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中国への配慮か
肝心の情報は見事に遮断して放送
渋谷で「中国政府によるウイグル人虐殺抗議デモ」があったその日(2009年7月12日)、NHKの「海外ネットワーク」で「緊急報告 ウイグル暴動」が放送された。
以下はその内容。
(写真下のキャプションはブログ管理人によるもの)
【長尾香里キャスター】
東西の文明を結んだシルクロード。
その中心都市の一つで暴動が起きました。
ウイグル族が商店やバスに放火、180人以上が死亡しました。
激化する民族対立。
緊張が高まっています。
こんばんは。海外ネットワークです。
大規模な暴動が起きたのはこちら、中国のもっとも西に位置する、新疆ウイグル自治区のウルムチです。
新疆ウイグル自治区は、中央アジアの国々とこのように接していまして、イスラム教を信仰するウイグル族が多く暮らしています。
そのウイグル族が暴動を起こし、中国政府の発表では、漢族を中心に180人以上が死亡しました。
今も激しい民族対立による緊張が続いています。
現地に入った吉岡記者の報告です。
【吉岡淳平記者】
新疆ウイグル自治区最大の都市、ウルムチ。
私たちが到着したのは、暴動の翌日(7月6日)です。
特に大きな衝突のあった市の中心部にある人民広場の前です。
ご覧のように大勢の警察官が周囲を取り囲み、中は完全に立ち入り禁止となっています。
ウルムチに駆けつけた各国の取材班。
中国政府はプレスセンターを設け、記者たちを集めました。
暴動の2日後(7月7日)
当局は被害を受けた自動車販売店に私たちを案内しました。取材を始めると、予期せぬ出来事が起きました。
私たちが中国政府の手配で、焼き討ちにあった自動車販売店を取材していたところ、このように大勢のウイグル族の女性たちがやってきて、自分たちの夫や父親が公安に連れて行かれたと抗議の声をあげています。
「父の仕事は不定期であの日は休んでいたの
押し入ってきて“誰かを殺しただろ”と夫を連行していったのよ」
警察に父親を連れて行かれた少女。
ただウイグル人というだけで罪人扱いされる。
(警察官)「下がれ、下がれ」
「家族をかえして」と、口々に訴えるウイグル族の人たち。こうした警察官ともみ合いになり、現場は騒然としました。
同じ現場を取材していた中国国営テレビ。
ウイグル族の女性たちの訴えについては伝えず、民族の融和を強調しました。
(中国国営テレビのナレーション)「暴徒の一部はウイグル族で、海外の記者は漢族とウイグル族の関係に注目しています」
(ウイグル人女性)「漢族とウイグル族の間に問題はないです。とてもいい関係ですよ」
国営テレビのわざとらしい宣伝。
大勢の漢族の人たちが、手に武器を持ちながら、気勢を上げて行進しています。
ヌンチャクを持つ男。
振り回される刃物。
漢族の住民たちは、ウイグルの独立派を非難する言葉を叫んでいました。
ヌンチャクでウイグル人を襲撃にいく中国人
ウイグル人の抗議デモで中国人の犠牲を大きく報道しすぎたため、
怒りに燃えた中国人が手に手に武器を持ってウイグル人を襲撃に向かう。
ウイグル族が多く住む地域が襲撃されました。
(ウイグル人男性)「怖かったよ。(中国人)100人以上が鉄の棒やこん棒を持ってきて壊していったんだ」
中国人暴徒に住居を破壊されたウイグル人
女性まで包丁で武装。
民族融和を強調する国営メディアの報道とは裏腹に、対立は激しさを増していきました。
事態を沈静化させるため、ウルムチには武装した警察の部隊が次々に到着しました。
ウイグル人のデモ鎮圧のため武装警察が続々と到着
住民にマイクを向け、取材している途中にも。
一触即発の状況に厳しい警戒態勢がしかれました。
おととい(7月10日)にも、ウイグル族の人たちがデモ行進し、警察部隊に取り囲まれました。
ウイグル族の女性が路上で抗議の声を上げたところ、特殊警察の部隊がやってきて、周辺にいた我々メディアも排除されました。
警察の報道機関への対応はときに厳しくなります。
(7月11日)ウイグル族の住民の中には、ウルムチを離れる人も出ています。
(ウイグル人母子)「とても危険で、みんな怖がっています。南部の実家で、両親が待っているんです」
長距離バスに乗って、実家に避難しようするウイグル人母子
暴動から一週間、民族対立による緊張は続いています。
【長尾香里キャスター】
こうした激しい民族対立の背景には何があるんでしょうか?
