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日本はチベットから多くのことを学ぶことができる。優れた精神文化や深い歴史からだけではなく、中国に支配された経緯と命がけの抵抗運動から、我々が多くのことを学ぶべきだ。チベットが自由になるということは、日本が自由になるということだ。――このサイトの趣旨にご賛同いただける方は、サイト内の文章をご自由にご利用ください
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http://tibet.blog.shinobi.jp/Entry/83/ の続き

ダライ・ラマ法王日本事務所代表ラクパ・ツォコ氏の講演です。ラクパ・ツォコ氏は2007年に代表就任。チベット支援を訴え、全国を回っています。
発言が正確に再現されているわけではありませんが、内容的にはほぼ合っていると思います。

 


こんばんは、みなさん。
チベットは2000年以上の歴史がありますが、時には、中国と戦争をしたり、友好関係を築いたりすることもありました。
今チベットは、チベットの歴史の中で一番暗い時期にあります。
この50年間で、3世代目に入っています。私たちの世代は、これからチベットが存続していけるか、それとも、満州のように中国に飲み込まれてしまうか、という岐路に置かれています。

私たちの責任は非常に重いです。国際社会の中で、自分たちの伝統、文化、アイデンティティーをどうやって守っていくか、という課題をもって、日本で、長い間地道な活動を行ってきました。それは、決して、やさしい仕事ではありませんでした。

やっと、去年の3月10日あたりから、日本の方々に、チベットの問題について関心を持っていただけるようになりました。
去年の3月から、全国各地で講演してまいりまして、だんだんチベットのことを理解する方も、増えてきました。
日本にチベット人は100人ぐらいしかいませんが、それぞれチベットの代表のように、チャンスさえあれば、チベットのことを語り、チベットのことを一生懸命訴えてまいりました。

先ほどの映画にあったように、チベットは独裁主義、戒厳令下のような状況に置かれています。
チベット人たちは朝自分の家を出て、夜自分の家にちゃんと無事帰れるかどうかさえ確信がもてない、そういう状況が今も続いています。
ラサでは、トイレにも警察が立っていて、トイレの出入りまで監視されているような状況にあります。
特にアムドあたりが、非常に状況が緊迫しています。

他方、中国は亡命チベット政府や外国に住んでいるチベット人たちが行おうとしている50周年の様々な催しに対抗し、中国は、チベットの奴隷社会からの解放50周年を祝う催しをいろいろ行っています。
中国はあれだけ非道いことを行っておきながら、解放してやった、などととんでもないこと言っています。“解放”しにきたというのなら、もう“解放”が終わったのだから、さっさと帰ればいいのですが、今日まで50年間もチベットの人々に多大な苦痛を与え続け、、チベットの環境を破壊し続けています。

それから、チベットで大昔から遊牧生活をしている人たちの生活を完全に破壊し、コンクリートの建物に定住させています。生活の糧をなくした彼らには、もう先がないんですね。最終的には大きい町に出て、乞食のような生活を送るしかない。

中国の狙いは、チベットの草原を守るというようなことではありません。
軍事施設をつくるか、工場をつくるか、天然資源を掘るか、そういうような目的で、遊牧民の生活を破壊しているという状況なんです。

もちろん、チベットは昔、完璧な社会ではなかったんです。しかし、その時代に合った社会で、チベットの人々は非常に幸せだった。
様々な社会の問題はあったけれども、そのときの幸せさと、中国の独裁主義のもとでのチベット人の50年の生活を比較すると、とんでもない違いがあります。

ですから去年、チベット人たちは49年間の怒りがたまって、その怒りの火山が噴火したんですね。
それはチベット自治区だけではなく、チベット人が住んでる3つの地域、ウ・ツァン、カム、アムド全体でです。

中国政府はダライラマ法王が黒幕だと言っていますが、それは違います。
バスケットボールに例えると、ボールに何もしなければ、ボールは動きません。ボールを叩くとどんどんどんどん上に上がってきます。強く叩くとどんどん上がります。
チベットはそういうような状況にある。そして今、世界の歴史の中で、例がないような残酷なことが、チベットの中で進行しているんです。

ですから、私たちチベット人は今つらい時期にあるんですが、世界中に住んでいるチベット人の若い世代に、我々はチベット人だという民族意識が、これまでの歴史にないほど高まっている、そういう状況でもあるんです。

私たちチベットは非常につらいんですけれども、明るい道につなげようと、ダライラマ法王は平和的な提案、それも中国、チベット両方のためになるような提案を出しています。
しかし中国政府は、亡命政府の特使を北京に呼んで、自分たちの主張を全部ぶつけてきていますが、それに対して、チベット亡命政府の特使が説得力のある説明をして、最終的に中国政府にはもう質問することがなくなってしまう。
そうすると中国は国際社会をごまかすために、チベット青年会議が独立と言っている、チベット青年会議はテロリストだ、というような宣伝をしてくる。中国政府の政策で、チベット青年会議の話とか、チベット“族”とか、その宣伝をまずどこにするかというと、世界の中で日本が宣伝の絶好の場所になっている。

