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日本はチベットから多くのことを学ぶことができる。優れた精神文化や深い歴史からだけではなく、中国に支配された経緯と命がけの抵抗運動から、我々が多くのことを学ぶべきだ。チベットが自由になるということは、日本が自由になるということだ。――このサイトの趣旨にご賛同いただける方は、サイト内の文章をご自由にご利用ください
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http://tibet.blog.shinobi.jp/Entry/65/ のつづき


評論家 宮崎正弘氏

評論家 宮崎正弘氏
宮崎正弘氏

おまたせいたしました。
今日は参加者の方を拝見しておりますと、台湾関係の方が多いですよね。特に台湾独立運動の方。そのことも含めましてちょっと…。それから、ちょっと進行が速いものですから、私は10分間しか時間はないんですが、ちょっと勝手に延長して15分くらいしゃべらせていただきたいと思います。

まず、ウイグルとチベットと南モンゴルに関して、簡単な報告をうかがいましたが、日本人から見た現場はどうなっているかというお話をざっとさせていただいて、それから三地域における中国共産党支配の特徴の共通項についてお話ししていきたいと思います。

北の方からまいりますと、日本がかつて建国した国があります。満州帝国。今の中華人民共和国の中では、黒竜江省、吉林省、遼寧省プラス今の内蒙古省と、昔、熱河省というのがありました。それから河北省の一部。これだけ広い国土を実は中国は支配したことがなくて、それで日本が入ったようなんですよね。
今中国はなんて言っているかというと、満州帝国というのは、あれは日本が搾取した植民地であるとかなんとかまあ、とてつもなく奇妙なことを言っていますがね。

今申し上げた中で、内蒙古省の北の方に満州里というところがあるんですね。これはロシア国境です。それからそのそばにハイラルというところがあります。
ここは、さっきモンゴルの方がおっしゃったように、フロンベール、日本語で読むとホロンバイルにあって、この今のモンゴルとの国境付近にハルハ河というのがあって、ここでノモンハンが戦われたんですね。
私はもちろんそのノモンハンの現場にも行きましたけれども、全く何もないんですよ。地平線と空しかない。たまに広告塔があって、その広告塔を目指して行くんだけれども、どこがいったいノモンハンの戦場なのか全然わかりませんでした。私はタクシーを雇って行ったんですけれども、向こうからオートバイが来たものですから、止めて、「ノモンハンってどこだ」と聞くと、「いや全然知らないけれども、その辺に部落があるからそこへ行け」と。それで行ったんですが、全然わからない。うろうろしていたら、人民解放軍の兵舎があった。そこへ行きました。ちょうど何か訓練をやっていたので、しばらく待って、それで「昔ノモンハンというところで戦争があったが、その現場に行きたい」と言うと、小隊長が、「ちょっと待ってろ、案内してやる」と、日本人をその現場まで案内してくれましたが、砲弾の跡で、「和平」、日本でいう「平和」ですが、和平と書いてあって、昔日本が造った見張り台がそのまま残ってあった。というところが、内蒙古省の北端です。

 この省の省都はフフホトです。フフホトも行くと分かりますが、近くに空があります。星がきれいで、空気もきれいで、それで私の雇った運転手というのも、明らかに酔っぱらい運転でした。無茶苦茶運転しながらホテルへ行くんですが、とにかく、北京とか上海と比べると非常に生活水準が低いです。
それで翌日町をうろうろと歩くと、いろいろ何かおかしなことがある、まぁ、すべてがおかしいんですよ。だいたい道路はでこぼこで、ドブ水で、まともな水道はないし、よくこんなところで生活なさっているなぁ、という気がしました。

今内モンゴルの話だけでこれだけ時間が経ちましたので、次にチベットにいきます。

チベットは、実はついこの間まで、中国の国内観光のトップだった。年間中国人が400万人行くんですよね。ジャンボジェットが次から次から飛行場へ着いて、飛行場からラサの市内までジープでぶっとばしても1時間ぐらいかかります。どういうわけか、そのランドクルーザーはみんな三菱。そして、ラサへ入ると、お寺のまわりは警官が多いんです。
表通りを見ていると、タクシーの運ちゃんは漢族、人力車はチベット人。それからビールを置いているバーに入ると、経営者はだいたい漢族。アメリカ人が経営しているバーもありますが。ものすごく職業差別があるんですよね。
私はちょっとビールがすきなもので、4000mのラサでビールを飲んだらどうなるんだろう、と、実験しましたが、全然酔わない。それでバーに夜行きまして、ウィスキーを飲んで、一日3杯飲めるんですよね。それで何ともない。
高山病ってどうやったらかかるんだろう、と思って、最後の晩に4杯飲んだら、頭が痛くなって全然眠られない。ああ、これが高山病、ということがよくわかったんですけれどもね。