まず第一に、もともとほとんどの住民がウイグル族だったこの地域に、60年前の中国建国後、漢族の人たちが大勢移住してきたことがあります。
今では人口の40%が漢族で、中心都市のウルムチに至りましては、90%を占めています。
言葉や宗教、そして文化の違う、漢族の人たちの急増が、ウイグル族の人たちとの間に摩擦を生んでいるんです。
そして第二に、経済的な格差の拡大があります。
こちら自治区には、石油や天然ガス、そして希少金属など、豊富な資源がありまして、近年、開発が進みました。
しかしウイグル族の間には、地区の経済が漢族に握られて、自分たちは、貧困にあえいだままだという強い不満があるんです。
こうしたウイグル族の不満に火を付け、暴動のきっかけになりましたのが、先月、こちら広東省で起きました、ある事件でした。
【石井一利記者】
今回の暴動のきっかけとされるのが、新疆ウイグル自治区からおよそ3000キロ離れた、こちらのオモチャ工場です。
先月下旬、ウイグル族と漢族の大規模な衝突がありました。
インターネットに投稿された、事件の映像です。
先月26日、工場で働く労働者数百人が衝突し、ウイグル族の二人が死亡しました。
きっかけは、工場でウイグル族の男性が漢族の女性を暴行シタという、インターネットの嘘の書き込みでした。
中国政府は、貧困から抜け出せないウイグル族の人たちが、豊かな沿海部で働けるようにする、として、集団就職などの政策を進めてきました。
中国政府はウイグル人のための政策だというが……
この工場でも、政府の斡旋で、5月から、およそ800人のウイグル族の労働者が働きに来ていました。
暴動のあと、中国国営テレビは、事件のあった工場を改めて取りあげ、今は友好的なムードだと繰り返し伝えています。
その場しのぎのやらせで中国人の感情をコントロールするのは難しい
しかし私たちは、今回工場内部の取材を許されませんでした。
職場での雰囲気はどうなのか。
勤務管理などを担当している漢族の張紅梅さんに話を聞くことができました。
「かかわらないですよ。言葉は違うし。(漢族は)怖がってますよ。何か言えば殴るぞといわんばかりですから。」
工場の勤務管理担当者からしてウイグル人に敵意むき出し。
それではウイグル族の人たちはどう感じているのか。
工場で働くウイグル族の人たちが来るという、イスラム料理店を訪ねました。
(イスラム料理店の店長)「この間の乱闘騒ぎのあと、姿が見えないね。まったく店に来なくなった」
この店長もイスラム教徒です。
漢族の人たちは、イスラム料理店で、お酒を出すよう求めるなど、宗教の違いを十分理解していないと話します。
(店長)「この辺の人たちはイスラム教の習慣がわかっていないんだよ。商売もやりにくいよ」
故郷から遠く離れた沿海部で働くようになったウイグル族の労働者たち。そのことが逆に民族間の摩擦を招く結果となっています。
【長尾香里キャスター】
石井記者の報告でした。
中国にはウイグル族をはじめ、55の少数民族が暮らしていますが、その中には人口の90%以上を占める、漢族中心の社会に不満を持つ民族も少なくありません。
もう一度この地図をご覧下さい。
この赤い炎の印は、去年初め以降、民族問題が背景と見られる暴動や事件が起きた場所です。
こちら、チベット自治区では、去年3月、デモが暴動に発展しまして、20人近くの死者が出たのは、記憶に新しいところですね。
去年3月のチベット蜂起でのラサにおける死者数が19人とは……
そして、今回暴動が起きました新疆ウイグル自治区でも、北京オリンピックがあった去年8月、警察を狙った襲撃事件で、17人が死亡する、というような事件が相次いでいます。
外国人旅行者が、たまたまこの事件を撮影していたため、
当初言われていたようなウイグル人によるテロ事件ではなく、
警察の内部抗争によるものだということが明らかになっている。
しかしこの番組では、中国当局の主張が繰り返されている。
中国総局の橋本総局長に聞きます。
180人以上という過去最大級の犠牲者を出した今回の暴動を、中国政府はどう受け止めているんでしょうか?