日本に宣伝の注射を一回打てば、その後の宣伝の仕事は、日本のマスメディアや、テレビのコメンテーターがやってくれる。
中国政府の政策では、私たちは“族”です。しかし、私たちには私たちの歴史がちゃんとあり、私たちはチベット“族”ではなく、チベット“人”です。チベットは2000年以上の歴史、言葉、政府、通貨、歴史的背景があります。

中国政府の宣伝では“族”ですが、日本のメディアの方々が、中国政府と同じ言葉を繰り返したら、どうなるんでしょう。
チベット人、モンゴル人たちがどう思うか、ということを考えなければならないのに、中国が注射を打った後、中国政府の狙い通りに、テレビで発言なさる方々が、そのままチベット“族”と言ってしまうんです。
アジアの中では日本は非常に存在感がある国です。日本のコメントがアジア全体に影響があるので、日本は自分たちの国家としての力をぜひ実感してほしい。

ダライラマ法王は、中国政府が滅びるような話ではなくて、非常に筋の通った提案を出している。チベットは独立の権限があるというような主張はせず、中国とチベットのためになるようなことを言っています。

でも中国政府はそれを相手にもしないで、完全に無視し、国際社会に対して、様々なパフォーマンスを行っています。今年はチベット解放50周年、と宣伝したり、国際社会をごまかすようなやり方ばかりです。

日本は中国の隣国として、中国人の性格、中国の政策を一番わかっている国なので、中国と友好関係を維持しながら、チベット問題で指摘しなければならないことはぜひ指摘してほしい。

日本は60年前に中国と戦争をし、様々な問題を抱えています。私が日本にいる間に、教科書問題で文部大臣が二人クビになりました。
日本のマスメディアでも、政治家でもかまいませんが、日本が中国に対して行ったことで、そんなに謝罪を繰り返さなければならないのなら、中国は今現在、それ以上に非道いことをチベット人に対して行っているではないか、と指摘してほしいんですね。

もちろん、日本と中国の友好関係は非常に大切です。私たちもそれを望んでいます。日中の友好関係を促進してほしい。
でも同時に、チベット問題という現実があります。そのところで、ぜひ力を貸していただきたい。
私はそのことを、日本の政治家、日本のマスメディア、日本の国に、ぜひお願いしたい。

日本でも民間のレベルでは、チベット人の子供の教育等の様々な人道的な援助で、すばらしい考え方を持っている方がたくさんいらっしゃいます。
心から感謝をしております。これからも、ご指導ご援助をよろしくお願いいたします。

 


他に、在日チベット人コミュニティ代表ケルサン・ドゥンドゥプ氏のスピーチと、Students for a Free Tibetの副代表の方の、日本のサポーターへのメッセージビデオがあった。そのビデオでは、支援、特に聖火リレーのときの行動に対して感謝の言葉を述べていた。

 

【管理人コメント】

ラクパ・ツォコ氏が今回のスピーチで話されたような、日本側の問題点、ダブルスタンダードの部分を、もっと指摘してもらえればと思う。
日本人が、解決済みの日中戦争の問題を今も批判し続けながら、現在進行形で起きている中国の“侵略”について声をあげないのは、明らかにダブルスタンダードである。ダブルスタンダードだとわかりつつやっている人もいるが、単に中国が今何をやっているのかということを知らない人も大勢いる。マスコミがスポットライトをあてたところしか見えていなかった人たちに、チベット人から見えている“世界”が伝われば、その人達の行動も変わってくると思う。
北朝鮮による日本人拉致問題は日本人にとって極めて重要な問題だし、そう認識している人は多いけれども、そういう人が、中国が政治的な理由で6才のチベット人の幼児を両親共々拉致して今も行方知れずの状況にあることを知ったら、同じく心を痛めるだろう。日本軍の慰安婦問題を問題視している人が、中国軍が甘言で騙してチベット人の少女を慰安婦にしていることを知れば、義憤にかられる人もいるだろう。

SFT副代表の方もビデオレターの中で、「日本は中国に対する最大のODA拠出国というユニークな立場にある」と話していたが、牧野聖修氏をはじめ、チベットのために行動している大勢の日本人の力を1とすれば、日本という国家がチベット問題に耳をふさいで、中国がチベットを弾圧するために貸した力は、その何千億倍とか、天文学的数字になるだろう。
チベット人から見えていて、日本人が気づいていないことがたくさんあると思うので、そういうところを指摘してもらえればと思った。


 

チベットの現状に心を痛めている方は、
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Ph. D.
I tried to put a long comment earlier, but could not. Thank you very much for letting us know what Lhakpa-san talked about.
Hiroko Takayasu 2009/07/10(Fri)09:08:04 編集
Re:Ph. D.
takayasu様、詳細なコメントを入れてくれたのにうまくいかなかったのですね。どうもすいません。ラクパさんたちの声が大勢の日本人に届くことを願っています。
【2009/07/15 17:38】
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