ということは、漢族があそこに押し入っても、高山病でバタバタ倒れるんですよね。チベットの鉄道を作りましたよね。あれで人夫が相当倒れて、それから人民解放軍が行ってますね。今だいたい50万人いるんじゃないかと言われていますが、やっぱり高山病でバタバタ倒れるんですよね。
そもそも今の胡錦涛さんは、チベット書記に任命されて、ほとんどあそこにいなかった。お隣の四川省の成都にいたんです。なぜかというと、高山病で、あんな4000mのところには住めない。

それで成都から指令をしていたというのが事実らしいんです。

次にウイグルです。
他のイスラム圏に行くと、朝の5時か6時半から、アラーアクバール、と言って、教会から荘厳な宗教の音楽が聞こえてきますが、ウイグルへ行ったらどこからも…、モスクはあるんですよね。朝モスクへ行ったって人は集まっていない。宗教音楽は聞こえない。 非常に奇妙な静けさです。

もっとお話したいのですが、この三つをうろうろ周りながら考えたことは、中国共産党っていうのは、この三つの地域において、支配のやり方、ノウハウに共通点がある、ということ。
7つぐらいあるんですよね。

さっきもおっしゃっていましたけれども、言葉、言葉を取り上げた。小学校1年生もしくは小学校3年生から現地の言葉を学校で使ってはいけない。それから、歴史教育はもちろんいけない。ですから、独特の伝統音楽を踊ったら逮捕される、とまあめちゃくちゃなことをやっています。

チベットの居住区に行って、若い女性のあんまさんに足をもんでもらったんです。あんまり疲れてね。それでどこの人だと聞いたら、色は白いのでチベット人だと思わなかったが、チベット人だって言うんですよね。
「チベットの言葉をしゃべれますか」と聞くと「全然しゃべれない」って言うんですよね。その22,3才のチベットの女性が。それでおったまげましてね、というよりもあることを思いだしたんです。
20年前に国民党独裁の台湾で、国民党のチベット委員会というのがあって、そのトップにインタビューしたことがあるんですが、チベットに行って報告書を書いたと。じゃあ、その報告書を見せてくれ、と言ったらなんと、「漢族とチベットとの融和が進んでいて、もう不満はどこにもない」と書いてあるんです。ええっ、そんな馬鹿な、と。
これ、同じなんですよ。国民党があのとき言ってたのは、蒋経国は、300年前に来たのと、30年前に来たのと、同じ民族だから、30年と300年はもう同じじゃないか、と。こういう論法だったでしょう。
ですから、中国の漢族といいますかね、この支配者民族というのは、考えることは台湾にいても北京にいても同じである、ということがわかります。

まず1番が、その言語教育を取り上げて、歴史教育を否定している。ということはだんだんだんだん独特の民族の記憶を失いつつある、というのが最大の特色です。

2番目は、行政ですけれども、少数民族優遇政策をとっている、と中国共産党は盛んに宣伝をしていますが、とってはいないだろう。それで職業差別とかいろいろあります。
要するにあそこは漢族の支配地域に行っても同じなんですよ。行政というのはないんです。あるのは党だけなんです。党の細胞は全国津々浦々に組織されているけれども、行政は、党が、表看板でここは行政ですよ、と言っているだけです。
区役所に行きます。「印鑑証明書をください」。全然知らん顔をしています。「印鑑証明書…」「うるせぇ、帰れ!」二日目に行くんですよね。「印鑑証明書をください」。「きのうも言っただろう、帰れ」。3日目に賄賂を持って行くとくれるんです。これが行政なんですよね、中国の。
それよりも末端にあるのが党の細胞であって、それがウイグルにもチベットにもモンゴルにもある。これを1日やそこらで打倒するというのはなかなか難しい。