【橋本明徳 中国総局長】
今回の暴動は、胡錦涛政権がもっとも重視する社会の安定を揺るがすものでした。
胡錦涛主席がサミット出席を取りやめて帰国したことからも、その深刻さがうかがえます。
特に今回は、ウイグル族による暴動だけでなく、これに報復する漢族の暴動が起きた点が、より深刻なんです。
万一対立がさらにエスカレートして、互いに報復を繰り返す民族紛争に陥れば、問題は新疆ウイグル自治区にとどまらず、全国の少数民族地域に飛び火してしまいます。
古今党政権は今年10月1日の建国60周年で、国の安定と経済発展の成果を内外に、誇示し、共産党による統治の正当性をアピールしようとしていただけに、今回の衝撃は非常に大きかったと見られます。
中国指導部?首脳部?は今回の暴動を、海外に拠点をもつ分離独立派が先導した暴力犯罪と位置づけまして、首謀者と協力者に対しては徹底的に取り締まるとしています。
その一方で、暴動に巻き込まれたウイグル族と漢族は、共に被害者だとしまして、民族の団結を呼びかけると共に、被害者に多額の保証金を支払って、反発を和らげるのに懸命です。
いわば、力と宣伝によって押さえ込もうとしているわけなんです。
しかし、少数民族の不満そのものを和らげなければ、問題の根本的な解決にはつながりません。
去年3月のチベット自治区での暴動に続いて、今回の暴動が起きたことは、巨額の資金をつぎ込んで、地域の開発を進めるだけでは、少数民族の根強い不満を解消しきれないことを改めて示しています。
経済格差を是正したり、少数民族の宗教や伝統文化をもっと尊重するなど、あらゆる手段を動員して、少数民族の不満を和らげることができるのかどうか、胡錦涛政権は待ったなしの対応を迫られています。
【長尾香里キャスター】
橋本総局長でした。
漢族とウイグル族の対立が激しさを増す中、海外に暮らすウイグル族の人たちはどう受け止めているんでしょうか?
ここ日本にも700人から800人のウイグル族の人たちが暮らしていますが、今回の事件をきっかけに、中国政府への抗議活動に乗り出した人たちがいます。
(抗議のシュプレヒコール)
「ウイグルに人権を!」
「ウイグルに人権を!」
「虐殺をやめろ!」
中国大使館前でウイグル人虐殺に抗議の声をあげる在日ウイグル人
今月8日、東京の中国大使館前で、日本に住むウイグル族の人たちが抗議の声をあげました。
東京の大学院を卒業し、その後コンピュータ関連の企業に就職しました。
故郷の両親や兄弟にも仕送りを続けています。
「将来はウイグルに帰って、両親たちと一緒に暮らしたいと思っていました。
必ずそっちに帰る、と。そこで生きていくっていうのが最終的な目標だったんですね」
両親と連絡を取りたいアフメットさん。
しかし暴動が起きた翌日以降、電話が一切つながらない状態が続いています。
「とにかく、連絡を取りたいんですけれども、なかなか取れない。心配しています」
アフメットさんは、これまでも、中国政府のウイグル族への対応に強い不満を抱いてきました。
そのアフメットさんを突き動かしたのは、インターネットを通じて日々流される、現地からの映像でした。
故郷に帰るのを諦めてでも、抗議に加わる決意を固めました。
それで私たちも、少なくとも現地で何が起きているのかということを知っている限り発言しないと。
もうこれ以上黙ると、人間として生きていく価値はなくなってしまうんじゃないかと…」
後世のウイグル人は、アフメットさんたちの行動を、民族の誇りとするだろう。
今回の事態は、他民族国家、中国が抱える少数民族問題の難しさを改めて示しています。
近年の急速な経済成長は、返って民族間の格差を広げ、少数民族の人たちの不満も高まっています。
暴力の応酬を防ぐためには、経済格差の解消など、対立の火種を元から絶つ政策が、中国政府には求められていると感じました。
管理人コメント
あいかわらず、日本のメディアは、漢族、ウイグル族、と“人”ではなく、“族”と呼んでいるが、これは、ちょっと前まで、「北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)」と日本のメディアが言ってたのと同じ。日本のメディアは暴力的な国家の圧力に弱すぎ。
紹介した写真にはあまり含まれていないが、実際は中国側の宣伝映像の時間がかなりある。
