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http://tibet.blog.shinobi.jp/Entry/67/ のつづき
司会 チベット問題を考える会代表 小林秀英氏
三民族に共通する民族浄化について、同じように語られていましたが、その中で、中国国内で三民族が連携して連帯をするのは非常に難しいだろうと思いますが、特に今後、三民族の連帯を進めるにあたって、それを支援しうる立場にある日本や欧州、米国に、どういった支援、活動を期待されるでしょうか。出席者のみなさんにおうかがいいたします。
亡命チベット人2世ツェリン氏
私たちがこれから、どこか一つの民族の力だけで、中国を倒す、根本的に解決するということは、できないと思うんですね。そこで、もちろん、ウイグル、南モンゴル、チベット、三つの民族、それとまた満州の方でどういう風に動いているかよくわからないんですけれども、もしあればそれも一緒に入る、というのが非常に重要だと思います。
最終的に中国というのは、宗教を信じない。唯一信じるのはもしかしたらお金かもしれない。お金を信じるのであれば、お金を信じる人にお金で訴えかければいいかなと思うんですね。
例えば中国がチベットに居続ける。そして中国がウイグルに居続ける。南モンゴルの中に居続ける。それが利益としてペイするか、ということを根本的に考えさせるのが一番いいかなと思いますね。それは一言でいうのは簡単に聞こえますが、そう簡単ではないと思います。
今、それらの地域に、中国の膨大な軍事が、本当に目に見える軍事、あとそれ以外に、私服の公安、これらは中国としてはかなりお金がかかっていると思うんです。それを入れても彼らは得るものがあると思うんですよ。それを1年、2年、最終的に何年やってもそれをやり続けられるか、という問題がある。
例えばあの大英帝国が崩壊したときは、やはり経済的理由が一番大きいと思います。それだけ離れた地域、あらゆるところでそれだけの軍事、また強制的に人員を配置して、それでも英国に利益があるか、というところで根本的に壊れたと思うんです。そのような意味では、今回チベットでは3月14日から騒乱が起きましたが、できれば同じ時期に私たち三つの民族がそういう行動を起こした場合、中国にいくら軍があったとしても、すべて対応できるかどうか。そういうような状況ができるように国際社会は支援してくれればという風に私たちは願うんです。
そういうとき、せめて何もできなかったとしても、国際機関を通して、中で何が起きているか、ということをせめて取材ができるくらいに……。まあ今年はサルコジとかEUの方で、そしてUSもそうですし、日本もそうだったんですけれども、まず出だしは強かったのですが、最後の最後にはまたいつもの通り、また逃げたというか、結果としてはそうなってしまいました。
私たち普通の人に何できるか。たとえば日本の普通の方々に何ができるかと言えば、それぞれ自分の地域の政治家などに働きをかけて、中国と交渉するときにちょっとでも私たち三民族の運命も考えながら、お金だけ、利益だけではなく、企業の利益、その国の利益だけではなくて、もうちょっと遠いところの政策も見ながら、一言でも発言できるような圧力を、一般の日本の方々が、自分たちの政治家に圧力をかけて、それをさらにそのような形になるように活動をしていただければ、と思います。
世界ウイグル会議副総裁セイット・トムトルコ氏
今日は、三民族の連帯としてシンポジウムを行っていますが、私の考えは、三民族だけではなく、中央アジアにあるカザフスタン、ウズベキスタン、キルギスタン、トルクメニスタン、こういう国々も、政府は今、中国政府に協力していますが、実はこれらの国々も中国の脅威を感じております。ですから、これから私たち三民族を始め、こういう国々とも連帯して、中国と戦わなければいけないと思っています。
なぜ私たち三民族だけの連帯ではなくて、中央アジア全体を考えなければいけないか、ということを、これから皆さんに少し説明したいと思います。
先週、ロシアと中国の国境紛争問題は、最後の一つの島を中国に返したことで、両国の間に国境問題はない、ということになりました。ロシアは小さい国でも弱い民族でもありません。これは、中国の力が強くなって、国際政治の場でも彼らの力が強くなっていることを示しています。
ですから、このままいくと、近々、中国は、今度は日本からいろんな領土の要求を始めるのではないでしょうか。
こういう問題が起こる前に、私たちは力を合わせて、それにどう対処すればいいか、ということをみんなで一緒になって考えるだけではなく、行動しなければならないと思います。ですから先ほどの藤井先生のお話、私は100%賛成しております。
今の中国共産党の支配で、中国全土で宗教を信仰することは不可能で、そこで生活する人間も、普通の人間的な感情を持っていない、という状況になっているんです。
わずか19年前のことですが、中国共産党は、89年の64天安門事件で、何も武器を持っていない学生たちに対して、しかも同じ漢民族の学生に対して、戦車まで投入しました。中国共産党は、これから、世界の他の民族に対して、どういう行動をとるのか、それを考えなければならないと思います。