3番目の特徴ですが、その地域にある資源を平気で強奪して、なおかつそれをこの国のこの地域の経済発展のために我々は寄与している、と言っているわけですよ。ウイグルでは天然ガスと石油が出ますよね。砂漠の真ん中にあったコルラなんていう都市は、今や50万都市ですよ。飛行場ができた。砂漠の真ん中に。
そこからパイプラインを敷いて、どんどん生産されるガスはみんな4200kmパイプラインを敷いて上海にもっていってるんですよね。誰が使っているのか、というとみんな上海の人間じゃないですか。
そういうことを平気でやる。
チベットからもちろんレアメタルを強奪していますけれども、何を一番取っているといったら、水ですよね。エベレストの水、チベット高原の水が、長江と黄河に流れ出して、中国人の水資源というのはみんなチベットのお世話になっているにもかかわらず、「チベットを我々が養ってやっているんだ」と非常に僭越なことを言い出している、というのが三番目の特徴ですね。

4番目の特徴は、徹底的な宗教弾圧。日本の新聞は抽象的に「宗教弾圧」と書いていますが、現実は何かというと、ポタラ宮殿に行くと、1000ぐらい部屋があるんです。全部見るのに三日ぐらいかけないと見れません。フロアごとに私服警官がいて、公安がいて、公安の机がありますよ。それから、ジョカンというのは、チベット仏教徒は右回り、時計回りですよね。ところが、漢族はわざわざ左に回る。そういうような不埒なことをやっています。チベット仏教に限らないんですが、キリスト教もイスラム教もその他のいろんな宗教も、みんな表だった寺院の中にはかならず公安がいてデスクがあって、大きな寺院になるとパトカーが常駐している。これが「宗教の自由」の実態ですけれどもね。それもまた三地域同じです。

次に、5番目の特徴は、都市設計が似ている。ウイグルの首都ウルムチは今400万都市ぐらいですかね。これはほとんど80%90%漢族。ところが、その原住民がいてお寺があったら、その周りに違う宗派を置いている。これはチベットでいうと、ラサのチベット仏教の隣に、かならずイスラム寺院を建てて、その地域には違う民族を呼んできて、そこに住まわせる。民族隔離プラスその地域における住民の隔離をやっています。これはフフホトも何もかもみんな似ているんですよ。そうやって宗派を分断しているという、非常に、奇妙、奇妙じゃなくて巧妙な支配のノウハウをもっている、ということを指摘させていただきたいと思います。

6番目、これは民族浄化。これも各民族代表の方がおっしゃいましたが、どんどんどんどん、その都市へ、その地域の若い女性をもってきて、漢族と通婚させる。山東省にいたっては、ウイグルから女性を数万人引っ張ってきて、寮に住まわせて外に出さない。あんたは漢族の男と結婚しなさい、というようなことが今進んでいるんです。なぜかというと、女性の方も、結婚した方が経済的に豊かになれるんです。雇用がある、賃金が上がる、それからいろんな特典がありますからね。病院にも通える。しかし、それを蹴っても、一番大事なものは民族の独立、民族精神の享受である、ということなんですけどね、だんだんだんだん年月が経ってくると、そういうことも忘れる人が多い。他の国じゃなくて、我が日本がそうじゃないですか。
大和民族なんて今やどこにもないし、特攻の精神なんて言ってもまあ、今日ここにいる人くらいでね、日本の中じゃ珍しい人種でしょ。そういう意味では、だんだんだんだん民族精神の風化が進んでいる、ということをもうしあげたい。

もう時間となりましたのでもう1点、7つ目ですが、要するに軍隊中心なんですよね。
チベット(昔のチベットの地域)に駐留している人民解放軍はおおよそ50万人と言われています。ウイグルに駐屯している解放軍はおおよそ70万人います。こうやってみていくと、中国の軍隊は確かに235万人いるけれども、そんなに強いのか。そうじゃなくて、自分たちの中に向いた軍隊であるという特徴があるんですね。


いずれにしても、孫文先生がおっしゃったのは民権民族民政。今次に指導者になろうとしているあのおっさん、習近平は、三真主義って言ってるんですよね。野球の三振じゃなくて、三つのまこと。それが、民を愛し、それからなんだっけ、民のための、民による政治、だとかなんとか、まったく意味不明のことを言っている。だから、これ、三真主義じゃなくて、三つの嘘主義と言ったほうがいいんじゃないかと思いますがね。

そういう特徴をもった人たちを相手に、これからも三民族の団結というのはますます重要になっていくだろうと、いうふうに思います。

どうもありがとうございました。


http://tibet.blog.shinobi.jp/Entry/67/ へつづく

 



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