2004年、日中ネット上で激突す

中国人の反日がこれほどまでのものだったのか、と認識させられたのは、４年前のサッカー、アジアカップ、中国での試合の観客の態度がテレビで流れたときだったと思う。
だが、2004年のアジアカップの頃はすでに、日本人と中国人がネット上で言論バトルを繰り広げていた。壮絶な戦いであり、今後の参考にもなると思うので以下にコピペする。

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諸君！2004年10月号
インターネット麹町電脳測候所
アジア杯決勝戦、中国人サポーターの過激な反日ブーイングの中「IKEMEN」コールが炸裂していた…かもの巻

……一方で、柳条湖事件もかくや、という一触即発の事態もあった。日中文化交流サイト、と銘打たれたところの自動翻訳機能つきチャットで、ちょっとしたこぜりあいが当測候所によって確認されている。ことは日中決勝戦前日の八月六日午後、とある中国人のこんな書き込みから始まった。

> 04/08/06 14:53
> ウジムシ！ウジムシ！ウジムシ！
> FUCK You JAPs! IKEMEN!

　lucyaleというHNのこの中国人、頭の悪い罵倒の書き逃げにしては、末尾の「IKEMEN」が意味不明である。どうやら、どこかで「IKEMEN」が日本ではとてもよからぬ言葉である、と教えられてきたようだ。もちろん、ネットを介してさえいれば民度の際限なく高くなる昨今のネット住民のこと、国境を超えて遊べるこんな絶好の機会を逃すはずもなく、誰言い出すともなくある種の陽動作戦が発動されていった。まず、日本側からこのような書き込みが連発されてゆく。本日、天気晴朗なれど波高し。

> IKEMENを使うな。この言葉が原因となって
> 国際問題になるかもしれない。そういう言葉だ。
> 支那とは重みが違う。日本人が最も聞きたく言葉だ。

> 明日のサッカーの試合で、"IKKEMEN"と日本選手に言ったら
> 絶対に許さない！！！！

> 普段、私は支那を使わない。ただ、IK○○ENという言葉は重い！
> 私は聞きたくないと言っている！　何度も言わせるな！

> 日本人もIKEMENをもう使うな。
> 中国人が平気でこの言葉を使うようになったら
> サッカーの騒ぎどころではなくなるぞ。
> 大抵の日本人はもうこの言葉自体に免疫はあるが、
> 何も知らない奴が事実を知ったら精神的に
> 生皮を剥がされるほどの痛みを味わうのは間違い無い。
> この言葉を使われた人は、一方的に剣で刺されるようなもんだ。

> 競技場に響く「IKEMEN」の声……
> 考えられない！　中国は野蛮な民族だと言われるよ！

　まさに捨て身の撒き餌であり、煽りである。彼の国でネット環境に接続できる人民の民度がいまひとつわからなかった中での作戦だったはずだが、相手方がこれらの煽りに乗って「IKEMEN」をいたずらに使う罵倒を続けて返してきたところを見ると、作戦は図にあたったようだった。そして、作戦開始後1時間あまり、ついにこんな中国人側からの決定的な書き込みが……自動翻訳をかませてあるので日本語表記がいささか妙なのは、当測候所の責任ではない。

> 有名なサイトから全ての中国人の日本人にIKEMENの事のため
> 称されることを教えた競技場は”を使う；IKEMEN””NULLPO”の
> 横物はいっぱいになるようにしよう
> 試合が開始するのは楽しみだ
> hahahaha

 これだ、この反応を待っていた！　ネット市民義勇兵たちの士気は一気に高まった。噂を聞いてかけつけた新たな義勇兵も参戦し、以後、煽りはいたずらに高度に、そして意味なく洗練されてゆく。

> こんな言葉を中国の方々に教えたのは、誰か。もうやめてください。
> 悲しすぎる。私は中国が大好きな、大学生です。おねがいやめて

> IKEMEN…おばあちゃんが、ひどい侮辱用語なので冗談でも絶対絶対
> 使っちゃいけない言葉だと言ってました。なのにここでは連呼されてる…
> 気を失いそうになりました。

> IKEMENとは日本人の、特に男性にとってこの上ない侮辱的な言葉です。
> 常識のある中国人の皆さん、試合中には絶対に言わないでください。

> 勘違いをしないでください。危険です。
> 先日小泉首相とブッシュが会談したとき、ブッシュはIKEMENが
> 良い意味と勘違いしていた。ブッシュは小泉首相に対して
> 「今日もIKEMENです。」と褒めるつもりで言った。
> 小泉首相は誤解だと判断して何も言わなかったが、
> 周囲の人たちは顔色を変えたそうだ。中国人も気をつけた方が良い。
> 小泉は、米国に追従する人間だから、何も抗議しなかったが、
> 普通の日本人は違う。

　結局、数時間にわたりこの陽動作戦は継続され、そのうちさすがに先方も気づいたらしくチャットから中国人の数がみるみる減っていったのだが、その後数日間にわたって類似のネタをリレーしてゆく場になっていったのは、ひとまず以て瞑すべしか。

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