それから、数カ月前、チベットの僧侶たちがただ平和的に自分たちの権利を守ろうとして行ったことに対し、中国共産党は大量の軍人を送り込んで、たくさんの人を殺し、行方不明になった方がたくさんいる、という状況になっております。
それと同じように、我が祖国東トルキスタンでも、たくさんの人間が何の罪も犯していないのに逮捕され、裁判もなしに刑務所に送り込まれ、たくさんの人が殺されてしまう状況にあります。
第二次世界大戦中に、日本の軍人たちが行ったとされる、本当かどうかわからないいろいろなことで、何度も何度も日本に謝れ謝れ、と、こういうカードを、中国共産党は今まで国際的に使ってきましたが、彼らは、今、堂々と我がウイグル民族の女性達を毎年何万人も中国本土に連れ出しています。
ですから、私たち、三民族だけではなく、全アジアのすべての民族、すべての人々に、いままで中国が行ってきたことを説明し、みんなが目覚めて、将来のことを考えるべきだ、と伝えなければなりません。
去年カザフスタンの大統領ナザルバエフは、中国の現状をみて、すべてのトルコ系の国々に対して声明文を出しました。その声明文で彼は、私たちトルコ系民族が、これから一つになって戦わないと、近いうちに中国とロシア、この二つの大きな国の犠牲になるのは間違いない、と訴えました。
カザフスタンは今から16,7年前に独立した新しい赤ん坊のような国ですが、そういう国の大統領も、自分たちの運命を理解しつつあるということは、非常に重大なことだと私は思います。
歴史において、ロシアと中国という二つの大国と戦って勝ったのは、アジアでは唯一日本だけなのです。でも、私たちにはちょっと理解できないのですけれども、現在、このすばらしい国が、アジアで行われている蛮行に対し、なぜか正義の声をあげなくなっています。
しかし、そのような先祖をもつ日本人は、必ずや再びアジアの全ての民族と連帯して、正義の力でこのアジアに平和をもたらす、と私は信じております。
最後に、私はトルコを始め、トルクメニスタン、ウズベキスタン、キルギスタン、カザフスタン、東トルキスタン、それからチベット、モンゴル、それに日本が連帯して、お互いの安全のために、お互いの利益のために、お互いの国民のために行動し、幸福を得るときがくる、と信じております。
みなさん最後までご静聴ありがとうございました。
司会
ウイグルだけでなく、トルコ系の民族との連帯を視野に入れて、運動が展開されていくのを感じました。また先ほど藤井先生が指摘をされたように、内陸アジアと海洋アジアの連携、これもやはり、日本の側でもはっきりと自覚をする必要があるのでは、と思います。
この三つの民族は、それぞれに第二次世界大戦のときに、日本の戦いに対して、日本を支援する立場を取っておりました。
私はチベットの支援者にたびたび言うんですけれども、第二次世界大戦の最中に、チベットの僧院は、お寺をあげて、日本の戦勝祈願をしておりました。それは、戦後の教育を受けた我々にはちょっと信じられないことですけれども、これは事実なんです。
そのことを証言される高僧方もまだ生きておられる。だから直接うかがって、それが事実であることを確認できますが、日本に勝って欲しい、という戦勝祈願がされておりました。
それから、ウイグルについても、通訳をされているイリハムさんが、100人委員会が7月30日に立ち上がったときに来られて、スピーチをしてくださいました。そのとき、「日本軍にウイグルまで来て欲しかった。ウイグルは日本に侵略された方が、遙かに幸せだった」と言われたんですね。こういったことは、日本人には大変ショックなことだと思うんですね。しかし、これは日本人がこういうことを言ってくれ、と頼んで言ってもらっているわけではありません。ウイグル人の本音として、日本はなぜもう少し遠くまで来てくれなかったんだ、という声も事実あるんです。内陸アジアの海洋アジアに対する期待がかつてもあったし、今でもあるんだろうということの証拠じゃないかと思います。
またモンゴルについても、日本青年館で、セーブチベットが大きな集会を開いたときに、モンゴルの代表の方が来られて、あの方ははっきりと、「モンゴル人は日本軍と一緒になって戦いました」。声援を送っただけじゃないんです。「日本軍と我々は一緒に戦いました」と言っているんです。ですから、内陸アジアというのは、大陸のアジアに同化されるのではなく、海洋アジアに大きな期待をもっているということをうかがい知ることができるんですけれども、その自覚を、海洋アジアの我々がどれだけもちうるか、ということではないかと思います。
モンゴル自由連盟党幹事長オノホルド・ダイチン氏
チベットとウイグルの方がお話しした通り、三民族が一緒になって戦うということは、とても正しいことだと思います。
モンゴルというと、独立運動で戦った歴史があります。たとえば、1911年から、大モンゴル国をつくるため、モンゴル人は血を流して戦ったんです。世界大戦のあとも、モンゴル人は自分の国を救おうとして戦ったのです。しかし最終的には、ロシアと中国の間で、モンゴル国を救うことはできなかったのですが、一部名前が残って、モンゴルは中国に併合されました。