この番組は、中国政府側の非をある程度含めることで、さも公正な報道であるかのように装っている。
しかし、肝心のことはまったく触れていない。
中国がウイグルに対してどんなことをやってきたのか、具体的なことをほとんど何も語らず(核実験の被爆のことも)、ただ経済格差を解消すれば問題の多くが解決するかのように伝えている。
中国の民族問題の根本原因を経済格差ととらえ、それを解消するために、ウイグル人が仕事がしやすいよう中国語の教育に力を入れ、沿海部の仕事を斡旋している、という線で、日本で宣伝したいのだろう。7月16日放送のクローズアップ現代もその線に沿った内容だったので、これからもその線でチベット、ウイグル問題が報じられるのだろう。
ウイグル問題は、単に文化の違う中国人が増えた、経済格差が拡大した、その程度の問題ではない。ウイグル問題の核心を短く4文字で説明するとすれば、「経済格差」ではなく、「民族浄化」だ。
中国人のウイグルへの大量入植も、ウイグル人への中国語(のみによる)教育も、ウイグル人の中国本土への半強制的な移住政策も、分離独立の芽をつむための民族浄化、同化政策として行われている。
民族浄化政策に付随して経済格差の問題が起きている。それも日本人が想像するようなただの貧乏ではなく、ガチガチに自由を奪われた上での経済的貧困。この番組ではそのニュアンスが伝わらない。
「少数民族の宗教や伝統文化をもっと尊重…」と言ってる、北京の橋本総局長、何とかトラップにかかっているのでしょうか。まるで、中国政府は、これまでもそれらを尊重してきたかのような言い方だ。
中国政府のように何でもかんでも相手が悪いというのではなく、若干中国の問題点を認めることで公正な立場であるかのように見せかけるこの手法は、日本にいる中国人知識人がテレビでよく使っている。そして「今中国は発展段階にあるから、ちょっと待ってほしい。徐々に解消されていく」と、批判をかわす。彼らが裏で番組の構成をやってるのかと勘ぐってしまう。
ジャパンデビュー台湾編のときと同様、やはりNHKは、日本国民ではなく中国政府の顔色を伺いながら番組を作っている。
去年この番組で、チベット難民の問題を報道したが、そのときはちゃんと本当のことを報道してくれただけに、残念。
このような偏った情報を流すのは、日本人を危険にさらすことになる。
危険な立場にいるウイグル人たちが命がけで本当のことを伝えようとしているのに、安全地帯にいるNHKの人たちは、本当のことを知りつつ、中国が許容する範囲内でしか情報を伝えない。
後ろめたくないのだろうか。言論人という以前に人として。
長尾さんも本当のこと言ってください。お願いします。
「海外ネットワーク」特集「国境を越えるチベットの子供たち」
http://tibet.turigane.com/nhkhimaraya.html
ダライラマ法王事務所 ルントック氏
http://tibet.blog.shinobi.jp/Entry/96/
現在、ウイグル問題に関しても、チベットの問題に関しても、雑誌などで、「経済格差」という言葉で解釈する人がいます。しかし、経済格差の問題ではないです。中国に侵略されてから現在まで60年近く、チベット人もウイグル人もたくさん殺され、未だに殺され続けているんです。
ダライラマ法王事務所代表 ラクパ・ツォコ氏
http://tibet.blog.shinobi.jp/Entry/84/
日本に宣伝の注射を一回打てば、その後の宣伝の仕事は、日本のマスメディアや、テレビのコメンテーターがやってくれる。中国政府の政策では、私たちは“族”です。しかし、私たちには私たちの歴史がちゃんとあり、私たちはチベット“族”ではなく、チベット“人”です。チベットは2000年以上の歴史、言葉、政府、通貨、歴史的背景があります。中国政府の宣伝では“族”ですが、日本のメディアの方々が、中国政府と同じ言葉を繰り返したら、どうなるんでしょう。
ウイグル自治区の襲撃事件、目撃者が生々しく証言
http://www.afpbb.com/article/war-unrest/2426475/3187061
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