゃった予言が的確に当たったような気がしてしょうがないんですね。

人民解放軍・公安警察が食べられなくなるまで恐るべき収容所状態を続ける気なのか

西部
そうですね。
たとえば、今の共産主義で思い出したけれど、ルーマニアのチャウセスク政権が滅びるときは、あっさり言えば、ルーマニアの軍人も警察も食べられなくなる、という、それから、ソ連が滅びたときだって、ソ連の軍人、KGBその他にちゃんとした月給が流れてこなくなる、という、そういうギリギリのところにくるまで、実はある種の弾圧、抑圧体制というのが敷かれていた。

そのことから逆算すると、そら恐ろしい話ですけど、チベットにしろウイグルにしろ、人民解放軍なり、中国の公安警察なりが、食べられなくなるまでは、恐るべき収容所状態を延々と奴等続ける気なのか、と考えると…まあ僕はもう年寄りだから、なげいてもしょうがないんですけどね。ちょっとあれですね。眉をひそめたくなるような凄まじこと…

ギャルポ
もちろん、最終的には、いままでどのような帝国も最後には滅びたし、どのような力を持った人間でもそれを継続できなかったし、ですから、中国も変わらざるをえないと思うんですね。

ですから、今残念ながら、特に今年になって、中国がいわゆる金融危機もなんとかうまくやってるし、そして、軍事的、外交的にもどんどんその伸びてきてますけれども、中国の敵は中国です。

西部
そうですね。

ギャルポ
彼ら自身が持っている様々な矛盾が、最終的には彼ら自らが滅びる原因になると僕は思っています。

西部
何か急に、こう宗教的な言い方だけれども、矛盾ていうのは単に中国の経済がまずくなるとか、そういうことだけじゃなくて、やっぱり、何十年に渡って、言ってみれば、国家として、何の正義もないような、あっさり言えば、国際社会に、もしもきっちり報道されたら、顔を赤めざるをえないような、そういうことをやり続ける国家っていうのは、やはり国民が徐々に徐々に自信を失いますからね。

ギャルポ
そうですね。

西部
そうい意味では、長期的にいえば、中国はお陀仏だろうなと思うけれども、しかし、あまりにも長期的でね(笑)僕はその頃生きてないだろうけど、ペマギャルポさんだって危ないぐらい…

ギャルポ
それはそうです。青年の時はもっと夢を持って、祖国に帰って、あれもしようこれもしようという夢がありましたけれども、最近は若い人たちに少しでも継承してもらいたいという気持ちになってきました。

西部
僕ね、秋山さん、忘れられないのは、6年か7年、7、8年前だったと思うんだけど、僕がやっていた小さな集まりにペマギャルポさんが来てくださって、そのときに、言ってみれば、声涙倶に下る大演説をされて、ちょうど、アメリカがイラクを侵略してる頃ですよ。でもそのイラク問題じゃなくて、そのときギャルポさんが報告されたエッセンスってのは、一言で言うと、「大国には気をつけろ」ってね。
これは別に中国だけじゃないんですよ。アメリカであろうが何であろうか、大国っていうのは、おのれのヘゲモニーのために、覇権の利益のために、小国を徹底的に利用するという、そういうことが歴史上延々と続いていて、今もこれからもそうであろう、そのことに気をつけろ、っていうね。
あっさり言うと、涙ながらの大演説をされて、会場百人ぐらいが、えらく感激していた…

ギャルポ
いい機会を与えていただいてありがとうございます。

秋山
今、聞かせてやりたい、みんなに。
本当にみんなにお話を聞いていただきたいですね。

ギャルポ
今、本当に日本に、チベットと同じ運命にあってほしくないですね。

西部
僕は一言、MXは小さなテレビですけれど、視聴者のみなさん、日本でウロウロ情報なんか集めてたって退屈な情報しかありませんので、アジアの奥地でどんな陰惨な、残忍な、残酷なことが行われているか、ということに、目を少しは開いてくれ、と。特に青年男女諸君、と。
ま、こういうことですね。

本当に今日は短い時間ですいませんでした。
ありがとうございました。

ギャルポ
ありがとうございました。いい機会ありがとうございました。

秋山
ありがとうございました。

 

西部(翌週の予告)
今日は他国の悲劇に対して無関心であるのはほとんど犯罪だ、というそういう話をするつもりの番組でありました。次の回は、国内に戻りまして、日本人は相も変わらず季節外れの盆踊りをやっているようでありますけれども、盆踊りのついでに、最近その地域主権という言葉まで吐かれながら、各地域が勝手気ままにやろう、などといわんばかりの風潮がひろまってますけれども、それを断固批判すべく、地方分権までは何とか認めるが、地域主権なぞという戯言はそろそろいい加減にしてもらいたい、と、いうそういう番組をやりたいと存じます。


 


ペマ・ギャルポ
昭和28年(1953年)チベット生まれ。
亜細亜大学卒。
昭和34年、インドに亡命。
昭和40年、来日。
昭和55年(1980年)ダライ・ラマ法王アジア・太平洋地区初代代表就任。
平成17年(2005年)日本国籍取得。
桐蔭横浜大学大学院法学研究科教授。
チベット文化研究所所長。
政治学博士。

著書
「迷走日本外交に物申す!-暴走する中国を止められるのか」
 北星堂書店 (2009/7/8)
「日本人が知らなかったチベットの真実」 海竜社 (2008/08)
「ならずもの国家 中国の本性―蹂躙されたチベット」 ワック (2008/08)共著
「北京五輪後のバブル崩壊―鍵を握る三つの顔」 あうん (2008/07)
「中国が隠し続けるチベットの真実」 扶桑社 (2008/5/30)
「おかげさまで生かされて―「おかげさまイズム」は21世紀の処方箋」 あうん (2007/04)
「語り継ぎたい東洋の名言88―上司から部下へ、親から子へ」 総合法令出版 (2005/05) 共著
「語り継ぎたい世界の名言100―上司から部下へ、親から子へ」 総合法令出版 (2005/01) 共著
「新国際政治学講義―お蔭様イズムの世界」 万葉舎 (2004/07)
「悪の戦争論」 あうん (2002/12)
「『日本人へ』最後の通告」 小学館 (2001/06)
「「お陰様」イズムの国際関係」 東洋堂企画出版社 (1999/4/15)
「チベット入門 」 日中出版 (1998/04)
「「国」を捨てられない日本人の悲劇」 講談社 (1998/02)
「チベット巡礼」 KDDクリエイティブ (1997/02) 共著
「日本の宗教」 総合法令出版 (1995/07)
「チベットはどうなっているのか?―チベット問題へのアプローチ」 日中出版 (1990/05)
「素顔のダライ・ラマ14世」 ぎょうせい (1990/01)
「ドルジェのたび―チベットの少年のはなし」 偕成社 (1985/01)






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