内モンゴル人は、共産主義を信じて、中国共産党を信じて、一緒になってもこの共産政府の下で、みんな平等で暮らすことができると思っていたんです。中国共産党の共産主義というのは漢民族の漢文化を押しつけて、共産主義の名の下に、他の民族を同化するということです。それは、チベットに対してもウイグルに対してもモンゴルに対してもまったく同じです。
資源を奪って、そこの人たちを同化する、浄化する政策です。文化的にも、伝統的にも、経済的にも、昔から中国とはまったく違う国であり、民族であったところを力づくで漢化するというのは、現代社会においてはとても非人道的なことです。
だから、中華人民共和国の中で暮らしているチベット、ウイグル、モンゴルというのは、運命も同じ、目指している方向も同じです。
みんな共産政府の支配を受けて、侵略を受けた人たちです。
だから、手を取り合って、連帯していくのはとても正しい方針だと思っております。
それはもちろんこれからのことですから、先ほどの人がおっしゃった通り、ただの3つの民族では足りない、それ以外にも中央アジアの国の人、日本も含めた自由民主を愛する人たちと連帯して、手を組んで、共産独裁政府を倒さないと、そこに暮らしているチベット、ウイグル、モンゴルだけでなく漢民族の人たちも幸せになることはできないです。
だから私たちはまず三民族が手を組んで、これからの方針、やり方を一緒にして、情報、戦略を一緒にして、行動するのはとても大事です。
チベット、ウイグル、モンゴルで行われた事実をまず世界に訴える必要があります。
日本、それからヨーロッパ、アメリカまで訴える必要があります。一人で訴えるより、二人三人で訴えるた方が、とても力があります。それで世界の理解、支持を得ることができます。そうすると、共産独裁社会は、いつか倒れるでしょう。すると世界は、平和を迎えることができると思います。
ありがとうございました。
評論家 宮崎正弘氏
助言などという僭越なことはできませんけれども、さっきどなかたおっしゃいましたが、中国はお金しか信仰がないから、金でやろう、と。あのー、金もダメだと思います。
北京五輪前に事前取材で北京におりました。1週間ぐらいいて、地下鉄とバスに毎日、10回乗ったんですよね。50回乗ったうちの40回、席を譲ってくれるんです。そんなに年寄りに見えるのかな。それで、自分のことしか考えない中国人が、どうして席なんか譲ってくれるんだろう、と非常に不思議に思っていたんですよね。
五輪が終わって、先々週また行っておりました。誰も席を譲ってくれない。あれは芝居なんですよ。国をあげての。
なんたって、口パク女、それから花火のインチキね、いろいろある。すべてインチキで成り立っている国なんだから。別に驚くことじゃないんですよね。
それともう一つですね。思いやりとかいうことをおっしゃいますけどもね、「思いやり」という言葉がないですよ。中国語で「惻隠の情」ってありませんよ。「根性」っていう中国語はありませんよ。
一番簡単なのは中国語には「優しい」という言葉がない。たとえばこのマイクロフォン、固いですよね。紙は柔らかい。これを「優しい」というんです。
たとえば、藤井さんのように、ごっつい体をしているけれど、心が優しい人がいる。中国人にはいないけれど。「あのー、あんた、どうして彼のことを好きになった?」と聞いたら、「だって彼は優しいじゃない」って言うんですよね。しかし、そこは漢字がないから、そこだけ日本語で言うんですよ。つまりボキャブラリがない。そういう国の人に優しさとか思いやりとかをこれから教えるというのは、私は今から一生懸命教えていこうと思うんだけれども、まあ半分以上絶望じゃないですかね。
もっと典型的な話をしますとね、お墓ですよ。宗教をまったく信じていない中国人が、しかしあの世のことは信じているんですよね。銀行券も閻魔大王が発行した地獄のお札があって、亡くなったら必ず一緒にそれも埋葬するんですけれども。
中国には208個所、反日記念館があります。この間も南京に行ってきました。反日記念館があって、革命烈士を祀っているんですよ、そこら中のお墓に。それを見たあとに、現地のガイドに必ず聞くんですけれども、「ところで、日本人のお墓はどこにあるんですか?」。エッ!敵は埋葬しない?
日本では、たとえば源平のときに、大内を滅ぼした、陶晴賢(すえはるかた)を滅ぼした毛利は、この二人をちゃんとお祀りしているんですよ、毛利の菩提寺に。敵であったって死んだら神様。だから共に祀るんです。
中国人にその話をしたら、ポカーンとしていますよ。敵のお墓をあばいてでも、その死体にむち打つのが中国の伝統だから、なんだって日本人の墓地を祀るんだ、という発想がありますのでね。
これをまあ、今から理解させていくのは大変だろうと思いますけどね。まあ一応がんばってみようと思いますけどね。
ということで、アドバイスにはなりませんけどもね、よろしくお願いします。
http://tibet.blog.shinobi.jp/Entry/69/ へつづく
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